COLUMN KONA Challenge

人を輝かせるトライアスロンの力と、100年豊かに生きるために大切なこと〈後編〉

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ルミナ編集部

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写真は2016年、KONA(アイアンマン世界選手権)をフィニッシュする稲田弘さん ©Kenta Onoguchi


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〈100年コーチ〉山口一真が語る

人を輝かせるトライアスロンの力と、100年豊かに生きるために大切なこと。〈後編〉

KONAチャレンジを応援する(株)メイクスの取締役で、自身もこのプロジェクトをきっかけにアイアンマンに出場するトライアスリートになった山口一真さんが語る、人を輝かせるトライアスロンの不思議な力と、人生100年時代を豊かに生きるために大切なこと、後編。

>>>前編を読む

アイアンマンレジェンド稲田弘さんが教えてくれたこと
「人生100年を豊かに生きるための大きなヒント」

--山口さんは今年から〈100年コーチ〉として、人生100年時代を豊かに生きるためのアドバイスをしていますが、これはどういったことから始めたのでしょうか?

山口 元々メイクスがKONAチャレンジのサポートを始めたときから、メイクスの担当者として何か、メイクスのテーマである「人生100年時代に充実した人生を送るためのサポート」につながるようなことができないかと考えていたんです。

自分もトライアスリートになり、トライアスロンを通じて自分をパワーアップし、より豊かに楽しく生きることができるという実感がもてたところで、今度は資産形成に関する自分のプロフェッショナルなスキルを生かして、人生100年を豊かにするためのアドバイザリー、コーチングのようなことができるのではないかと考えました。

KONAチャレ公式サイトでは、メンバーインタビューの聞き手を務める(写真右が山口さん)

--山口さんはKONAチャレメンバーを始め、色々なトライアスリートにインタビューし、多種多様なトライアスロン人生に触れてきました。こうした経験も、〈100年コーチ〉という役割を担ってみようと考えることにつながったんでしょうか?

山口 アスリートのみなさんの生き方や考え方には、本当に多くのことを学びました。〈100年コーチ〉というアイデアが生まれたのは、特に世界のアイアンマンレジェンドである稲田弘さんの存在が大きいですね。

稲田さんは60歳で仕事を辞めて難病の奥さんの介護を始め、体力作りのために泳ぎ始め、70歳でトライアスロンを始め、そこからアイアンマンに挑戦し、80代でKONA完走の世界最高齢記録を何度も塗り替え、今や世界中のトライアスリートが注目する存在になっています。

トライアスロン界だけに留まらず、稲田さんの生き方・考え方は、人生100年時代をどう生きるかを考えるときの大きな指針になりえると思いました。

--稲田さんには4月にインタビュー取材していただきましたね。新型コロナの影響で、オンライン・ミーティングによる対談になりましたが、山口さんの稲田さんについてもっと知りたいという気持ちの強さから、盛りだくさんの内容になりました。

>>>関連記事「makes Special Interview/最高齢アイアンマン世界王者・稲田弘さんに訊く、人生100年時代を豊かに生きるためのヒント」

©Kenta Onoguchi

山口 稲田さん自身と人生の豊かさがそうさせたんだと思います。稲田さんには以前からずっと注目していましたが、実際に話してみたら、まさに思い描いていた通りの方でした。

人は何歳からでも新しいチャレンジを始めることができるし、普通は無理だと思えるようなことでも、情熱さえあれば成し遂げることができるということを、稲田さんの人生は教えてくれます。

87歳の今でもずっとトライアスロンのことを考え、あれこれ工夫するから、日々新しい発見がある。バイクに乗りながら「おれは今生きてるぞ!」と叫ぶことがあるという話には本当に心を揺さぶられました。

--これからの時代、高齢者になってもトライアスロンを続けるためには、経済的な基盤づくりのために、資産形成が重要だと稲田さんのインタビュー記事でもおっしゃっていましたが、稲田さんも亡くなった奥さんが早くから資産運用をされていたとのことでしたね。

山口 奥さんも含めて稲田さんの人生は人との出会いに恵まれていると思いますが、奥さんもそうですね。それも含めて稲田さんの人徳なのかもしれません。

KONA(アイアンマン世界選手権)レース直前の稲田弘さん ©Kenta Onoguchi

ただ、ここで考えなければいけないのは時代の変化です。

稲田さんの資産運用はまだ日本経済に活力があった時代の金融商品で行われました。かつては定期預金や保険など利息確定型の商品でも資産を増やすことができたんです。

しかし平成不況以後以後は時代が変わりました。特にこれからの時代はただ貯金していてもお金はほとんど増えません。公的年金もこれからは受給額が次第に減って行く可能性が高く、年金に頼っていては充実した人生を送ることが難しくなっていきます。

あの記事を読む人には、そうしたことにも気づいてほしいと思い、トライアスロンに必要な資産形成というものに触れてみました。

トライアスロンを続けるために必要なもの
「100歳まで幸せに生きるための資産形成がそこから見えてくる」

--これからの時代、資産形成が必要というのは多くの人が漠然と感じていると思いますが、人生100年時代ですから、先は長いですよね。長いからこそ今、何をどう考え、どんなことをすべきなのか、見えてこないという人も少なくないと思います。

山口 確かに人生100年は長いです。だからこそセカンドライフも長い。60〜65歳を過ぎて、仕事の忙しさや子育てがひと段落した後、思い切り人生を楽しみたいものです。

旅行や趣味など楽しみたいことを漠然と考えていても現実味がないかもしれませんが、その点トライアスリートのように自分の人生をかけているもの、仕事のキャリアが終わっても自分の夢や理想を追求するものがある人は、資産形成の重要性も明確になるのではないでしょうか。

--Luminaのアンケートでは、年平均84万円トライアスロンに使うという結果が出ましたが、アイアンマンのような海外のレースに出て、バイクなど器材にもお金をかけるとなると、それ以上の出費になります。

>>>関連記事「トライアスロンリサーチ2019結果速報【属性編】」


山口 もちろん金額も大事ですが、それ以上に大事なのは自分の人生にとってそれがどれだけ重要かということを認識することだと思います。

トライアスロンは人生を輝かせるための手段ですから、別に「トライアスロンだけのために」と考える必要はないかもしれません。「100歳まで心も体も健康で豊かな人生を送るため」と考え、セカンドライフに備えていれば、60代になったとき、人生に選択の自由が確保できます。

選択の自由があるというのは、豊かな人生を送るためにとても大事です。

--「何歳までトライアスロンのためにいくら必要」と計算するより、「人生に選択の自由が生まれる」と考えたほうが未来は輝いて見えるかもしれませんね。トライアスロンは選択肢のひとつだと。

山口 ただ、何をするにも自分の理想を追求する姿勢は持ち続けたいですね。

先ほどトライアスロンのようにハードなことを始めてみたら、新しいエネルギーが湧いてきて、仕事も生活全体も、さらに生き生きと積極的に取り組めるようになったという話をしましたが、資産形成も同じだと思うんです。

ただ漫然と受け身で将来に備える姿勢では、仕事も資産形成も退屈で苦痛に感じられるかもしれませんが、トライアスロンのように自分を燃え立たせてくれるものがあると、人生全体がかけがえのないものになり、資産形成も意欲的に、喜びをもって取り組むことができるようになると思います。

©Kenta Onoguchi

--お金も、夢や理想を追求することで、まったく違って見えてくる?

山口 その通りです。先ほど家族の応援という話をしましたが、良い人生とは大切な家族を幸せにすること、家族と豊かに暮らすことです。それが根底にあるから仕事でもトライアスロンでも、自分の理想を追求することに家族の理解が得られるし、応援もしてくれる。

資産形成も自分の理想を追求するためであると同時に、家族と幸せに、豊かに暮らすためでもあるからこそ価値があるし、取り組むことにエネルギーが湧いてきます。

何にどのような投資をするかといったことは、人によって様々ですが、まず豊かな人生の輝きや理想の追求といったことへのモチベーションを、明確に持ち続けることが何より大切だと思います。

©Kenta Onoguchi

人生100年時代の資産形成とは?
長期的視点でバランスの良い投資を行い、資産を育てていく

--最後にこれから「人生100年」の長期的な資産形成を始める人に、わかりやすいアドバイスをお願いします。

山口 先ほども触れましたが、預金の金利は限りなくゼロに近く、物価の変動を考えれば実質マイナスになっています。それでも日本で貯蓄率が高いのは、投資のリスクを恐れる国民性のせいかもしれません。

確かに投資で短期的なリターンを求めようとすると、市場の変動によって損失が生じることがあります。しかし、長期的に見れば世界経済は成長していて、それに伴って株式や債権、不動産などの資産価値も上昇しています。

目先の利益にとらわれず、長期的に資産を運用していくという考え方が重要です。

また金融商品の種類や国・地域などをひとつに集中せず、リスク分散することも必要です。こうした広い視野で投資を長くバランス良く継続していけば、安定的に資産を形成していくことができます。

--山口さんは不動産投資のプロフェッショナルですが、必ずしも不動産だけに絞る必要はない?

山口 投資には株式や債券、保険、不動産など色々な分野があり、それぞれメリットがありますから、そのメリットを理解した上で、自分と家族に適した資産のポートフォリオを構築していけばいいと思います。

--不動産投資のメリットは何でしょうか?

山口 毎月一定金額の収入が得られること、物価の上昇に応じて賃料も上げていけるので、インフレリスクに対応できることなど色々あります。

不動産を買うのにローンを組んだとしても、返済に賃料をあてていけば、家計を圧迫しないで返済でき、リタイアまでに返済を完了すれば、それ以後は不動産を資産として保有しつつ、収入を得ることができます。

KONAチャレメンバーとの合宿にも積極的に参加してきた山口さん(写真・最後列右から5番毛を) ©Kenta Onoguchi

--不動産の借り手が安定して見つかるかどうかなど、不安な部分もあるのではないでしょうか?

山口 安定的に収入を得るためには、良い場所に質の高い物件、つまり借り手の需要が安定してある物件を取得する必要があります。

借り手が変わるときに、的確な広告を出す、内装の補修を素早くしっかり行うなど、おさえるべきポイントはいくつかありますが、これらを安心して任せられるパートナーがいるかどうかが重要です。

私たちメイクスは、こうしたことも含めてトータルにサポートしています。

--賃貸マンション経営など不動産投資は、大地主など資産家がやるものというイメージがありましたが、これなら普通のサラリーマンでも始められそうですね。

山口 アメリカでは金融から不動産までこうした資産への投資環境がすごく整っていて、個人の投資が経済の大きな部分を占めています。それが個人の収入増につながり、今や個人消費が経済全体で大きな役割を果たしています。

これがアメリカの経済成長力を支え、経済が成長することで投資から得られる利益が増えるという好循環につながっている。

日本ではまだ個人の投資はアメリカに比べると微々たるものですが、千何百兆円という貯金の何割かが投資に回るようになれば、日本経済にも新しい活力が生まれてくるでしょう。

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メイクスは、トライアスリートの人生100年を応援します。

 

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