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【WTCS横浜】《エリート女子・速報》スイムから積極的な展開でアメリカのニブが初優勝

投稿日:2021年5月15日 更新日:


ルミナ編集部

text by:

写真=小野口健太
Photographs by KentaOnoguchi

2年ぶりにWTCS横浜開催
30か国116人の選手が参加

東京オリンピック選考基準大会となっている、ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ横浜(以下WTCS横浜)が5月15日(土)に山下公園周辺を舞台に開催された。

コロナ感染症の影響で昨年は開催されていないため、2年ぶりに世界の強豪選手が横浜に集結した。4月に行われたアジアトライアスロン選手権2021廿日市でも採用され、スポーツ界においてはスタンダードとなっている「バブル形式(隔離)」をとり、国内外選手は厳重な体制のもとレース当日を迎えた。

日本女子としては、シドニーオリンピックから続く3枠を獲得するために、オリンピックランキング上位30位内に3人入ることが必須となっている。ランキング的に一番可能性の高い佐藤優香はレース前「8位入賞すれば、3枠を獲得に大きな臨みがあるのでスイムから先行し、そのアドバンテージをラン二繋げたい」と意気込みを語った。

>>>選手の事前記者会見の様子はコチラ

横浜WTCSの東京2020大会トライアスロン競技日本代表選手選考基準における位置付け(2021年5月14日時点)
https://www.jtu.or.jp/news/2021/05/14/34136/

初優勝でオリンピックの切符を獲得
テイラー・ニブ(アメリカ)が優勝

10時16分、青空がのぞく好天の中、女子エリートがスタート。すでに東京オリンピック代表が内定しているスイムの強いサマー・ラパポート(アメリカ)が先頭を引っ張り、そのまま先頭でスイムアップ。高橋侑子、佐藤優香も良い位置で上がり、トランジションを得意とする高橋がバイクで第一パックに入る。

優勝候補のケイティ―・ザフィアエス(アメリカ)は、スイムで27位と出遅れ、バイクで第2パックに入るもそこから、ズルズルとちぎれ、彼女らしくない展開に。

バイクコースは4.45㎞を9周回する。コーナーが14カ所あり、路面も変化が多いため、少人数集団での逃げがカギとなるが、3周目には第2パックが追いつき、33人の大集団となる。ここに、高橋、岸本が積極的に入り、佐藤が遅れる。

5周目に入ると、テイラー・ニブ(アメリカ)、マーヤ・キングマ(オランダ)のふたりが抜けだす。独走力がありバイクに定評のあるニブは、アメリカ人トップでフィニッシュすれば、東京五輪出場が決まるため、思い切った勝負に出た。そこにスイムが得意でバイクでも前方をキープしていたキングマが乗り、ふたりで後続を引き離す。

その戦略が成功し、周回ごとに差を広げ、バイクを終了時点で後続を2分5秒秒差にまで引き離した。

ランは2.5㎞を4周回。41人の大集団となった第2パックから、トランジションをスムーズにこなし、高橋が先頭でランスタートしたものの、ランを得意とする選手の勢いが増し、前回大会(2019年)2位のラパポートが抜け出す。

トップ争いは、2周目に入るとニブが前に出て、キングマを引き離し、そのまま独走で初のWTCS優勝を飾った。スイムから第一集団、バイクでの戦略がハマり、ランも逃げ切る積極的なレース展開で、優勝のみならずオリンピック代表をもぎ取った。

ラスト1.5kmのところでキングマを猛追したラパポートが2位でフィニッシュ、3位には粘ったキングマが入った。

オリンピックイヤーは、ランキング上位の選手が必ずしも強い、勝つということないことが多い。今回もレースも、注目のケイティ・ザフィアエス(アメリカ)は精彩を欠き、上位に絡むことはなかった。

日本人最上位は前回大会4位だった高橋侑子の21位、若手の岸本新菜はWTCSでの自己ベストを更新し27位、上田藍は、スイムの最後尾から得意のランで追い上げ37位、8位入賞で3枠目確保を目標に上げていた佐藤優香は、39位でフィニッシュした。

日本チームとしては、3枠獲得を決めたいところだったが、6月5日~6日に行われるWTCSリーズに持ち越された。

高橋侑子レース後コメント
思っていたような展開にならずに悔しい結果になったのですが、たくさんの収穫があったので、次につなげていきたいです。スイムは良いカタチだったのですが、うまくラインが取れていなかったかな、と思います。バイクは流れにのれなかった。ランもスピードにのれなくて、2~3周目はリズムに乗れたけれど最後まで乗り切れませんでした。

熱さは東京に向けて、練習をしてきていたので、それほど気にはならない。
このような状況でレースができたので、感謝の気持ちでいっぱいです。
東京オリンピックに向けて、自分がきること、目の前にあることをしっかりやっていて、それが東京オリンピックに通じればと思っています。オリンピックに向けてはランの強化が課題です。まだ選考レースは残っているので、最後までしっかりレースしていきたいと思っています。

女子エリート上位
1 テイラー・ニブ(アメリカ) 1:54:27
2 サマー・ラパポート(アメリカ)1:54:57
3 マーヤ・キングマ(オランダ)1:55:05
《日本人選手》
21 高橋侑子
27 岸本新菜
37 上田 藍
39 佐藤優香
43 福岡 啓
44 井出樹里
48 蔵本 葵

>>>女子リザルト

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