ランでロングスパートを決め、ブルンメンフェルトが優勝
東京2020大会4日目、7月26日(月)にトライアスロン競技男子が行われ、小田倉真、ニナー賢治を含む、56名が参戦。日本人選手にとっては毎年日本選手権が行われる馴染みの会場、お台場海浜公園特設会場で6時30分にスタートした。
時間ピッタリにスタートフォンが鳴ったが、トラブルがあり仕切り直し。オリンピックらしい!? 何かを予感させるような幕開けとなった。
スイムは、1週目950m、2周目が550mの2周回で、ディエゴ・モヤ(チリ)、リオ大会3位に入っている競泳出身のヘンリ・スクーマン(南アフリカ)が大外からリード、優勝候補のバンサン・ルイ(フランス)、兄弟で出場しているドミトリー・ポリヤンスキー(ROC(ロシア・オリンピック委員会)、金メダル獲得でメダルコンプリート(ロンドン銅、リオ銀)を狙うジョナサン・ブランリー(イギリス)らが続く。
2周目に入り、ルイがリード、そのままスイムアップし、スクーマン、ポリヤンスキー、ブラウンリー、ヨーナス・ショームブルク(イギリス)、テイラー・リード(ニュージーランド)、マーティン・ファン・リール(ベルギー)、プレ五輪を制しているテイラー・ミスローチャック(カナダ)、そして、ここにニナーが入り、バイクで第1集団を結成した。
ニナー賢治がバイクで第1集団に
13歳からスイムを始めたニナーは自身でもスイムに課題があると、語っていたが強化トレーニングの効果で第1集団に入る理想的なレース展開に。
第2集団は、バイクの強豪、クリスティアン・ブルンメンフェルト、カスペル・ストールネスのノルウェーチーム、そしてWTCSリーズで優勝し、自信も実力もつけてきたアレックス・イー(イギリス)が積極的に引く。
日本の小田倉は、マリオ・モーラ、ハビエル・ゴメス・ノヤのスペイン勢とともに、第3集団で展開する。
2019年に同じ会場で行われたプレ大会では、すぐに40人近い大集団となったが、今回は5周目に第1集団が追いつかれ、38人の集団となり、ここに、ニナー、小田倉ともに入る。
集団が横に広がり、スピ―ドが上がらない中で、6周目にステファン・ザキアス(ルクセンブルク)が、最終周では、アンドレア・サルビスベルグ(スイス)がレースを動かそうと、バイクで抜け出すが、勝負はランへ持ち込まれた。
陸上出身で、1万mの記録が27分51秒、3000mを7分45秒とトライアスリートの中ではずば抜けたランの記録をもち、5月に行われたWTCS横浜では4位に、リーズでは優勝しているリーが先頭を立ち、ペースを作る。
その後、2019年のプレレースで3位に入ったテイラー・ワイルド(ニュージーランド)、WTCS横浜で優勝したブルンメンフェルト、リオ3位のスクーマン、ファンリール、スプリント勝負に強いドリアン・コナン(フランス)、ケビン・マクダウェル(アメリカ)が先頭集団を形成。
ニナー賢治は、ルイの後ろにピッタリつけ、15位、小田倉は23位で粘りの走りを見せる。
ロングスパートを決めて優勝
徐々にふるいにかけられ、イー、ブルメンフェルト、ワイルドの3人の勝負に。
「スイムで15位以内、バイクはノルウェーチームでかき回す展開を」と事前に予想していた、ブルンメンフェルトは、バイク第3集団から追い上げ、ランが得意なふたりの様子を伺いながら、ラスト1周でロングスパート。
5月に行われたWTCS横浜でもロングスパートを決めて優勝したが同じような展開になり、ランが強いイー、ワイルドを力強過ぎる走りと気迫で振り切って、オリンピック初優勝を決め、金メダルを獲得した。銀メダルはイー、銅メダルはワイルド。
ニナーは最後までルイとサイドバイサイドの走りを見せ14位に、小田倉もバイクから追い上げ19位でフィニッシュした。
ふたりとも20位以内に入り、それぞれの持ち味を存分に発揮した、日本代表のニナーと小田倉。オリンピックでの入賞、表彰台も夢じゃないことを思わせるレースを見せてくれた。明日の女子、また30日に行われるミックスリレーにも期待したい。
【Result】
▼金メダル
クリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー) 1:45:04
▼銀メダル
アレックス・イー(イギリス) 1:45:15
▼銅メダル
ヘイデン・ワイルド(ニュージーランド) 1:45:24
14位 ニナー賢治 1:46:24
19位 小田倉 真 1:47:03
【東京2020 トライアスロン スケジュール・放映情報】
7月27日(火)6:20~NHK-BS1 女子個人(解説:関根明子)
7月31日(土)7:25~NHK総合 混合リレー(解説:田山寛豪、スポッター:関根明子)