TKに訊く、トライアスリートにオススメの最新5モデル
他ブランドに先んじて展開された「厚底」のインパクトとクッション性の高さだけではなく、転がるようにスムーズな体重移動・脚運びに導くメタロッカー形状、それにより実現されるランニングを「楽に・楽しく・速く」というコンセプトが世界的にも認知されてきたHOKA (ホカ)。
実戦では、バイクでダメージを負った脚でランニングを行うトライアスリートの間でも絶大な支持を集めているが、この3月に発売されたカーボンプレート入りロードシューズの最新モデル「カーボンX3」は、前作(カーボンX2)にも増してトライアスリートにオススメの一足に仕上がっているという。
そこでHOKAアンバサダーTKこと竹谷賢二さんに、トライアスリートが注目すべき「カーボンX3」の特徴と、それぞれの走り方やトレーニングの目的によってはき分けたい、おすすめ4モデルについて語っていただいた。
★本稿は3月5日に開催されたオンラインセミナー「TKに訊く、HOKA ONE ONEカーボンX3 & 最新ラインアップ」の一部を記事化したものです。
マウンテンバイク競技(XC)のオリンピアンで、 現役引退後はトライアスリートとしてKONA(アイアンマン世界選手権)に8年連続出場・完走。数多くのトライアスリートの指導を手がけるとともに、自らもKONAでの年代別入賞(表彰台)を目標に掲げ、トレーニングとレベルアップのための試行錯誤・自問自答を繰り返す日々。
クッション性・メタロッカー構造・反発性を兼ね備えた最新作「カーボンX3」
TK 疲労がたまった状態でのランに最適な「メタロッカー構造」の恩恵など、トライアスリートがHOKAのシューズを選ぶメリットは、前回セミナーでも語ったので、そちらをご参照いただければと思いますが、
引き続きのコロナ下で、(これまで主戦場としてきたロングのレースがなく)手近な51.5㎞やミドルのレースに出ることが多かった私(TK)自身が、あらためて実感しているのは、ロングのトライアスロンでこそメリットが大きいと思っていたHOKAのシューズは、レース距離に関わらず、51.5㎞やミドルでも、トライアスロンでは同じようにメリットがある――ということ。
バイク終わった後、脚が棒になった状態でのトライアスロン・ランでは、「クッション性」は最大限優先させたいし、ランニングのときの正しい足運びをガイドしてくれる、あるいはカラダの傾きを活かす「メタロッカー構造」はかなり有効。
また、スピード(ペース)が上がると、接地時間が短くなり、ピッチが上がっていくイメージですが、「反発の良さ」は接地時間の短さ=ピッチの維持・向上に効果的なので、この特徴も大いに活用したいですね。
今回私が選んだ「トライアスリートにオススメの5モデル」を、この「クッション性」「メタロッカー構造」「反発性」というキーワードをもとに、ザっと解説すると、
クッション性やメタロッカー構造とともに、軽さや反発も兼ね備えた「HOKAの良いところ全部載せ」の万能シューズにして、レースで使うモデルとしてオススメしたいのが新しい「カーボンX3」。
これはショート~ロングまで、かなり幅広い層のトライアスリートにオススメできるレースシューズです。
さまざまなスピードでの走りに対応してくれて、後述するようなサラ脚ではない疲れた状態の脚で走るときも脚に過度な負担なく、メタロッカーを生かした走りに導いてくれるので、HOKAの最新ラインアップの中で、レースシューズはどれがオススメかと聞かれたら、今は「カーボンX3」一択ですね。
走りの特徴・トレーニング目的に応じて、はき分けたい+4モデル
さらに、レースで身体の傾き・反発を生かした走りを体現するためには、皆さんそれぞれの走りの特徴・好み、課題に応じて、メタロッカー感や反発性、クッション性などの特徴が強調されたモデルでトレーニングするのがオススメ。
そうした観点からピックアップしたのが、カーボンX3以外の4つのモデルです。
カーボンプレートあり・なしのモデルがあるのですが、私はトレーニングの目的に応じて、これらを使い分けています。
まず「ボンダイX」は、いわゆる走り込み(長距離・長時間)向けで、HOKAのラインアップの中でも一番楽=負担が少なく感じられるシューズです。
カーボンプレートなしのシューズでは、私がこの中で一番楽しく感じられるのが「リンコン3」。スピード感・グライド感が最もよく感じられて、軽いので、小気味良いペースで身体の傾きを感じて、コロコロ転がっていくように走れる。
「ボンダイX」とともに、メタロッカーを生かした走りの練習にちょうどいいと思います。
リンコンと同じく軽量性に優れ、同じスピードレンジにあるのが「マッハ4」ですが、こちらは比較的「反発性」を感じやすく、反発を生かして、ピッチやスピードを上げていく走りのトレーニングに最適なモデル。
「クリフトン8」はHOKAの「クッション性」「メタロッカー構造」「反発性」をまんべんなく感じられるオールラウンドモデル。ランニングはもちろん、クルマでの移動から、仕事のときまで、普段からよくはいていて、座っているときも・歩いているときも快適。少し時間が空いたときに走るにも、ちょうどいい。
他のモデルと同様、デザイン性も高くて、TVの撮影現場など、どこにはいていっても恥ずかしくないので、私のライフスタイルの中では、ど真ん中にあるモデルです。
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トライアスリートにオススメの5モデル、それぞれのTK的位置づけを全体的につかんだところで、以下、各シューズについての特徴をもう少し深掘り解説していこう。
トライアスリート目線で徹底解説!
おすすめ最新ラインアップ2022春
カーボンX3
価格:¥27,500 (税込)
重さ:222g(※27.0cm)
Heel to drop(オフセット):5㎜
3月1日に発売されたカーボンXシリーズの最新作。前作(カーボンX2)までと比べ、大きく違うのはアッパー。シュータン一体型で、通気性に優れたニット製となり(前作まではエンジニアードメッシュ)、シューホールが増え、互い違いになっていることでフィット感がさらに大幅に向上した。重量も前作比マイナス17gと、さらなる軽量化をはたしている。
データにも現れるトライアスロン・レースシューズとしての圧倒的な実力
TK 軽さは、手で持って比べてみても違いがわかりますが、はいてみると、もっとわかりやすく実感できます。
シュータン一体型のアッパーは、カカト部分の構造とあわせて足入れがしやすくできており、つま先側のシュータンにあたる部分をつまんで開口部を広げることで、かなりはきやすくなっています。トライアスロンのトランジションにもちょうどいい。
季節的にまだ試せていませんが、ニット製のアッパーはトライアスロンで水をかぶった際などの水抜けも良さそうで、熱も逃してくれそうです。
今回は、先述したとおり、さまざまなスピードでの走りに対応してくれて、サラ脚ではない疲れた状態の脚で走るときも脚に過度な負担なく、メタロッカーを生かした走りに導いてくれる――このカーボンX3の特徴を裏付けるデータを得るべく、
51.5km(ショート)、ミドル、ロング、それぞれのレースペースに相当するスピードで走って、ガーミンでその走行データをとってみました。
●ショートペース
3分54秒/キロ平均
(データは画像の一番右)
【所感】
▼身体の傾きを生かして、歩幅が大きくとれる・保てる。
▼反発性も高いので、接地時間は短く、足離れが良くなっている。
⇒ブリックランのような状態でも、思ったより脚運びが軽く感じられる(接地時間が最も短い。208ms)。自分の体感では「ベタベタ走り」だと思っていても、意外とスピードが出る。
▼ロケットXのような反発感と、カーボンX2のようなグライド感、両方を併せもつのが「カーボンX3」。これがすべてのトライアスリートに、ショートからロングまで、オススメできる理由。
●ミドルペース
4分10秒/キロ平均
(データは中央)
【所感】
▼比較的ペースが落ちる分、前に進まず、カカト寄りの着地になっている。
接地時間も長く、ピッチは下がる。
▼走るペースを抑えて、ピッチはそんなに多くなくても、接地時間(217ms)はそんなに長くなっておらず、足離れは、まぁまぁ早い。
●ロングペース
4分33秒/キロ
(データは一番左)
【所感】
▼あまり脚も上がっていないし、カカト外側から着地。ピッチがミドルペースよりまたさらに下がって、歩幅はちょっと小さく、上下動は増えて・接地時間は延びている。
▼ペースが下がって、接地時間も長くなっている分、反発感はあまり感じなくなっていて、メタロッカーを感じやすい。
パッパカ・パッパカ、ピッチを上げて走れない分、身体の傾きを生かし、シューズのメタロッカーを生かして、足を運ぶような走りになる。
▼反発感は十分にあるものの、このペースでは、メタロッカーを生かした走りになる。そうした両方の走りに対応できるのが「カーボンX3」。
●ブリックラン
オンラインイベント当日、Zwiftで157㎞のロングライドをした直後、4分16秒/分くらいのペース(ミドルに近いペース)で30分間のブリックランを実施した際の走行データが下の画像。
【所感】
▼接地時間が長く(245ms)脚がしっかり残ってしまっているというレースに近い状況ながら、メタロッカーを生かして走れると、歩幅などは保てて、結果的に良いペースで走れるということが、実際にブリックランで体感できて、データにも現れている。
実戦でのさらなるメリットも楽しみな一足
TK このように、ショートの速い走りにも、ロングのような脚が残ってしまう走りにも対応してくれるので、多くのトライアスリートにオススメできる一足というわけです。
ソール自体は一見、前作カーボンX2から大きく変わっていないように見えますが、走った感じ(走行感)は大分違う。ソールのモチモチ感が増して、地上高がやや低くなったように感じるくらい。わかりやすく言うと反発感が増している。そして、さらにメタロッカーの転がり感もより強くなっているように感じます。
はき心地は、靴下をはいているような感覚で、どこにも硬いモノが当たることなく、すごく快適です。
柔らかいからと言って、不安定な感じや、ホールド感が弱い感じはなく、改良されたシューレースやヒールカップも含め、しっかりホールドしてくれます。
私は、やや足の幅が広くて、小指のあたりの圧迫感が気になることもあるのですが、アッパーが柔らかいのでそのストレスもない。ロングのランなどでは、脚がむくんできて、圧迫感を感じることもあると思うので、実戦でのそうした場面でも、さらなるメリットを実感できるかもしれませんね。
カーボンX2ではアッパー部分に足に当たって気になる個所がありましたが、カーボンX3はどうですか?
カーボン X3 では、足首周りの素材がX2とは変更されているようですが、柔らかい感じなのでしょうか?
また、X2でたまにアッパー部分(シュータンの先)に当たりを感じることがあったのですが、アッパー部分も変更ありますか?
A 柔らかい一体型ニット製アッパーは当たりどころがなく、快適性が高いです。
TK シュータンもない一体型のニット製アッパーは全体的に柔らかく、X2で当たっていたという部分にも当たりを感じるような個所がないです。
全体的に、足が当たる感じがするところはなくて、アッパーは伸びがあるので、かなり快適性が高くなっていると思います。
アッパーが柔らかい分、前足部・脚幅に余裕があるので、今までよりワンサイズ落としてもはけるかなぁと思うくらい。そのくらい大きな違いがあります。
まだ寒いので試したことはないですが、これなら裸足ではいてもいけるのではないかと思います。
カーボンX3の「耐久性」はどのくらいですか?
A カーボンプレート自体は長もち、ソールは走り方次第
TK 走る量や走り方にもよるので、何キロもつ等、具体的な耐用年数・距離などはわかりませんが、前提としてカーボンプレート自体は、ほぼ寿命がないと思ってもいいくらい、相当長もちすると思います。違いが出るとしたらソール部分。シューズの裏側を見てもらうと、硬い素材で補強がされているモデルと、コンパウンドそのままのモデルがあるのがわかると思います。
カーボンXシリーズは後者。ボンダイXなどはしっかり補強材が入っているモデルです。
補強材が入っているモデルのほうが、比較的耐久性は高いと思っていただいていいと思います。
補強材の入っていないモデルは、着地のクセなどに応じて摩耗しやすい部分から、ソールは削れてくるので、そこが変え時を判断する目安になるかと思います。
ボンダイX
価格:¥ 30,800 (税込)
重さ:300g(※27.0cm)
Heel to drop(オフセット):5㎜
HOKAロードランニング・シューズの中でも最もボリュームのあるソールにカーボンプレートが入っているボンダイX。速いランナーや、カーボンプレートの反発に合わせた走り方ができる人しかはけないという、一般的なカーボンプレート入りシューズの常識を打ち破った画期的なモデルで、キロ7分~キロ4分半くらいまで、カーボンプレートの恩恵を感じられるという。
HOKAのカーボンプレート入りモデルの設計思想がハッキリ実感できる
TK HOKAのシューズにおけるカーボンプレートの意味合いがハッキリ実感できるモデルがこのボンダイXです。
クッション性が高く、柔らかいので、反発性、足離れの良さはあまり感じられないと思いますが、足裏・足首・ふくらはぎへの衝撃が少なく、快適性は高い。
たわみが大きすぎるのじゃないかと思うかもしれませんが、カカト寄りで接地して、シューズの後ろ側ですごいクッションを感じつつも、前に乗り込んでいくと、前足部でカーボンプレートのメリットを感じられる。
メタロッカー感も、カーボンXシリーズ並みに強く、速く走らなくても、カーボンプレートの意味を感じて、メタロッカーを生かした走りの練習になります。
競技特性上、脚が疲れた状態で走る(接地時間が長くなる)トライアスロン・ランでの走り方を練習するのにも、すごく適したシューズと言えます。
このボンダイXで走り込み、ブリックランなどをして、身体の傾きで、疲れた脚なりにスピードを維持するような走り方を練習しておくと、カーボンX3でレースを走るのにも、うまくつながってくるかと思います。
軽さなどの点では、もちろんカーボンX3のほうが優れていますので、この「ボンダイⅩでトレーニングして、カーボンX3でレース」という組み合わせはオススメです!
ちなみに耐久性もかなり高くて、この冬、私の走り込みのテーマのひとつは「ボンダイX、はきつぶそう!」だったのですが、残念ながら全然はきつぶせませんでした(笑)。そのくらい耐久性が高いです。
フル4時間半くらいの走力では、カーボンプレートは不要?
現在クリフトンを使用しているのですが、自分の脚力(フルマラソン4時間30分ほど)では、やはりカーボンプレートは不要でしょうか?(カーボンプレートが入っているシューズは反発性が強すぎて、遅い人は脚を痛めるという話もよく聞きます)
A カーボン入りを選ぶメリットは十分。
ネガティブな要素はほぼありません
TK これまでの話しのとおり、カーボンプレートが入っていることで、メタロッカー感が明確になりますので、身体の傾きを生かして、しっかりと前に乗り込んでいき、自分の身体を前に運んでいく感覚を確かに得られます。そうしたカーボンプレートが入っているメリットの一方で、ネガティブな要素はほぼないと思います。
カーボンX3やボンダイXなど、HOKAのカーボンプレート入りモデルに関しては、カーボンの反発性で脚を痛めるというようなことは全くないと思います。
両カーボンプレート入りモデルのうち、少しスピードを上げたければ、軽量性にも優れたカーボンXがオススメですし、トライアスロンのランの入りなどで、歩くようなペースで走ることもある場合はボンダイXをレースシューズにするのも戦略的にはアリだと思います。
カーボンプレートなしでも、トライアスリートにオススメのモデルは?
TK スピードレンジで言うと、ボンダイXがLSDや走り込み寄りだとすると、「リンコン3」と「マッハ4」、このふたつのモデルは、もうちょっと短い距離で、スピードアップして走るのに向いているスピードモデルというイメージです。
リンコン3
価格:¥15,400(税込)
重さ:210g(※27.0cm)
Heel to drop(オフセット):5㎜
マッハ4と同じく、スピードを出せるシューズで、重量で比べてもわかるとおり軽量。その軽さのわりにソール(フルコンプレッションのEVAミッドソール)の厚みもあり、しっかりとしたクッション感も実感できるシューズ。
TK リンコンのほうは、メタロッカー感が比較的強めで、マッハのほうがフラットなつくり。
カカトの快適性で言っても、リンコンのほうが高めなので、私のようにカカト着地気味で入って、カカトのクッション、メタロッカーを生かして前足部に乗り込んでいきたいという練習が主な人には、リンコンがドンピシャです。
マッハ4
価格:¥ 17,600 (税込)
重さ:232g(※27.0cm)
Heel to drop(オフセット):5㎜
「PRO FLY」というクッション性のある着地(柔らかい部分)と、推進力のあるけり出し(比較的硬めで反発力の高い部分)、両方を併せ持ったミッドソールを採用している。
TK それに対して、マッハは反発性が強めで、カーボンXシリーズのような足離れの良さを感じさせるシューズで、沈み込み(クッション)は少ない分、接地時間が短くとれるように走れます。
同じスピードレンジでの練習をするにしても、「接地時間を短くしたい」とか、「ピッチを上げたい」、そうした練習にはマッハのほうが適しています。
メタロッカーを生かしたカラダの傾き・足運びを練習するときはリンコン、接地時間を短く・ピッチを上げていく練習はマッハ――と練習の目的に応じて選んだり、両方を使い分けていくのもいいと思います。
クリフトン8
価格:¥15,400(税込)
重さ:250g(※27.0cm)
Heel to drop(オフセット):5㎜
TK 日々のランニングからライフスタイル(普段ばき)、おしゃれまで、何でもこなせる万能シューズと言っていいのがクリフトン8。
HOKAならではのクッションとメタロッカーもしっかり感じられますので、初めてHOKAのシューズをはく場合、クリフトンをはけばHOKAらしさ、特徴は実感できると思います。
軽量さなどを出すために省いている部分もあるリンコンやマッハと比べると、ラグジュアリー感が高めのしっかりしたつくり。足当たりの上質さとか、はいたときの「確かさ」のようなものは、このクリフトンのほうが高いですね。
どんな走り方をされるかわからない方に、HOKAのどのモデルをはいたらいいかと聞かれたら、まずはこのクリフトンを勧めると思います。
今、クリフトンをはいている方で、ほかのモデルもはいてみたいという場合、より「軽さ」を求めるならリンコン、クッション性は多少なくてもいいので、もう少し「反発性」を求めるならマッハ、よりたくさん距離を走りたいならボンダイXがオススメ。
レースシューズとしては、繰り返しになりますが「カーボンX3」一択ですね。
ロング向けに選ぶ際のポイントは?
ロングのレース向けに、どんな点に気を付けてシューズを選んだらいいでしょうか?
A メタロッカーの特徴を生かしたモデルがオススメ
TK ロングのレースは、バイクの競技距離も大幅に長くなり、その後のランの負担感はグッと大きくなります。また、コースロケーションが壮大になってきて、ショートのように比較的短い周回コースではない分、アップダウンも大きく・多くなってくる(スピードコースではなくなってくるという)傾向もあります。
これを踏まえると、まずバイクの距離が長くなることで何が起こるか? 股関節が動きづらくなるので、歩幅が小さくなります。
また、脚の反応が遅いので、接地時間は長めになる。このような「重たい状態」では、メタロッカーを生かして身体を運んでいきたいですよね。
パッパと速い動き(脚さばき)ができない中でも、自分の走りができるような、メタロッカーの特徴を生かしたシューズを選ぶのがオススメです。
また、キレイなフォームを維持するのが難しくなり、足運びが定まらなくなってくるはず。そうしたときに、ソールの面積が大きい(広い)ほうが、キャッチャーミット的に、あちこちにブレるカラダの重さを受けてくれる。
下りでも、着地がキレイでなくなりますが、厚さと、ソール後部のツインテール形状部分も含めた前後の広さで、シューズがたわんだり・変形して衝撃を吸収してくれる量が大きくなる。つまりその分、脚に優しい。
ロングのトライアスロンではくシューズを選ぶ場合は、そこの部分を重視したいですね。
可能であれば、バイク後の脚が疲れた・元気じゃない状態でも楽に・速く走れるシューズを選んでください。ブリックランや、例えば週末に長距離バイクに乗った後、月曜日にシューズの試しばきをするということができたら理想的ですね。
>>TKによる「トライアスリートのためのHOKA最新ガイド」ダイジェスト動画はコチラ