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【WTCS横浜2022】《速報》コロナ下で初の有観客レース、制したのはテイラーブラウン&アレックス・イー

投稿日:2022年5月14日 更新日:


ルミナ編集部

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©KentaOnoguchi

文=東海林美佳
Text by Mika Tokairin
写真=小野口健太
Photographs by KentaOnoguchi

関連記事>>【5/14 WTCS横浜】北條巧、高橋侑子らエリート選手記者会見】

【女子】

ラン勝負をロングスパートで制し、
東京五輪銀のジョージア・テイラー・ブラウンが横浜初優勝

5月14日(土)、ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ(WTCS)緒戦となる横浜大会が開催された。コロナ禍が始まって以来、初の有観客でのイベント。前日から降り続いていた雨も女子エリートレースが始まる午前10時前にはほぼ止み、沿道には観客が徐々に集まり出した。

女子のレースでは、東京五輪金メダリストのフローラ・ダフィを筆頭に、銀メダルのジョージア・テイラー・ブラウンや昨年の横浜大会優勝のテイラー・ニブなど実力者が集まった。日本勢は東京五輪代表の高橋侑子と岸本新菜、ベテラン井出樹里ら、横浜大会過去最多となる8人がエントリーした。

スイムから強さを見せたTOKYO2020金メダリストのダフィ― ©KentaOnoguchi

スイムではフローラ・ダフィーとマヤ・キングマが積極的に先頭を引き、集団はどんどん縦長に伸びていく。キングマがトップでスイムを上がり、T1へ。ダフィー、ニブ、テイラー・ブラウン、フランスの若手エマ・ロンバルディらが次々と続く。日本勢は高橋が18秒差、佐藤優香が21秒差、中山彩理香が22秒差で追う展開に。

バイクでは9人が先頭集団を形成する。バイクの強さには定評のあるキングマ、ニブ、ダフィーらが交代で前を引きながら積極的に飛ばし、高橋、中山がいる後続集団との差を周回ごとに引き離していく。バイクが終わる頃には先頭集団と後続集団の差は2分半以上にまで広がり、勝負の行方はこの9人のラン勝負へと託された。

第2集団で積極的に前を引く高橋侑子 ©KentaOnoguchi

ランでまず飛び出したのがテイラー・ブラウン。積極的にスパートをかけひとり抜け出そうとするが、やがて後続のキングマ、ダフィー、レオニー・ペリオー、ロンバルディに吸収される。一方、T2でもたついたニブはその出遅れを取り戻せず、勝負にからむことができない。

後半の3周回目に入って勝負をかけたのがペリオー。昨年のエドモントンでのファイナルで2位表彰台に立ったランを得意とする選手だが、それをテイラー・ブラウンは逃さない。ペリオーをとらえしばらく並走した後、ラスト1周でロングスパートを決め、優勝を決めた。ペリオーが2位、3位争いはダフィーが制した。日本勢トップは高橋の20位。

朝方から降り続いた雨の影響でバイククラッシュも発生。岸本と井出が巻き込まれ、井出はリタイア。岸本は傷を負ったもののレースを続け完走を果たした。

TOKYO2020銀メダリストのジョージア・テイラー・ブラウンがランロングスパートで横浜初優勝 ©KentaOnoguchi

優勝のジョージア・テイラー・ブラウンのコメント
「とにかく今日は疲れました。シーズン緒戦はいつも体が慣れてなくて大変なんですが、今回はその中でもいい結果が出てとても嬉しいです。次につながるレースになりました。バイクでは雨で路面が濡れているのが心配だったけど実際走ってみたら問題なかった。気心知れた選手たちが集団にいたから、安心して走れました。ランは、緒戦だし失うものはないと思い、失敗を恐れず序盤に思いっきり飛ばしてみました。横浜での初優勝、初表彰台、本当に嬉しいです」

【男子】

ブルーカーペットまでもつれた一騎打ち
勝ったのは東京五輪銀のアレックス・イー

午後から行われた男子のレースでは、陽射しが戻り気温が上がる中で行われた。注目は東京五輪銀メダリストのアレックス・イー、銅メダリストのヘイデン・ワイルド、2019年と2020年のWTS王者バンサン・ルイら。日本勢は東京五輪代表のニナー賢治と小田倉真、この春から拠点を海外に移しトレーニングを続けている北條巧など7人。

ウエットスーツなしでのスイムを先導したのはバンサン・ルイ。ほぼ同時にドリアン・コナンが続く。北條、古谷順平、ニナー、小田倉らもトップから10数秒差でスイムアップ。

古谷、小田倉、北條、ニナーを含めた大集団でバイクフィニッシュ、ラン勝負へ ©KentaOnoguchi

バイクでは序盤から数秒差以内に30人以上の大集団が形成される展開に。スイムで30秒以上遅れたイーやワイルドもこの集団に加わり、後方から徐々に順位を上げていく。古谷は集団前方の好位置を確保。北條、ニナー、小田倉も集団中盤でレースを進める。誰も決定的な逃げを決めることなく、大集団のままバイクが終了。

ランパート序盤、積極的な走りを見せたのは、この春から海外に拠点を移した北條 ©KentnaOnoguchi

ラン序盤で積極性を見せたのが北條。先頭を走るワイルドのすぐ後ろにくらいつくが、徐々に後退を余儀なくされる。代わってワイルドにロックオンしたのが、昨年の横浜をランコース記録で走ったイー。ふたりは後ろを引き離し、2周目から早くも一騎打ちの様相となる。

ワイルドとイーのラン勝負はブルーカーペットまでもつれこんだ ©KentaOnoguchi

ワイルドが先頭を、イーがそのすぐ後ろを走るというフォーメーションでのラン勝負はブルーカーペットまで続いたが、最後はイーがワイルドを振り切って優勝を決めた。ワイルドは2位、3位にはレオ・ベルジェールが入った。

TOKYO2020にも出場者した小田倉は9位でトップ10に食い込んだ。昨年の16位に続き、日本人最高順位 ©KentaOnoguchi

日本勢トップは小田倉。得意のランで追い上げ9位とトップテンに食い込んだ。

優勝のアレックス・イーのコメント
「スイムでは少し遅れたけどバイクで集団に入ることができて、いい展開になったと思います。ただ、今日はあまり体調がよくなかったので、最後のラン勝負でどれだけ走れるか不安でした。走ってる最中もずっと苦しかったけど、なんとかペースをキープできて、最後に勝ててうれしい。シーズン緒戦を優勝で飾れてすごくうれしいです」

◎WTCS横浜 リザルト>>https://yokohamatriathlon.jp/wts/pdf/2022result_elite.pdf

★詳細レポートは『TriathlonLumina』2022年7月号(85号)に掲載予定。

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