クラウドサーファーという「感覚」
3月2日、東京マラソンEXPO2023で世界に先駆けて先行リリース(世界発売は3月23日)。新しく生まれ変わった、はじまりのモデル「クラウドサーファー」が語ったのは、変わらない新しさと、オンが走っている未来の景色だった。
写真=小野口健太
Onが最初に作った記念碑的モデル、一新の理由。
スイスのスポーツウエアブランド「オン」が、その創業時、最初につくったモデル「クラウドサーファー」が、まったく新しく、生まれ変わった。
クラウドサーファーと言えば、オンが「雲の上の走り」という、新しい走りの感覚を世界に発信してセンセーションを巻き起こした、はじまりの一足。
当時からこのブランドを知るファンには、記念碑的な意味合いももつ、特別な名前だが、今回のリニューアル版は、見るからに全くの別モノに生まれ変わっている。
それは、名前だけの継承なのか?
日本におけるオン人気を支えてきた駒田博紀さん(Onジャパン共同代表)は、今回の劇的なアップデートについて、こう説明する。
「新しいクラウドサーファーは、クラウドテックの構造からして変わっていて、見た目も全然違うシューズです。でも、最初にはいた瞬間の、フワッとした雲の上に着地したような感覚と、直後の弾むような感覚はまさにクラウドサーファー。『新しいランニングセンセーションに名前を付けるとしたら、オンだったらクラウドサーファーだ』と、共同創業者キャスパー・コペッティが語ったのが、すごく腑に落ちました。私自身、最初にクラウドサーファーをはいたときの面白さをこのシューズに感じています」
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最先端のミッドソールテクノロジー「CloudTec Phase®」とは?
技術的な部分での最大の特徴は最先端のミッドソールテクノロジー「CloudTec Phase®(クラウドテックフェーズ)」。衝撃を吸収し、反発力を生むオンシューズ特有の穴が、従来と違い斜めに開いている。
この新形状が自然なローリングモーションを促し、適切なエネルギーリターンを確保してくれるため、新しいクラウドサーファーには、オンのパフォーマンスランニングシューズの多くに採用されているスピードボードが使われていない。
「着地のときに(クラウドテックは)斜めにつぶれるので、この構造がいいのは何となくわかると思うんですが、今回はそれを航空宇宙やF1の分野で採用されているコンピュータで最適化。
これまでの試作を繰り返すような開発にかかる資源の無駄を省いています。
スピードボードのあるモデルの爆発的に弾かれるようなスピード感というよりは、自然なライド感で、いつの間にか前に進むという感覚。まさに雲の上の波乗りのような感覚が味わえます」(駒田さん)
柔らかく美しいアッパーにも次世代の技術が採られている。「ドープ染色法」という、糸を作る段階で染料を混ぜ込む方法で、これまでの染色よりも水を使う量を95%も削減。写真のとおり色は鮮やかで、色落ちも少ないという。
こうしたサステナビリティな取り組みが、新しいモノづくりの中で徹底されているあたりは、自然とともにあるスイス・ブランドの真骨頂だろう。
「日本でのオン展開10年目の今年、このクラウドサーファーを発売できることに特別な縁を感じています。10年前、初めて手に取っていただいたクラウドサーファーとは機能も形も違うけれど、あのときと同じ新鮮な感覚が味わえます。今のオンが考える『雲の上の走り』を、楽しんでください」(駒田さん)
Cloudsurfer
クラウドサーファー
価格:18,480 円(税込)
サイズ展開:メンズ/25cm~32.0cm、ウィメンズ/22cm~28cm
新形状のミッドソールテクノロジーCloudTec Phase® を採用して革命的なクッション性とスムーズなストライドを実現。スピードボードを使わないことで軽量・省資源化にも成功。2010年にOn初のランニングシューズとして発売以来、ソールにゴム素材を使用していた既存のクラウドサーファーから、まったく新しいモデルに生まれ変わっている。
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