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【WTCS横浜】《レース速報》パリをかけて白熱したレース ニナー賢治が7位入賞

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ルミナ編集部

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WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

最終的に2位以降に1分24秒差の快走で優勝したレオニー・ペリオ― WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

文=東海林美佳
Text by Mika Tokairin
写真=小野口健太
Photographs by Kenta Onoguchi

3年ぶりの晴天の下 WTCS第2戦横浜開催

パリ五輪前の重要な一戦として位置付けられたWTCS第2戦横浜。第1戦アブダビが天候不良でキャンセルとなったため、その比重がさらに高まる中、各国のアスリートがそれぞれの目標のもとで白熱した戦いを展開した。※女子スタート時点の気温25.4度、水温19.8度

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女子・優勝したペリオ―(フランス)WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

女子エリートレース

WTCS初優勝のペリオー
ダフィーは約1年はぶりのレースで7位に

午前中に行われた女子エリートレース。注目は既にオリンピック出場を決めているテイラー・ニブ(米)、ここで6位以内なら五輪内定が確実となるフランス勢、エマ・ロンバルディとレオニー・ペリオー、そして東京五輪金メダリストのフローラ・ダフィー(バミューダ)の500日ぶりのレース復帰とリオ五輪金メダリストでその後ランナーに転向したが、パリ五輪に向けトライアスロン界に戻ってきたグエン・ジョーゲンセン(米)ら。

日本人選手は現在オリンピック・クオリフィケーション・ランキング(OQR)で日本人トップの髙橋侑子を筆頭に、佐藤優香、岸本新菜、中山彩理香、酒井美有の5名が出走。

WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

スイムではマヤ・キングマ(オランダ)とニブ、そしてオリビア・マティアス(英)らが先頭集団を引っ張る展開に。キングマがトップでスイムを上がり、T1へ。佐藤が34秒差、日本のエース髙橋が44秒差と大きく水を開けられてしまう。

バイクでは序盤17人の先頭集団が形成され、キングマ、ダフィー、ニブらの強いバイカーたちがかわるがわる先頭に立ち集団をコントロール。上位候補のロンバルディ、テイラー・スパイビー(米)、ペリオーらもここに入っている。

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500日ぶりのレースでもバイクの強さは健在、集団をコントロールするフローラ・ダフィ WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

一方、スイムで遅れたジョーゲンセン、佐藤、髙橋らは後方集団で先頭からじりじりと差を広げられていく。5周回目で不運にもキングマがパンクに見舞われ先頭集団から脱落。ダフィーとニブが揺さぶりをかけ、集団は14名に絞られた状態でT2へ。

ランスタート直後に飛び出したのは、代表争いが熾烈なイギリスのケイト・ウォー。後続との差を広げる中で、ロンバルディがそれを逃すまいとすぐに追いかけ、そこにペリオーとカーステン・カスパー(米)が加わって4人の集団となる。

追いかける後方集団にはニブ、スパイビー、ダフィーらがいる。2周目に入るとペリオーはさらにギアを上げ、後続を突き放しにかかる。ニブとロンバルディが懸命に追うも、ペリオーの軽やかな走りに差は広がるばかり。ペリオーは独走状態を維持し、そのままWTCS初優勝を決めた。

2位にはニブ、そして23歳のロンバルディは3位を獲得。1年半ぶりの実戦復帰となったダフィーは本人も驚く善戦ぶりで7位入賞。

一方のジョーゲンセンはランで追い上げるも15位に終わり、オリンピックは絶望的となった。日本人選手トップは佐藤の44位、髙橋は48位でゴールした。

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優勝したペリオ―(写真・中央)、2位のニブ(写真・左)、3位のロンバルディ WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

優勝のレオニー・ペリオーのコメント
今日はどういうわけかすごく調子が良くて脚が動いた。当初のプランではランの前半の2周は抑えて走って、後半に上げるというものだったけど、1周目の終わり頃には自然に前に出ていた。そのまま快調に最後まで走れたのでよかった。フランスの場合、正式な内定は6月まで待たなければいけないのだけど、これでかなり確実なものとなったと思う。

44位の佐藤(写真・左)と48位の高橋(写真・右)「高橋選手の調子が悪いことは分かっていたので、一緒に戦っている気持ちでした。フィニッシュ後は大丈夫? と声をかけました」(佐藤)

佐藤優香のコメント
コンディションは良かったのでチャンスだったのですが、スイムで出遅れてしまって、そのチャンスをつかめなかった。バイクランは落ちついていけて、特にランは今シーズン一番良いコンディションだったのですが、スイムでの2分の遅れを取り戻すことはできませんでした。今日の44位はポイントは入らないですし、私は日本の出場枠確保のためにポイントを挙げなければいけない中で、あと2戦がとても厳しくなってきましたが、もうやるしかないと思っています。私の実力的には、最終戦のWTCSカリアリではなく、W杯でのポイントを狙っていきます。

【リザルト・エリート女子】
1位:レオニー・ペリオー(フランス)01:52:28
2位:テイラー・ニブ(アメリカ)01:53:04
3位:エマ・ロンバルディ(フランス)01:53:08
44位:佐藤優香(トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ/山梨)01:58:45>>女子全リザルト

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すでにパリ行きを決めているモーガン・ピアソンが優勝 WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

男子エリートレース

ピアソン快走で優勝
ニナーがWTCS日本人最高の7位に

午後の男子エリートレースでは、自国開催のオリンピック出場を確実にしたいフランス勢のレオ・ベルジェール、ドリアン・コナン、バンサン・ルイに加え、東京五輪金メダルのクリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー)、既にパリ五輪出場を決めているバスコ・ビラサ(ポルトガル)、マシュー・ハウザー(オーストラリア)ら強豪が名を連ねる。

加えて日本勢トップランクのニナー賢治、五輪出場枠2つ目を争う小田倉真と北條巧、そして佐藤錬、安松青葉、古谷純平が参戦。

スイムはハンガリーのマルク・デーバイを筆頭にバンサン・ルイ、マシュー・ハウザーらトライアスロン界のトップスイマーたちが先頭集団を引っ張る。そのままデーバイがトップでスイムアップ。

ニナーはそこから数秒遅れという好位置でバイクへ。北條も10数秒遅れでそれに続く。スイムで遅れがちなブルンメンフェルトは今回健闘。北條からわずかに遅れた位置で上がり、そのままバイクの先頭集団に加わった。

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スイムを好位置で上がったブルンメンフェルトがバイクも積極的にコントロール WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

風が強く吹き始めるなかで、バイクは33人の先頭集団が形成された。ヨーナス・ショームブルクが何度かペースを上げようと前に飛び出すも、やがて第2集団が追いつき、50人以上の大集団となる。最終周では大クラッシュがあり、ヴィラサ、コナンら有力選手が脱落。

ランの序盤から前に飛び出したのはここでトップ8に入ればオリンピック内定となるルーク・ウィリアン(オーストラリア)。それを逃すまいと追いかけ、追いついたのが元陸上選手のモーガン・ピアソン(米)。

ピアソンが逃げ、ウィリアンがくらいつく展開が続く。数秒差でそれを追う後続集団を引っ張るのはニナー。ランでじりじりと後退していたかつての姿と違い、ブルンメンフェルト、ハウザーといった世界トップ選手を従えた積極的な走りで沿道を沸かせる。

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五輪出場をかけて飛び出したウィリアンと、追うピアソン WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

勝負が見えたのは最後の周。疲れの見え始めたウィリアンを、ピアソンがじりじりと引き離し、そのまま先頭でフィニッシュ。2位には後ろから追い上げたハウザー。ウィリアンはハウザーに抜かれたもののWTCS初表彰台を確保した。

ニナーはラスト勝負で数名に抜かれたものの、WTCS日本人男子最高位の7位でフィニッシュ。最後の課題とも言えたランの進化ぶりを見せ、目標のパリ五輪メダルに向けて自信を深めた。北條は22位、小田倉はバイククラッシュに巻き込まれて遅れ33位。五輪2枠目の行方はWTCS第3戦カリアリまで持ち越されることとなった。

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優勝したピアソン(写真・中央)、2位のハウザー(写真・左)、3位・WTCS初表彰台でパリ行きを決めたウィリアン WTCS横浜2024 ©Kenta Onoguchi

優勝したモーガン・ピアソンのコメント
パリの前に最高の結果を出せていい感触をつかめた。勝てたのも嬉しいし、力を証明できたのも嬉しい。今日は特にプランはなかった。スイムでがんばってバイクの先頭集団に入り、あとは集団の中でスマートにレースを進めようと思ってた。かなり久しぶりのレースだったから、錆びついていた感覚を取り戻すという意図もあった。今日のレースの出来はB。パリに向けてはA+のレースをしたいと思ってる。

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ラン最終週まで、「初の表彰台か⁉」と観客をワクワクさせる走りを見せたニナーは、WTCS日本人男子最高の7位に

日本人トップ、7位入賞のニナー賢治選手のコメント
ここ3年ぐらいランの技術をずっと磨いてきた。今日はそれが発揮できて嬉しい。スイムを上がってバイクで先頭集団に入ったところまでプラン通り。3周目まで3位で走れて、世界トップと渡り合えたと思う。もちろんもっと上はいるけど、パリでのメダルの可能性が見えたレースになった。ランの最後のスパートに課題があるけど、まだ時間はあるので、そこをこれから磨いていく。

【リザルト・エリート男子】
1位:モーガン・ピアソン(アメリカ)01:42:05
2位:マシュー・ハウザー(オーストラリア)01:42:12
3位:ルーク・ウィリアン(オーストラリア)01:42:20
7位:ニナー賢治(NTT東日本・NTT西日本/山梨)01:42:36>>男子全リザルトはコチラ

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