連載「アイアンマンいどみました。」
「下から目線」でお届けする、アイアンマン初挑戦・完走への道⑨
前回の「やったことしかできないのがアイアンマン。」はこちらから
セミロングディスタンストライアスロン!?
わたくしの今年のメインレースは、徳之島のミドルディスタンスでした。「南の島のミドルは、最高に決まっている」と、常々思っていたのですがその通りでした。
前々日のウェルカムパーティ、前日のウェルカム闘牛観戦。当日、美しい海を泳ぎ、温かい応援の中こぎ続け、かき氷をほおばりながら駆け抜け、完走で上がりきったテンションそのまま、同じ会場の芝生の上で、ビールや島の地酒をふるまっていただき、ライブパフォーマンスと共にハジける!! この一連の流れが本当に楽しく、30年愛される大会とはこういうものなんですね。
ちゃんとトレーニングして臨めば・・・という但し書きつきですが、徳之島トライアスロンは、紛れもなく「エンジョイトライアスロンの国内最高峰の大会」です。
その徳之島が、わたくし、アイアンマンを完走してから初のミドルだったのですが、とても短く感じました。バイクを70kmでフィニッシュして、「おいおい、アイアンマンはさらにもう100km以上バイクに乗るのかよ」と、今更ながらツッコミ。51.5の延長線上にミドルはあるけれど、ミドルの延長線上にアイアンマンは・・・やっぱり、ないみたい。
51.5からミドルが約2倍とすると、アイアンマンは約4倍。つまり3倍が抜けているんですよ。ホップ、ステップで、大ジャンプしなきゃならない。3倍に相当する「セミロングディスタンス」的なカテゴリーがあれば、51.5→ミドル→セミロング→アイアンマンと、多くのトライアスリートが無理なくアイアンマンに挑戦できると思うんだけどな。「IRONMAN106(mile)」みたいなシリーズあれば最高! いかがですか!? 関係者の皆様!!
3倍を計算すると、スイム2.85km、バイク135.5km、ラン31.5kmくらい。しいて言えば、珠洲のミドル(スイム2.5km、バイク102.2km、ラン23.3km)が近いかしら。ITUのロングディスタンス(スイム4.0km、バイク120km、ラン30km)もあるけれど、出場機会がないなぁ。レースで無理なくステップアップしたいなら、珠洲に出るしかない?もしくは、あえて条件の厳しいミドルに出る・・・例えば、バイクコースがハード、時差あり海外70.3、毎年必ず暑い大会等々。
国内唯一の70.3で、フルアイアンマンとフォーマットが同じゆえ予行練習になるセントレアは必須として、その他、様々な条件のミドルでならしてからアイアンマンに臨む!というのは、王道な選択肢です。来シーズンのレース選びのご参考になさってください!
>次回の「下から目線」でお届けする、アイアンマン初挑戦・完走への道⑩「アイアンマンは、情報の「取捨選択力とパーソナライズ力」が大切。」はこちらから
■著者プロフィール
野中秋世(のなか・あきよ)
2001年オープンの老舗ネットショップ店長。三児の父。20歳から35歳まで無運動状態。2010年にトレーニング開始。2011年に独学でオリンピックディスタンス完走。マラソンやOWSを含めて33レース目でアイアンマン完走。タイムは14時間24分。著作に、運動オンチの素人がトライアスリートになるまでを描いた『トライアスロンはじめました。』と、ミドルディスタンス・海外デビュー編の『トライアスロンはまりました。』(共に誠文堂新光社)がある。