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ついに登場した「シマノ製パワーメーター」が注目される理由。

投稿日:2018年5月8日 更新日:


ルミナ編集部

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闘うためのテクノロジー〈前編〉
ジャパニーズブランド・シマノのテクノロジーが、トライアスリートの決戦装備を進化させる。

SHIMANO DURA-ACE
FC-R9100-P

ついに登場した
シマノ製パワーメーター

満を持して登場したシマノ製パワーメーター一体型クランク「FC-R9100-P」。洗練されたデザイン、正確なパワー計測は、トライアスリートの決戦装備としても大きなメリットをもたらしてくれそうだ。

コメント/大西祥司(メイストーム代表) 取材/光石達哉 写真/小野口健太

シマノ製ならではの統一感のあるデザイン

シマノの最高峰コンポーネント・デュラエースの最新R9100シリーズで新たに追加され、大きな話題を呼んでいるのがパワーメーター一体型クランクセットFC-R9100-Pだ。

これまではサードパーティー製のものを後付けすることが多かったパワーメーターだが、シマノからリリースされることで期待も大きかった。2016年夏に発表されるやたちまち注目を集め、昨年秋からデリバリーが始まり、いまだ多くのバックオーダーを抱えるほどの人気だ。

国内屈指のトライアスロンプロショップ「メイストーム」の大西祥司代表に、FC-R9100-Pの魅力を聞いてみた。

「やはりシマノ製なので、コンポーネント全体とのマッチングやカラーの統一感が出ますね。いかにも『パワーメーター付けてます!』という感じが嫌いな人には、意外と大きいメリットのひとつです」

Lumina 4月号巻頭の特集でも大西さんが解説しているとおり、パワー(出力)によるペース管理は、長い個人TTとなるトライアスロンの実戦では効果的。パワーメーターは「決戦装備」としても重要なアイテムとなってくるのだが、そうした機能面はもちろん、見た目のカッコよさも大事。せっかくスタイリッシュに装備をそろえた決戦バイクに「後付け感」「外付け感」のあるパワーメーターは、いただけない。

FC-R9100-Pの場合、外見上の変化は、クランクアームの間にコントロールユニットと呼ばれる小さな部品がついているぐらい。重量も通常のクランクと比べて約70gしか増えていない。しかも、重量物であるバッテリーなどはクランクシャフト内に内蔵されているので、回転部分への影響は可能な限り抑えられている。

ちなみにバッテリーは、満充電で約300時間走行可能。「Di2のバッテリーが減ったときに一緒に充電すれば忘れることはないでしょう」という大西さんのアドバイスだ。

クランクアームの間にあるコントロールユニット。キャップを開けると充電プラグを差し込むソケットがある。他ブランドのクランク一体型よりも扱いやすい

もちろん、信頼性の高いシマノからリリースされるとあって、計測精度の高さも折り紙付きだ。

「精度の高さは好評です。シマノバイクフィッティングシステムで、多くの人のパワーデータを取ってきたフィードバックが生かされているんだと思います。クランクと一緒に設計されている分、パワー値の誤差も出にくくなっていると聞きます」

その理由として考えられるのが、パワーメーターの要となる「ひずみセンサー」の位置だ。外付けのパワーメーターだと、外気温による熱膨張などで誤差が生まれやすく、また落車によるダメージも受けやすい。

しかし、シマノのようなクランク一体型なら、ひずみセンサーを内側に埋め込むことができ、外部の影響を受けずより正確なパワーが計測できると推測される。

センサーは左右のクランクに搭載されるので、もちろんパワーも左右独立して計測できる。これも特集で触れているが、トライアスリートにとっては特にこの左右差がチェックできる点が大事。ペダリング改善に大いに役立つだろう。防水性も高く、あらゆる状況下でも使用可能だ。

ガーミンEdgeシリーズなどのデバイスと接続すると、リアルタイムの出力や、ペダリングの左右差、ピークパワーの位置などのデータを把握できる

外部機器との接続で
あらゆるデータを網羅

外部機器とは、Ant+とBluetooth LEを使って接続する。シマノが推奨するガーミンEdgeシリーズのサイコンと接続すれば、ペダリング効率、左右のパワーバランスなども見ることができる。心拍計と併用すれば、VO2Maxや、レースでのペース管理に使えるFTP値も測定でき、自分のレベルやコンディションを見極められる。

もちろん、ガーミンコネクトにデータをアップし、後からトレーニングやレースのデータを振り返って分析することも可能。あらゆる情報を網羅して、自分のレベルアップに役立てることができるのだ。またシマノ製アプリ「E-TUBE PROJECT」をインストールしたスマートフォンとBluetooth LEで接続すれば、ワイヤレスでファームウェアのアップデートも可能になる。

パワーメーターの起動は、コントロールユニットのボタンを押すかクランクを2回以上回転させるだけと簡単だ。

注意点としては、TTバイクやトライアスロンバイクなどボリュームのあるフレームの場合、クランク内側のセンサーやフレームに貼り付けるマグネットが干渉する場合がある。BBも24mm径クランクシャフトに対応したものが必要になる。いずれも、ショップで事前に確認してほしい。

TTバイクなどボリュームのあるフレームの場合、クランク内側のセンサーが干渉する場合があるが、FC-R9100-Pのセンサーは、比較的スマートなので、対応フレームの幅は広い

高価で手が届きにくいというイメージのパワーメーターだが、FC-R9100-Pなら軽量と高剛性を誇るデュラエースのホローテックⅡクランク込みで、14万円台に収まるのも魅力だ。今までパワーメーターに興味があった人が、最初の1台として選択するのに最適ではないだろうか。

>>>闘うためのテクノロジー〈後編〉「トライアスロン決戦装備としての電動変速システムDi2」へつづく

シマノ デュラエース FC-R9100-P
究極のパワートランスファーを実現するデュラエースのクランクセットとシマノ独自のパワーメーターが一体化。正確で素早いデータ収集を可能とし、調整・メンテナンスも容易だ。
■歯数構成:50×34T、52×36T、53×39T
■クランク長(mm):170、172.5、175
■価格:143,662円(税抜)

問・シマノセールス自転車お客様相談窓口ナビダイアル TEL0570-031961 http://cycle.shimano.co.jp/

■プロフィール
大西祥司さん Shoji Onishi
ライアスリートとして国内外のレースを転戦し、アメリカから帰国後に海外ブランドの輸入販売を手掛けるメイストーム合同会社、ならびに東京・高円寺にプロショップ「メイストーム」を設立。V型異形バイクの「ソフトライド」、「DIAMOND(ダイヤモンド)」を始め、これまで数多くの決戦アイテムを国内のトライアスリートに紹介してきた目利きのスペシャリスト。取材協力/メイストーム TEL03-6454-0404

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