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【Interview】日本選手権連覇 北條 巧 「パリでメダルをとるために」

投稿日:2021年6月28日 更新日:


ルミナ編集部

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 ©Akihiko Harimoto

自由な生き方の表現として。

髪を明るく染めて個性を主張しながら、日本選手権連覇などの結果を出し、日本を代表する選手のひとりに成長してきた北條巧。

「パリ五輪でメダル獲得」を長期目標にWTCSを転戦している若きスター選手が、今、思い描くプランとは?

※内容は5月取材時点。

文=原 修二
Text by Shuji Hara

©Kenta Onoguchi

北條 巧 Takumi Hojo
1996年埼玉県生まれ。博慈会、NTT東日本・NTT西日本所属。高校まで14年間競泳に取り組んだ後、日本体育大学でトライアスロンを始める。2017年日本選手権で頭角を現し(4位)、2018年2019年と日本選手権を連覇。2024年パリ五輪表彰台を目指し、WTCSをメインに転戦している。

編集部◆まず5月のWTCS横浜大会を振り返っていただけますか。

北條◆スイムは1周目が終わったところで19位。上位の選手からは、その時点でかなり出遅れました。バイクは先頭集団に追いついてからしばらくは後方にいましたが、その後は前のほうで展開できたので、今までの国際大会より楽に走ることができました。元々バイクは苦手意識があって、プレ五輪ではずっと一番後方で走り、コーナーのたびに余計な体力を使っていました。

今回はだいぶ改善しましたが、集団に入るまでの1~2周目で体力を使ったので、その分リラックスできないまま行ってしまったという反省はあります。ランはベストな展開の場合、30 分20~30秒と想定していましたが、予定通りのペースで走れたのは最初の1~2㎞だけで、そこからどんどんペースダウンしました。

トレーニングでは短く区切ったブリック練習をやっていましたが、ランが2㎞までの短いものを数セットという内容で、バイクの後に続けて10㎞走るといった練習はできていなかった。そこが今回の反省点です。

©Kenta Onoguchi

編集部◆今後の活動スケジュールと目標を教えてください。

北條◆まず5月30日宮崎のスーパースプリントの大会に出場して、そのままイギリスに渡って、6月6日のWTCSのリーズ大会に出場します。その後はハンブルク、出られれば東京オリンピック、モントリオール、エドモントン、アブダビに出場予定です。

世界の大会で戦えないとオリンピックで戦えないということで、元々今シーズンはWTCSメインで出場するというプランを立てていました。目標としては今年中にWTCSの大会で8位以内を1回はとりたいと考えています。

それがリーズなら、東京オリンピック出場につながる可能性があるので理想的ですが、元々オリンピックはパリでメダル獲得というのが目標なので、そこから逆算してまずは今年中のWTCS8位以内入賞を次へのステップと考えています。

編集部◆プライベートの過ごし方や、ファッションなどへのこだわりについても教えてもらえますか。

北條◆オフのときは、家の中で好きなアーティストの音楽を聴いたりサッカーゲームをしたりしています。音楽のジャンルは主にロック。X-JAPANやギタリストのMIYAVIさんなどが特に好きです。

あと、KPOP好きです。ファッションの好みは年々変化していますが、靴にはお金をかけているほうだと思います。服選びも靴から決めて、それに合わせて服を買いますね。特にヘアスタイルや色にこだわっているわけではなく、自由な生き方の表現と考えています。

音楽でX-JAPANが好きというのとも関連しているんですが、世の中の枠にはまらない彼らの生き方にも共感していて、トライアスロンでもそういう自由な生き方を表現したいということで、髪の色を変えてみたりしています。ちなみに今の青い髪はギタリストのMIYAVIさんの影響です。

©Kenta Onoguchi

編集部◆そもそもトライアスロンを始めたきっかけは何だったんですか?

北條◆高校まで競泳をやっていたんですが、ランも得意だったので、両親がネットでJTUの認定記録会の情報を見つけて「出てみれば」と勧めてくれたんです。その記録会でジュニア強化指定選手の基準をクリアし、その記録を見た日体大の若杉摩耶文コーチに「オリンピックも狙えるから」と、日体大トライアスロン部に誘ってもらい、トライアスロンを始めました。

でも、最初はオリンピックを狙うといっても、あまり現実的な感じがせず、今思えばそれほど真剣に取り組んでいませんでしたね。2年のインカレで、自分は脱水で満足に走りきれなかったのに対して、同学年の山本康貴(当時立命館大)と内田弦大(同・関西大)が表彰台に上がるのを見て意識が変わりました。

練習を考えてやるようになり、オリンピックを真剣に考え始め、おかげで3年のときに日本選手権で4位に入ることができました。

編集部◆そこから国際大会でそうそうたる選手たちと戦ってきたわけですが、目標とする選手はいますか?

北條◆ハビエル・ゴメス選手です。大学に入って、初めて観たのが2015年のWTCS横浜だったんですが、ゴメスとアリスター・ブラウンリーのゴールスプリントを見て、「トライアスロンという競技はすご!」と思いました。

そこからゴメスの練習内容を調べ、それを基に計画を立てて、メニューを組んだりするようになりました。

ゴメス選手は日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパではすごく有名ですし、トライアスロンという競技もメジャーです。自分の最終目標はオリンピックでメダルをとることなんですが、それは日本でトライアスロンをもっと注目されるスポーツにするためでもあります。

©Kenta Onoguchi

編集部◆パリでメダルをとるために、今、取り組んでいることはありますか?

北條◆トレーニングの体制を新しくしました。日体大トライアスロン部で同級生だった飯田健太が柔道整復師の資格を取得するなど、本格的にトレーナーとしてやっていくことになったので、彼にお願いしてコーチ兼トレーナーになってもらい、4月からマンツーマン体制でパリに向けて始動したところです。トレーニングでは飯田健太に動きづくりやペースメイクなどをやってもらっています。

国内ではランで自分より強い人がなかなかいないので、飯田にバイクでランのペースを作ってもらったり、自動二輪の免許を取ってもらってバイクのペーサーをしてもらったり。ひとりでやっているよりは効果的なトレーニングができるようになりつつあります。

ゴメス選手の練習をネットで見たとき感じたのは、まず練習量が足りていないということです。日本人選手は根本的に量が足りていないと思います。自分も大学から25~26歳くらいまでは、量をメインにベースづくりをする期間だと考えているので、今は量をたくさんやろうと思っています。

Race Style Gallery

©Kenta Onoguchi

【Shoes】
シマノ TR9

トランジションとパワー伝達を最適化するよう設計されたシマノ・トライアスロンレーシングシューズのフラッグシップモデル。

「レースでは常にTR9を使っています。一般的なベルクロ・ストラップのトライアスロン用モデルは、フィット感が少しルーズに感じることもあるのですが、TR9はロード用モデルとそん色ないくらいフィット感が高くて、最新のモデルは、これまでのモデルと比べてもさらにフィット感が上がっています」(北條=以下同)

【Wheel】
シマノ DURA-ACE C60
チューブラーディスクブレーキホイール

優れたエアロ性能を誇るDURA-ACEグレードのディープリムホイール。高剛性ながら超軽量(平均重量フロント678g/リア829 g)のフルカーボンリム。

「主にリム高が40㎜の『C40』と60㎜の『C60』2モデルで使い分けています。最近はC60のほうを使うことが多いですが、フロントは風の強いときやアップダウンの多いコースなどではC40を選択しています。遠征が多いので、シマノのホイールの品質の確かさは安心材料ですね」

【Helmet】
OGKカブト IZANAGI

【Bike】
コルナゴ C64

>>北條選手のインスタはコチラ

 

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