持久系スポーツは前日の準備が結果を大きく左右します。レース直前や競技中の補給が欠かせないのは誰もが分かっているのですが、「レース前日こそ必要ですよ」と話すと、「えっ」と驚いたように返ってくることがほとんど。当日の朝ですら、「このときに摂るんですか」と言う人もいるほど、レース前日の補給の重要性はまだまだ浸透していません。
100kmを超えるような長丁場のロードレースの前日は、エネルギーを蓄えておくのが大切なので、体重が少し増えようとも、普段より多くの量を食べます。普段の夕食に加えて、寝る前にパンを口にするなど、エネルギーをとにかく充たしておきます。
水分に関しても同様です。前日から意識して多く飲んで、身体に蓄えるのが望ましいです。7、8月の夏のレースでは、エネルギーと水分の重要性がより高まります。
前日からのMag-on顆粒を摂取
身体が動きやすくなる感覚に
レース中、210kmのツール・ド・おきなわの前半ではスーパーで売っているようなパンなど、塩分が含まれる固形物を食べます。後半はジェルですね。おきなわより距離が短い場合は、とにかく即効でエネルギーを欲しているのでジェル一辺倒です。
30分ごとにジェル1本と目安はもっていますが、なかなか思い通りにはいかないので、摂れるときに摂っておくが実情かもしれません。強度が高くなる最後の10km、5km、スプリントで勝負できるように逆算しながら、補給戦略を練ります。シャキッとする感じがするので、ジェルはカフェイン入りを好んで使いますね。
加えてコンディションアップのために、Mag-on顆粒タイプを摂取するのがポイントです。前日に2包、レース直前に1包(レース中も可能ならば1包)を摂っていますが、効果をとても実感しています。身体が明らかに動きやすくなる感覚があり、エネルギーが持続します。
実業団の選手だけではなく一般ライダーにも、筋肉のトラブルには、Mag-on顆粒タイプがおすすめです。一般ライダーには、グランフォンドやセンチュリーライドに出るときにも有効ではないでしょうか。
自転車があれば何でもできる
自転車は競技種目によって、魅力が異なります。ロードレースは頭のゲームみたいなものですね。駆け引きが面白い。相手の裏をかいたり、作戦がはまったり、もう2度とレースでは起きないようなこともできます。たとえるなら鬼ごっこ、童心に帰った気分を味わえます。
ヒルクライムの魅力は、自分への挑戦ができるところでしょうか。ある一定以上の年齢に達すると、体力を使って何かを頑張るきっかけは、なかなかありません。でも自転車を始めていくなかで、現状のちょっと上を目指して、自分なりに頑張れるのが楽しさですね。
自転車はレースだけでなく、長い距離の旅にも行けるし、近くのパン屋に出かけることも。自転車ひとつで色んなことができるんですよ。
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【プロフィール】
西谷雅史さん
サイクルポイント オーベスト店長
1998年ツール・ド・おきなわ市民レース210km優勝、2006年ジャパンカップオープンレース優勝、2007年JBCF小川村優勝、2016年ニセコクラシック年代別優勝(総合4位)。自転車競技を始めたのは1989年から、雑誌『Tarzan』のトライアスロン特集を見たのがきっかけ。2004年、東京都調布市にサイクルポイント オーベストをオープンし、走る情報を伝えられるような店を心掛けている。1967年、神奈川県生まれ。
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