特集「インドアトレーニングの達人」
松丸真幸さん編
1回20分でも効果十分のインドアバイク練習
働きながらトライアスロンに取り組んでいる、ほとんどの人は、トレーニング時間を確保するのが難しいと思います。かく言う自分(松丸)もプロとしての現役を引退して以来、練習時間がないので、普段の練習の大半がインドアトレーニング。1回のトレーニング時間は20分~60分くらいです。
では、そうしたバイクのインドアトレーニング(ローラー台練習)で、実際どんなことをしているのか? 今回は、そのポイントをご紹介します。
ローラー台は、主に固定式を使用します。3本ローラーもたまに使いますが、それはバランス感覚を養うときに使う程度なのでペダリング技術、体力向上には固定ローラー台がおススメです。
以下、自分が実際に行っているメニューです。
(固定ローラー台)
20分メニュー
▼ウォーミングアップ(アップ)5分
▼メイン10分 120rpm(回転/分)
※負荷軽め
▼クーリングダウン(ダウン)5分30分メニュー
▼アップ5分
▼メイン20分 95rpm
▼3’30″ややハード+30″ハード×5本
※「ハード」はレースペース(ショート)の強度。「ややハード」は、それより少し低めの強度。
▼ダウン5分
40分メニュー
▼アップ5分
▼4分ややハード120rpm+1分イージー×2本
▼4分ハード95rpm+1分イージー×2本
▼4分ハード85rpm(重いギヤで登坂イメージ)+1分イージー×2本
▼ダウン 5分
50分メニュー
▼アップ10分
▼15分ややハード95rpm×1
▼イージー5分
▼15分ハード95rpm×1
▼ダウン5分
60分メニュー
▼アップ10分
▼ピラミッド 30分メニュー 全て95rpm
▼3分ハード+1分イージー
▼4分ハード+1分イージー
▼5分ハード+1分イージー
▼5分ハード+1分イージー
▼4分ハード+1分イージー
▼3分ハード+1分イージー
▼イージー5分
▼10分ややハード95rpm×1
▼ダウン5分
頻度は週2~3回。必要最小限の練習で最大の効果を出そう
ポイントは、練習頻度を週2~3回とし、回転数やスムーズなペダリングを意識して練習すること。例えば、最後のダウンに「片足ペダリング」(※左右いずれかの足だけをペダルに載せて、片足でペダルをスムーズに回すドリル)を入れて、ムダのないキレイなペダリングを意識したところで練習を終わらせると、次につながります。ぜひ、取り入れてみてください。
あとは、練習強度を確実にコントロールできるように心拍計やパワーメーターを取り入れていくと、ターゲットの負荷で練習ができるので、狙ったとおりの良い練習ができます。
これらメニューの内容は、アレンジしてもかまいませんが、大事なのは1回1回集中すること。例え短い時間でも1回の練習を大事にしましょう。そして、継続が何よりも大事になってきます。継続なくして効果は出てきません。
そして、もうひとつ大事なのが、インドアトレーニングをやり過ぎて体調を崩してしまうことにも注意すること。おおむねトライアスリートたちは、頑張って練習し過ぎる傾向にあります。
コーチのいないトライアスリートは、常に客観的に自分を見ながら、練習をしなくてはなりません。必要最小限の練習で最大の効果を出せるように、自分をコントロールすることが、レースでの結果に直結してきます。
■著者プロフィール
松丸真幸(まつまる・まさゆき)
プロ時代の主な成績は宮古島優勝、ロング日本チャンピオン6回、アイアンマン・ハワイ(世界選手権)プロカテゴリー出場、ITUロング世界選手権日本代表など。バイクが最も得意なパートで、国内ロング3大大会(宮古島やIMジャパン五島長崎=当時、佐渡ロング日本選手権)の日本人バイクタイムレコードホルダー。現在は仕事に子育て、地元・茨城県協会理事、国体監督で指導者としてもトライアスロン普及に携わっている。妻の浩巳さんも元ロングナショナルチャンピオンのトップトライアスリート。