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北条巧 W杯初優勝(韓国・ヨンド)2007年田山寛豪さん以来 

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ルミナ編集部

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北条巧 ワールドカップ 韓国・ヨンド

ワールドカップ・ヨンド(韓国)©World Triathlon

「パリでメダル」に向けて弾み

8月5日(土)に韓国・ヨンドで開催されたパリ2024オリンピックランキング対象大会 ワールドトライアスロンカップ(2023/韓国・ヨンド)で、北條巧選手(NTT東日本・NTT西日本/東京)が初のW杯タイトルを獲得した。

日本人選手がワールドカップで優勝したのは、2019年の上田藍選手以来、男子としては2007年の田山寛豪さん以来となる。

急遽開かれたオンライン記者会見で北条選手が初優勝への想いや、パリオリンピックへの手ごたえを語った。

>>リザルト

――今回のレースはどのような位置づけで出場したのですか?

位置づけとしては、(パリオリンピックの)プレ大会が8月18日に控えているので、それに向けての実戦での刺激入れとして出場しました。

5月末のWTCS(世界トライアスロンチャンピオンシップシリーズ)カリアリがあって、そのあとにちょっと体調を崩してしまったので、7月の3レースをキャンセルしました。

その結果、オリンピックに向けたポイントがとれていなかったので、刺激入れという位置づけだけれど、しっかりポイントと順位を狙って出場したレースで、無事優勝して、ポイントもタイトルも獲得できたので、パリに向けて良いレースになったのかな、と思っています。

北条巧 ワールドカップ 韓国・ヨンド

ワールドカップ・ヨンド(韓国)©World Triathlon

――ヨンド大会で優勝した、その率直な感想を教えてください。

昨年から少しウエイトトレーニングをはじめて、はじめてからなかなか結果が出ない中で、ようやくカリアリくらいからランニングが良くなったきたな、という感じでちょっと楽しみだなというところで体調を崩してしまいました。

体調を崩す前は、ここから行けるかもしれないという感じだったんですけど、レースに出れないというのが続いていたので、そういう中で、すごく久しぶりに出た大会で、しっかり優勝することができたので、そこでちょっと安心じゃないですけど、やっぱりやってきたことは間違っていなかった、強くなっているな、っていう実感がすごくあったので、すごくうれしいという気持ちでした。

初優勝というよりは、久しぶりに結果がでたということがうれしかったです。

北条巧 ワールドカップ 韓国・ヨンド

ワールドカップ・ヨンド(韓国)©World Triathlon

――今回のレースでのポイントを教えてください。

今回のレースはスイムが得意なメンバーがそろっていて、比較的逃げが決まりやすいコースレイアウトでもあったので、バイクでは8人前後で逃げたいね、とスイムが速い選手と話していたんです。

実際は11人と予定よりは多くなったんですけど、イイ感じで、第2集団とのランニングスタートのときの差が約1分ついていたので、かなり理想的な展開でした。ランニングはカリアリから調子が良かったので、しっかり走れれば勝てるなというのはありました。

自分の中では、初めて日本選手権で勝ったとき(2018年)の走りが前半から自分のペースで結構突っ込んで逃げ切るという展開だったというのがあって。日本選手権で優勝してから5年くらい経つんですけど、いろんなレースを経験してきて、やっぱり前半から、ガンと入って、そのままの勢いでいくっていう走りが得意だなと感じていたので、それをイメージしながら走りました。

ガンガン行く感じでのレースができて、結果的に逃げ切れたので、理想、本当に自分の理想的なレースをすることができたな、と思います。

北條巧 湯ノ丸高原

長野県、湯の丸高原 ©KentaOnoguchi

――練習の成果が出てきたというお話がありましたが、どのような練習を?

カリアリ後にコロナウイルスに感染してしまって、肺が大分ダメージを受けてしまいました。それを戻すって作業が大変で、それを戻す拠点として、GMOアスリーツパーク湯の丸(長野)の施設で、約3週間くらいスピードトレーニングと言うよりは、肺を戻すというトレーニングをしました。

実際ヨンドのレースのときも、若干息苦しいなというところもあったんですけど、だいぶレース強度でも走り続けられるところまで戻ったので、高地で肺活量メインのトレーニングをしたという感じです。

元々カリアリの5月末の時点で実際に仕上がりは良くて、WTCS横浜(5月)の前とかも、練習では仕上がっていて、これをレースで発揮できれば3位とか、自分の中では表彰台も狙えると思っていました。そのときの仕上った状態に戻していくという作業をメインとしてトレーニングしました。

感覚としては、自分は強い、やっぱり自分の実力は上がっているんだなと、と今回思えました。引き続き今までどおり、トレーニングをしていきたいと思っています。

――現在のトレーニング拠点は?

2022年は海外拠点が多かったんですけど、体調を崩す前は、7月~8月はフランスの高地でトレーニングしようと思っていたんですけど合わなたかったので、日本で高地トレーニングを。今年からは日本拠点でトレーニングしていますね。

――パリに向けての意気込みを教えてください。

自分自身の目標が、パリオリンピックのメダル獲得なのでプレ大会では、まずは8位以内で選考基準を満たすこと。また、コースなども把握することも目的で、実際には3位以内を狙ってレースしたいなと思っています。

北条巧 ワールドカップ 韓国・ヨンド

ワールドカップ・ヨンド(韓国)©World Triathlon

パリに向けて大切な3連戦

記者会見に同席した山根英紀ハイパフォーマンスディレクターは北條選手の優勝、また強化選手の進捗について次のように話した。

「私は、6月27日からヨーロッパに入り、転戦をサポートしながら、帰国せずヨーロッパの状況を収集しながら、パリのテストイベントに向けて準備をしています。

そういう中で先週末、うれしい一報が入ってきました。北條選手のW杯初優勝です。私自身、2019年リマの現地で日の丸がたなびき、現地で君が代が流れるのを聞いて以来となるので、非常に感慨深く思ったところです(上田藍選手の優勝)。

本人からもありましたが、北條選手はカリアリ前後から体調を崩して、結果が出せない状況が続いていましたが、そのあとの7月に入ってからの合宿含めて、体調面が戻って、練習もうまく積めているという中で、練習が結果に結びついてきて、一安心しています。

来年のパリオリンピックに向けては、1年を切りました。北条選手のW初優勝で日本にとって非常に弾みがつきました。

選手強化としては、男子は層が厚くなってきていると感じています。北條選手の他、ニナー賢治選手が安定した成績を収めています。

そしてここからが、重要なレース3連戦となります。まずは8月のパリオリンピックプレ大会、9月のグランドファイナル、10月のアジア選手権、いずれも選考対象大会です。

パリオリンピックでの表彰台、8位以内がイメージできるように、WTCSでも8位以内、表彰台に届くレースをしてほしいと考えています」(山根マネージャー)

◎2023WTオリンピックテストイベント・パリ
8月17日(女子)・18日(男子)
>>女子スタートリスト
>>男子スタートリスト

TriathlonLive配信あり(サブスク)
>>https://www.triathlonlive.tv/?src=events

▼北條巧選手関連記事
>>【Interview】北條 巧「そして闘いは次のステージへ」
>>【Interview】日本選手権連覇 北條 巧 「パリでメダルをとるために」
>><男子優勝は日体大 北條巧>2018 年トライアスロン日本選手権

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