COLUMN KONA Challenge

KONAチャレ最終シーズン「ケガと挫折から這い出し1年かけて身体を作り直して再挑戦」FB⑧-2

投稿日:2020年2月20日 更新日:


ルミナ編集部

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1月25日(日)に行われた8回目のKONAチャレ、新メンバーのフィードバックミーティングの続きから。

<<<前記事を読む①「単体種目の高いレベルをトライアスロンのレースで生かすためには」横山さん

新レギュラーメンバー02
木家勝之さん
挑戦と挫折、ケガを繰り返した10年
1年かけて身体を作り直し再挑戦へ

>>>「KONAチャレ公式ページ」木家さんインタビュー記事はこちら。

木家さんは51.5㎞でトライアスロンデビューしたシーズン中に表彰台にのり、ロングでも得意のランを生かしてタイムを上げたが、KONA挑戦はことごとく失敗。ケガにも悩まされ、一度は夢をあきらめた。しかしKONAチャレ応募を機に、もう一度KONAへの情熱が蘇った。アメリカのネットコーチングなどで効果的な練習を学び、課題を克服しながらKONAスロット獲得に挑む。

【自己紹介】
元小学校の教員で、現在は鍼灸師兼スポーツトレーナー。
トライアスロン歴は約10年。46歳(今年6月に47歳)。
元ランナーでランは得意だが、スイム・バイクは凡人。

10年前のアイアンマン・コリアで妻に「KONAに連れて行く」と約束してアイアンマンに初挑戦したものの、撃沈。その後もアイアンマンでは失敗レースを重ね、2013年に股関節の大きなケガを経験(その後も2017年には恥骨疲労骨折、2018年に仙腸関節骨挫傷、落車による肋骨骨折など)。

一時期アイアンマンへの情熱を失い、レースからも遠ざかったが、KONAチャレ応募を機に情熱が蘇った。

【主な成績】
<トライアスロン>
2019アイアンマン・マレーシア 11:11:39
2018トライアスロン珠洲大会 5:17:34
<マラソン>
2014 42.195㎞海と緑のランニング大会 2:40:28

【KONAチャレ2年間の取り組みと変化】
練習を根本から見直し、効果的なトレーニングでパフォーマンス向上

フレンドメンバーになった2018年は2月に故障、4月に落車でケガをしたため、このシーズンはアイアンマンに出場せず、1年かけてアイアンマンで戦える身体づくりをした。10月にアメリカの「エンデュランス・ネーション」というチームのオンラインコーチニング・コースに入会し、インターネットを通じてプロコーチの指導を受けるようになった。

変わったのは、1年を細かく期分けし、目的を明確にしたトレーニングを行うようになり、それまでは「月間何㎞やった」というだけで満足していたのが、レースにどう生きるか理解・意識しながらひとつひとつの練習に取り組むようになった。練習量は以前の3分の1に減っているが、パフォーマンスは向上している。

ランに対する考え方も変わり、ただ速く走るのではなく、アイアンマンで失速しない走りを目指すようになった。元々ランは速く、マラソンのベストタイムは2時間37分だったが、2019年3月にはアイアンマンで出せる強度でサブスリーを達成。

2019年アイアンマン・マレーシア。木家さんFacebookより

2019年のアイアンマン・マレーシアで久しぶりにKONAに挑戦。アクシデントもありKONAに届かなかったが、初めて痛みなくレースを終えることができた。今年はさらにパフォーマンスを上げ、KONA出場権を獲得したい。

強化すべき課題はバイク。ピークパワーは270Wくらいだが、180㎞余裕をもって5時間以内で走り、ランにつなげるようになる必要あり。昨シーズンは練習で180㎞ライドを数回行い、タイムは大体5時間30分。昨年のマレーシアではエンデュランス・ネーションのコーチと相談しながらシミュレーションし、タイムを5時間30分と設定したが、結果はそれより30分遅く6時間かかった。

【今シーズン大切にしたいこと】

この10年間、挫折やケガを繰り返して行き着いたのは、KONAへの情熱が一番大切だということ。今、最も大きな情熱の源泉は妻。

トライアスロンに専念しようと教員を辞めたときも、ケガで苦しんだときも、妻は変わらず支えてくれた。10年前、「KONAに連れて行く」と妻に約束し、果たせないままになっている約束を果たしたい。

一度あきらめた夢にもう一度挑戦するチャンスを与えてくれたKONAチャレの仲間、スポンサー、スタッフなど、すべての人が支えになっている。

©Kenta Onoguchi

【TKのアドバイス】

ケガをしないためには、兆候を見逃さないこと

TK■ 情熱は大切ですね。日々の生活の中で、練習しないでもっと寝たいとか、暴飲暴食したいといった誘惑があっても、KONAのためになるほうを選択するのはKONAへの情熱があるからです。パートナーやチームメイトの存在も大きいですね。果たすべき約束があるのは大きな原動力になる。

ただ、ケガが多いのは問題です。練習を積み重ねていくためにはケガをしないことが大切ですし、ケガをしないやり方というのがあります。ケガの前には必ず兆候があるはずですが、木家さんは情熱に突き動かされて兆候を見逃し、やり過ぎてしまったのでしょう。トライアスロンのプランニングやケアも大切ですが、いかに自分の現状を正確に把握し、情熱と調和させながら、練習をコントロールしていくかが重要です。

得意のランを単体の走力から
トライアスロンで生かせる走力へ

TK■ フルマラソンで2時間37分というのは圧倒的な走力です。しかし、トライアスロンは前の種目が後の種目に影響するので、必ずしもランの走力がそのままレースで生かせるとはかぎりません。ただ、ひとつの種目で高いところに上ったことがある人は、そこで得た強化ノウハウを展開すれば、他の種目も上げていけると思います。

木家■ アイアンマンでは3時間30分くらいかかることがあり、ランの力を生かすことができていないのが悩みでした。

TK■ 元々ランはスピードがあるから、失速しなければ大きな武器になる。自分が強化すべきなのはスピードなのかペースなのかは人によって違います。たとえば今の私はペース維持能力はOKですが、絶対的なスピードが不足しているので、そこを強化しようとしています。木家さんの場合はペースが課題ですが、昨年アイアンマンの強度/ペースでサブスリーを達成できたことで、ひとつ階段を上ったと思います。

バイクはパフォーマンス風や坂に大きく影響される
影響の少ない乗り方を実走で磨きたい

TK■ バイクのFTPは270Wで体重は58kgですから、パワー・ウエイト・レシオは4.65。かなり高いですよね。

ちなみに私は300W/65kgで4.615。これでアイアンマンを4時間45分で走ります。オフだったバッセルトン(アイアンマン西オーストラリア)での実走は、171W/67kgで2.552。これでタイムは5時間15分でした。木家さんもそれくらいでいけそうなんですが。

木家■ マレーシアでは平坦なコリアを想定して練習していたのが、坂があり、風もあり、本番の難しさを感じました。レース後のコーチの分析では前半心拍が上がり過ぎていたとのことです。パワーはそんなに出ていないのに心拍が不自然に上がっていた。自分で気づかない力みがあったのかもしれません。

TK■ 風や坂などリアルワールドはシミュレーションと違いますからね。対策は考えていますか?

木家■ 2019年はパワー重視で練習していましたが、今は心拍を見つつ、効率を意識しながら乗るようになりました。バイクライドに出かけるときも、力の抜き方や、アップダウンのどこで休むかなどを考えながら乗っています。

木家さんのフィードバック動画はこちら

続き>>>③「アイアンマンに出られなかったシーズン2年目、今年こそレース決め打ちで絶対にKONAを獲る」木下さん
<<<前記事を読む①「単体種目の高いレベルをトライアスロンのレースで生かすためには」横山さん

>>>KONAチャレ過去掲載記事を読む

◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP

オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。

◎MAKES

【サポート施設】
AQUALAB

流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから

SPORTS SCIENCE LAB

心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。

R-body Project

ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。

Endurelife

AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20分の95%)、フォーム、ペダリングについてのチェック&アドバイス。

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