COLUMN KONA Challenge

KONAチャレ最終シーズン「今年こそレース決め打ちで絶対にKONAを獲る」FB⑧-3

投稿日:2020年2月20日 更新日:


ルミナ編集部

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1月25日(日)に行われた8回目のKONAチャレ、新メンバーのフィードバックミーティングの続きから。

<<<前記事を読む。「挑戦と挫折、ケガを繰り返した10年。1年かけて身体を作り直し再挑戦へ」

新レギュラーメンバ003
木下貴光さん
人の命を守るのが最優先
レース決め打ちで絶対にKONAを獲る

木下さんは長野県松本在住の自衛隊員。山岳レンジャー、空挺レンジャーなどの仕事を通じてハードに心身を鍛えてきた。近年はデスクワークが主体になり、「何か新しいチャレンジがしたい」と考えていたとき、KONAの動画に遭遇。それまでの「3種目を1日で行うトライアスロンというスポーツは中途半端」という先入観が消え、「KONAに出たい!」という強い思いが生まれた。

【自己紹介】
この2年間、フレンドとして活動してきたが、2019年は災害救助のためレースに全く出ることができなかった。それにもかかわらずレギュラーに選んでいただいたことに感謝すると共に、「絶対に今年KONA出場権を取る」という覚悟を新たにした。

【主な成績】
2018アイアンマン・マレーシア 12:33:23
2017アイアンマン70.3ジャパン 5:46:00
2016野尻湖トライアスロン 2:56:00
2016 WTS横浜 2:33:00

【KONAへのロードマップ】

KONAでの目標トータルタイムは10:00、スイム1:10、バイク5:20、ラン3:30。KONA出場権を取るにはアイアンマン・マレーシアしかない。平坦なコースは欧米人にかなわない。欧米人が苦手な坂があり、暑いレースなら日本人にもチャンスがあると考えている。

2018年に一度出場したとき、欧米人はバイクの平坦なところで飛ばし、坂で失速し、暑さでメンタルをやられてあきらめてしまう選手が多かった。アジア系の選手もあきらめる傾向が見られた。きついところで頑張る日本人には有利。

マレーシアの目標は10:30切り10:00に近づけること。3種目の目安はKONAの目標と同じスイム1:10、バイク5:20、ラン3:30。

©Kenta Onoguchi

【主な課題と対策】
<スイム>
フォームに改善の余地多々あり。KONAチャレ仲間に水中動画を撮影してもらったところ、発見がいろいろあった。たとえば自分で思ったより外をかいているなど。
ピッチを上げるのも効果がある。2018年のマレーシアでは1時間20分だったが、10分くらい短縮可能。

<バイク>
ベースのパワーを上げる必要あり。体重を落とす必要もある。FTP268Wで体重68kgなのでPWRは3.9。FTPを275Wに上げ、体重を63kgに落とせばPWRは4.25。

練習は実走にこだわっている。ローラー台は精神的に耐えられない。松本~白馬往復150㎞などのコースをひとりでなるべく休まず走り、中身の濃い練習をしている。ときどき仲間とレース的な走り方も。冬でも周回コースで100〜120㎞。

<ラン>
マレーシアで出場権を取った人タイムを検証すると、ランは3時間30分が必須。2018年の私は4時間40分だった。今は進化して4時間くらいで走れると思うが、さらにここから30分短縮する必要あり。

ランもベースのパワーを上げる必要あり。アイアンマンに出て感じたのは、スキルの高い人ほど落ち幅が小さい。落ち幅を見越してベースのパワーを強化したい。

スキルはガーミンで上下動やピッチ、歩幅などの数値を把握し、その日のうちに分析しながらより効率的な走りを身につけていく。体重を落とすことはランにも効果があると考えている。

【故障の経験】
昨年は二度目のマレーシア出場を目指していたが、台風の災害派遣があり出場できなかった。次にいつ休める分からない状況が続いたので、ハーフアイアンマンを1週間に1回から4日に1回など、かなり質量とも高い練習をしたところ、中殿筋から長径靱帯にかけて痛みが出た。

トレーニングによる疲労が原因と考え、筋肉のケアをしたが改善せず、立っていられないくらいに悪化。12月のKONAチャレ合宿後改善し、パフォーマンスも戻りつつあるが、まだしびれあり。痛みの原因はヘルニアの手術をした上司に「ヘルニアなのでは?」と言われ、MRI検査をしたところまさにヘルニアだった。

手術なしで改善できるとのことで、無理をしない範囲でトレーニングしている。ヘルニアの原因は災害派遣で指揮所に詰め、長時間座りっぱなしだったことかと考えている。

©Kenta Onoguchi

【TKのアドバイス】

2年間の変化は改善の精度が上がったこと、大切にしたいのは覚悟

TK■ KONAチャレの2年間で木下さんはどのように変化しましたか?

木下■ 以前は心拍を重視していましたが、KONAチャレ後はガーミンやバイクのパワーメーターなどで、パフォーマンスや動きを把握する指標が増え、ペダリングやランニングフォームなどの効率化を図ることができるようになりました。
TK■ 今年大事にすることは何ですか?
木下■ KONA出場権を獲る覚悟です。レギュラーとして取り組むことができるのは今年しかありませんから、今年絶対に獲る。

TK■ 覚悟は大切ですね。情熱も大切ですが、自分で決めたことを自分でやる、やりきるには覚悟が必要です。大きくはまず1年の覚悟ですが、月の覚悟、週の覚悟、1日の覚悟、練習1回ごとの覚悟があってこそ、やりきることができる。

松本市在住ながら、フィードバックや合宿への出席率も良く、地元での合宿誘致に加え、SNSの発信でKONAチャレコミュニティーを盛り上げている木下さん。木下さんFacebookより

5kg減量は現実的に可能なのか?

TK■ パフォーマンスを上げながら5kg減量するのは大変だと思いますが、どのようにやりますか?
木下■ 低糖質ダイエットでエネルギー源を糖質から脂質へ変え、脂肪を落とすことで半分くらい減らし、あとはウエイトトレーニングを減らして、トライアスロンに関係ない筋肉を落とすことで減らします。

TK■ トレーニングを増やし、スピードを上げながら筋肉量を減らすというのは、相反することをやるわけで、どこかに限界がくる可能性もあります。そうなったときを見越したプランBも必要なのではないかと思います。

盛り込みすぎないよう優先順位をつけて取り組むべし

TK■ 落ち込みを減らし、スピードを上げるというのも、まず落ち込みを減らして平均速度を上げるペーシングができるようになり、これができたらスピードを強化するという手順を踏む必要があります。スイム・バイク・ランでこれを同時にやっていくと、重点課題が盛り込みすぎになってしまいます。アプローチに優先順位をつけて取り組んでください。

故障の原因の原因をさかのぼって突き詰める
すべては日々の姿勢や動作一つひとつから始まっている

TK■ 痛みの原因はヘルニア、ヘルニアの原因は任務で長時間座っていたことだとのことですが、このように故障は因果関係をさかのぼっていくことができます。痛みが出なくても、KONAを目指す上ではたとえばパフォーマンスが上がらないのもひとつの症状です。その原因を探っていくと、気づかなかった故障が発見されたりする。

さらにその原因を探っていくと姿勢が問題だったりする。直接関係ないことが、最終的に大事なレースに影響してくるわけです。

故障したらそれを治すだけでなく、原因を探り、より深い原因へとさかのぼっていくことが大切です。深い原因をそのままにしていると、ひとつの故障から回復しても別の故障が発生する可能性がある。常に原因をさかのぼる意識をもっていると故障を防ぐことができますし、日々の姿勢や動作一つひとつがいかに大切かを理解し、正しい姿勢・動きを大切にするようになります。

木下さんのフィードバック動画はこちら

>>>関連記事
①「単体種目の高いレベルをトライアスロンのレースで生かすためには」 横山さん
②「挑戦と挫折、ケガを繰り返した10年。1年かけて身体を作り直し再挑戦へ」木家さん

>>>KONAチャレ過去掲載記事を読む

◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP

オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。

◎MAKES

【サポート施設】
AQUALAB

流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから

SPORTS SCIENCE LAB

心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。

R-body Project

ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。

Endurelife

AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20分の95%)、フォーム、ペダリングについてのチェック&アドバイス。

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