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【KONAチャレメンバーRaceReview】風を味方につけるが勝ち! アイアンマン台湾

投稿日:2020年2月27日 更新日:


ルミナ編集部

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開催地のポンフー島は風の島! 風対策がレースを制す

2019年は9月に開催、今年は4月開催となるアイアンマン台湾。昨年のレースに出場したKONAチャレメンバーのうち、3人が見事KONAスロットをゲットしたことでも注目が集まるレース。日本からポンフー島まで約5時間、時差1時間、食事は美味しいし、日本人にフレンドリー。参加した日本人の評価がとても大会アイアンマン台湾について、KONAチャレメンバーにレビューしてもらった。ケンケンのレビューについで、母・フルタイムワーカー・アスリートの3足の草鞋でKONAをゲットした東度久美さんが詳細をレポートしてくれた。

レース他、観光やグルメ、輸送などについて、リアルな声なので、今年参加予定の人はもちろん、来年以降エントリーを検討している人にもためになること間違いなし!

アイアンマン台湾
台湾・膨湖(ポンフー)島
https://www.ironman.com/im-taiwan

写真右が東度さん

東度久美さん
タイム11:40:12(スイム1:13:59/バイク6:11:50/ラン4:06:45)
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【気候】

2019年は9月の開催でしたので、2020年4月の気候とはまた違うと思いますが、ポンフーに入ってまず感じたのは風の強さ(噂どおり)。大会本部のシェラトン前も(海に面していることもあると思いますが)歩いていて「うぉッ」となるほどの強風でした。

レース2日前に、スイム会場まで試走を兼ねてBikeに乗りましたが、内陸でも向かい風がかなり強いと感じました。海に近づくと、横からあおられるような風もあり、ヒヤッとするシーンも。

前日のBike預託もシェラトンから12kmほどの自走でしたが、多くの選手が自走しており、風に苦戦している様子が分かるくらいでした。ポンフーは「風の島」と耳にしました。熱さや湿度は日本の気候とそんなに違わない印象で、路面状況も普通だと思います。とにかく「風」があるレースだという前提で練習しておいて損はありません。

【スイム】

2019年スイムコース図
会場のShiliビーチは白い砂浜が美しいビーチ。遠浅で岩場もなく、砂浜が続き透明度がありますが、少し沖に出ると水深が急激に深くなるポイントがあるのか、突然視界が真っ暗になってびっくりします。事前に試泳をしていたので大丈夫でしたが、スイムが不安な方は恐怖感になることもあるかなと感じました。実際に同行した初ロングの方はパニックになりそうだったと言っていました。

湾内なので波やうねりはないですが、風の影響か、とにかくカレントが強いです。試泳では、目の前にあるブイにたどり着くことができず折り返すくらいで、見た目には分からない流れの強さを目の当たりにしました。当日は、長い2周回コースが、カレントに向かって泳ぐ距離を短くした3周回に変更になりましたが、それがなかったらかなり厳しかったと思います。また、水温が高い可能性が高かったのでスイムスキンで試泳しておいてよかったです。

5人ずつのローリングスタートでスムーズですが、沖に出ていく第1ブイまでは、ロープに近づきすぎると人との間に挟まって身動きとれなくなったり、腰をおされたり、平泳ぎの方と近くなったりという程度混雑はありますので落ち着いていくしかありません。

沖に出たらあとは東西に横長のコースとなります。ブイの間隔も遠すぎず、高波もありませんので見おとすことはないと思います。

周回は一度陸に上がりますが、最後のブイは海側と陸にブイがあるので、海側のブイを目指してしまうと、距離をロスします。コース端を折り返したら、必ず陸のほうを目指すように気を付けておくいいでしょう(私は一周目に海側のブイのほうに進んでしまい失敗)。

クラゲ除けも持参しましたが、このときは不要でした。水温26度でノンウェットになったので、スイムスキンや水着の準備は必須です

競技説明会でウェット禁止が発表されてから、水着がないと慌てている方がかなりたくさんいたので、どんな状況にも対応できるように、準備をしておきましょう(台湾人はスイムが苦手だから、ノンウェットになることはない、なんていう都市伝説? は信じないように(笑)。あくまでもアイアンマンの公式ルールで起こりうることは準備がマストです)。

ちなみに、アームガードやカーフガードも禁止なので、スイム後、どのタイミングでつけるか、身体を拭くのか、またスイムスキンの下にトライスーツを着るのか、などトランジションの着脱のシミュレーションもしておくことをおすすめします。

私は肩まわりの動きを優先して、トライスーツは上半身のみ脱いで、スイムスキンの中に腰のあたりでしまって泳ぎました。スイム後、身体が濡れたままトライスーツをたくしあげて袖を通せるか、事前にプールで練習して問題なかったのでそのようにしましたが、そこは個人個人でトランジションタイムの使い方によって決めて練習しておいたら良いかなと思います。

レース当日の朝は雨。小雨だったしホテルを出るときは寒くなかったのでウィンドブレーカーを置いて出発しましたが、セッティング中に雨足が強まり、トライスーツが濡れて身体が冷えてきてしまいました。ホットジェルを持ってきていて良かったです。朝の冷え対策もぜひ。荷物は多くなりますが、備えはレースパフォーマンスを発揮するためにも万全に。

【バイク】

2019年バイクコース図
ポンフー島には島々をつなぐ橋が3つ。その中でも一番長い2.5kmの大橋を含む30kmを3周回する中盤がポイントかつ特徴になります。島全体で風の影響がずっとあるのですが、特にこの大橋については、復路は罰ゲームかと思うくらい進みません。

突如くる横風も危険で、かつ、橋が工事中だったこともあり、橋の脇は穴ぼこがいっぱい、コーンが並んで道幅狭くなっているところに、普通車や通行車両(原付)もバンバン通ります。集中力を切らさず、メンタルを切らさず、進むしかありませんので、事前に覚悟を(笑)。

周回の折り返し地点は上りになっており、ここが一番斜度がありますが、逆にそこ以外はたいしたアップダウンはありません。宮古島のほうが上り下りのダメージがある感じです。ただ、この折り返した後の下りは、強烈な向かい風になっており、下から巻き上げるような風にあおられ、しっかりと車体を安定させていないとかなり危険です。

下りなのに17kmくらいしかスピードが出ない状況です。周回ゾーンは折り返した選手とすれ違るので、仲間と声をかけあえてパワーアップできます(嬉)。市街地に出てからも、二人乗りの原付が多く、また路線バスに巻き込まれないように注意が必要です。

景色は、日本国内にいるような既視感があり、絶景ポイントみたいなのもあまりないかな、という印象です。きらびやかな寺院がスイム会場に行く途中にあるのですが、写真を撮っておけば良かったと後から後悔しました(笑)。とにかくBikeは「風」対策。これにつきます。

【ラン】

<2019年ランコース図>
シェラトン近隣をとにかく何往復も何往復も、とにかく何往復もするコースです。常に選手とすれ違えるのは良いけれど、同じところをひたすら折り返すコーン地獄はメンタルにきました。アップダウンはなし。路面も普通です。

コースの一番奥のエリアで、何往復もするゾーンがあるのですが、そこは海風があり向かい風で、皆ペースダウンする感じでした。ラップ地点でリストバンドをもらうのですが、私の前を走っていた選手がもらい損ねたのか? トラブルがあったようでコースを戻ったりしていましたので、確実に受け取るように自分でもらいに行くくらいの気持ちでチェックポイントは通過するといいと思います。

また、コーンでレーンを仕切られている同じ道を何往復もするため、走っている限りコースミスはないのですが、一度トイレなどでコースアウトすると、戻ってきたときに自分がどこのコースに入ったらいいのか分からなくなった、という方もいました。周回ミスにもつながるので、本当に要注意です。

スロットを狙っている場合は、すれ違いが多い分、心理戦もかなりあると思います。ローリングスタートなので、見た目の順位と実際の順位が違います。サポーターによる位置把握情報はかなり有効です。この情報があるのとないのとでは大きな違いと感じました。私はバイクの時点でその情報をもらえており、大きなモチベーションになりました。

【大会会場の立地・アクセス】

<飛行機>
エクスペディアで手配※5カ月前くらいに予約
①羽田→台北(国際線:エバー航空)3時間半
②台北→馬公(国内線:ユニ航空)1時間

<空港・宿までの移動>
羽田空港往復は、仲間の車にケース(ポータープロ203㎝)ごと載せてもらいました。もし、車でなかったらJAL ABCの宅急便サービスを使ったと思います。空港での受け取り発送がラクです。

ポンフーについてから馬公(マーコン空港)から大会中心部までは車で15~20分くらいです。タクシーでも行けると思いますが、私は宿に送迎があるホテルを選びましたので、バイクはホテルの方がトラックで運んでくれました。

<スケジュール>
■木曜日:移動⇒日本人パーティー合流⇒bike組立
■金曜日:朝jogランコース確認⇒bike試走⇒swim試泳⇒bikeメカニック点検⇒選手受付⇒パーティー
■土曜日:朝run⇒bike預託(自走で12km)⇒bikeコースをタクシーで下見⇒競技説明会
■日曜日:レース
■月曜日:スロット授与式、アワードパーティー
■火曜日:帰国

<費用>
飛行機:往復7万くらい
宿5泊:50,800円

<現金>
台北の空港のATMでキャッシングしました。
3.000元=10,000円くらい

※重要※
物価も安く、ポンフー市内の市場などは安価でおいしいものが食べられます。が、地元のスーパーは使えるクレジットカードがローカルなもののみなので注意!(マスターカードもJCBカードも使えず、スーパーのレジで困っていたら現地の方がおごってくれました……汗)現地のローカルストアでお土産など買うのであれば、現金多めに。台北空港でもお土産は十分買えます。

【バイク輸送】

<bikeの飛行機積載について>
①国際線について
203cm、30kg未満←追加料金なし。バイクケース:バイクポータープロ使用。国際線であっても予約時に大型荷物(bike)があることを言っておいたほうがいいでしょう。空港カウンターで申請が必要と言われ、その場で帰りの便のbike積載申請をしました。
※バイクの扱い⇒手荷物とは別の搬入口から職員の方が運んでくれていました。乱雑さはなし。

②台湾国内線について
小型プロペラ機のため、bike積載数は10台程度。早期予約で直接申請し、空いていれば乗せることができます。ほとんどの場合は、アイアンマン事務局が準備している船便(別料金)で運びますが、船の場合はbike受け取りが土曜日になります。私は金曜日にbikeに乗りたかったのと、組立と点検に余裕が欲しかったので、早めに飛行機積載を予約しました。国内線飛行機は事前予約がないと絶対に乗せられないのでご注意を!

※結果、バイクを船ではなく、飛行機で一緒に運んだことで現地入り2日目にバイク試走ができたことは非常に大きかったです。風などコース確認も有意義でしたが、バイクに不調が見つかったため、現地でメイストームの大西さんにメンテしてもらえたことが本当に良かった。メカトラほどつらいものはありませんので。
※CO2カートリッジは現地で購入しましたが、帰りは化粧ポーチに入れていたらそのままスルーでした。
※Di2バッテリーは外して手荷物が必須です。シートポストに入っている場合は、コードがシートポストの中に落ちると終わりです。バッテリー外した後、コードが中に落ちないように、テープで留めておくななどの処置を。
※バイクの扱いについて⇒馬公航空では、ターンテーブルに載せられてバイクが出てきました。箱だったので無傷でしたが。

【アコモデーション(宿泊設備・サービス)】

<宿>
agodaで予約:ヤリンホテル ※5カ月くらいまえに予約。その後1カ月くらいで満室なってました。

★決めた理由
*大会本部のシェラトンに隣接
*空港まで送迎付き(bikeも運んでくれる)
*レース当日のシャトルバス乗り場が近い
*フィニッシュ後すぐ帰れる(徒歩2分)
*ランドリー、プール、ジムがある(プールは最終日ギリギリまでクールダウンをしていました)
*大きなホテルの中でもシェラトン、ディスカバリーホテルよりリーズナブル(5泊5万くらい)
*HPにIronman台湾応援するよと書いてあった

もっと安くて、繁華街に近い宿もたくさんあります! が初めての地だったので、本部に近いことを最優先に選びました。実際、とても便利でした

大会本部エリアに近いというのは何かと便利で、行動に余裕が生まれます。特に、バイクを船で運ぶ人は、そのバイクの引取り地点から近い宿というのは、ポイントが高いのではないでしょうか。強風の中、自走で運ぶ必要もないし、組立もホテルの中でできるし、もし雨が降った場合でも、濡れながら梱包しなくて済むし、楽しい市場にも徒歩でいけますので、おすすめです。ヤリンホテルの裏にある、ハッピーホテルというのも、リーズナブルで小奇麗なホテルでしたよ!

【観光・グルメ】

やっぱり旅の楽しみは食べ物ですよね! ホテルは朝ごはんつきでしたが、初日だけ食べて、あとは仲間と連日楽しく市場通いでした。台湾グルメ、安いしうま〜い! 麺やご飯が豊富でレース前のカーボもバッチリでした!

レース前日は小さな食堂に入りましたが、6人くらいで行って大皿を取り分けながら、主食をひとり2皿は食べプラスおかずも盛りだくさん。ひとり600円くらいで、大満足の美味しさとボリューム。馴染みのある食材でしっかり栄養補給できました。

地元の人で賑わう朝市は、台湾語1ミリもわかりませんし、漢字もピンと来ないし、英語もビックリするくらい通じないけど、まぁなんとかなります(笑)。

ちなみに、レース当日はヤリンホテルは朝ごはんを配布してくれましたが、中身はパン系のみ。近くにセブンイレブンがあり、おにぎりやカップ麺などもありますが、レース前日は買い出しに出遅れ、棚の商品がほぼなし。水もなし。

日本から持参した、レトルトのごはんと味噌汁が役に立ちました。水はホテルで無料配布。朝ごはんは結構重要だと思いますので、計画的に早めに現地調達するか、持参するか、ご自身にあったものが摂れるよう準備をおすすめします。

ちなみに、日本のホテルと違い、電子レンジはないところが多いです。ポットがあるなら、お湯でふやかして作るアルファ米にするか、フロントやレストランにもっていけば電子レンジでチンしてくれるかは、事前に確認したほうがよいです。私はメールで確認し、フロントの人にチンしてもらいました。

おすすめグルメ

■小林包子饅頭店:肉まんの皮だけのもの。ハマった。1個80円くらい。黒糖とかナッツとかチョコ、紫芋、イチゴなどいろんな味があって、何度も通ってしまいました(笑)。


■海沙屋:スムージー(インスタ映えもばっちりです)。


■あとは店の名前はわかりませんが、市場にいくと、スープや麺が食べられる食堂や、路面店で小龍包やお餅、ちまきなど食べ歩きできる店がいろいろあります! ただし朝6時くらいから8時くらいがピークであとは閉まってしまうので早めにGO。ここでいろいろ買ってホテルの部屋でゆっくり食べている選手もいましたよ。

【KONAを本気で目指す人へ、アイアンマン台湾をオススメする理由は?】

アイアンマン台湾に限ったことではないと思いますが……。「何があってもあきらめずにフィニッシュすること」私は奇跡の2スロットという幸運で、KONAスロットを手にしました。

最後のランでは、総合順位は上げたものの、自分のエイジ順位を知っていましたので、KONAには手が届かないと分かりながら、最後は自分のために走り続けていました。「他エイジのスロットがまわってくる」なんて1ミリも頭になかったけど、とにかく悔いのないレースをと、最後までベストを尽くして走り切ったことが、チャンスにつながりました。

はたから見たらただのラッキーかもしれないけど、「何がある分からない」のもアイアンマン。「ロールダウン」も実力のうち。スロット合戦は他アスリートとの闘いのようで、結局は「最後まで決してあきらめることなく自分と闘い続けること」に変わりないと、感じました。

>>>KONAスロットをゲットしたメンバーによる【Race Review】魅惑のアイアンマン台湾
岡田健士朗さん編
孫崎虹奈さん編

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◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP

オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。

◎MAKES

【サポート施設】
AQUALAB

流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから

SPORTS SCIENCE LAB

心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。

R-body Project

ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。

Endurelife

AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20分の95%)、フォーム、ペダリングについてのチェック&アドバイス。

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