BODY CONDITIONING COLUMN

松田丈志、99T参戦で実感した「初ロング挑戦」への手ごたえと課題

投稿日:


ルミナ編集部

text by:

「勝ち飯®」アンバサダー 松田丈志の自分超えプロジェクト2020
九十九里トライアスロンで「初ロング挑戦」へのモチベーションをつなぐ!

写真=小野口健太

2021年、佐渡国際トライアスロンAタイプ(スイム4㎞・バイク190㎞・ラン42.2㎞での「初ロング」挑戦に向けて再始動した、ウイズコロナ時代の「自分超えプロジェクト」。

元競泳日本代表で「勝ち飯®」アンバサダー松田丈志さんが10月11日に開催された九十九里トライアスロン(以下99T)に参戦!

コロナ禍でトレーニング時間の確保もままならない中、来シーズンに持ち越された「初ロング挑戦」への新たなモチベーションを得ることはできたのか!?

>>99T参戦に至った経緯はコチラでチェック
「松田丈志、初ロング挑戦に向け「99T」で再始動!」

ふたりずつ時差スタートの「第1ラン」スタートラインで、松田さん(写真左)とロンドン五輪トライアスロン競技の日本代表・細田雄一選手(同右)と

松田丈志さん
アテネ、北京、ロンドン、リオで4つのメダルを獲得した元競泳日本代表。2016年に引退後は、イベント等での水泳指導のほか、TVなどのメディアでコメンテーターや解説者としても活躍している。トライアスロンは、2018年6月、宮崎シーガイア大会で51.5kmデビュー。佐渡国際トライアスロンBタイプ(ミドル)には2年連続で出場し、昨年は自身の記録を30分以上更新して、6時間14分05秒で完走。上位100位以内という目標も達成した(総合74位)。セガサミーホールディングス所属。1984年、宮崎県延岡市生まれ。

まさかの「スイム中止」も、切り替えて貴重なレースに集中!

プロフィールにもあるとおり、2018年6月、出身地・宮崎のシーガイアトライアスロンでトライアスロンデビューを果たした松田さん。

そのデビュー戦以来のオリンピック・ディスタンス(スイム1.5㎞・バイク40㎞・ラン10㎞=以下OD)となる予定だった今回の99Tだったが、

台風14号の影響で、なんと得意の「スイム」が中止となり、レースはラン1.5km/バイク40㎞/ラン10㎞の「デュアスロン」形式に。

コロナ対策が徹底された今大会、事前・当日の体温・体調チェックはもちろん、松田さんを含む第1ウエーブの選手には、非接触で選手のデータ管理・体調確認が行えるRFIDタグ入りタトゥーシールが試験的に取り入れられた

今回の99T参戦に協力いただいた白戸太朗さん(大会実行委員長、プロトライアスリート)から「まるで、『翼を奪われた鳥』状態になっちゃったね~」といじられつつも、そこは決まったルールに対応して戦うことには慣れているベテランアスリート、

貴重な実戦経験を積む中で、専門種目ではないバイク&ランの課題を洗い出し、来季の「初ロング挑戦」へとつながるレースにする! という一点にフォーカスし直して、いざ今季初のスタートラインへ。

危険な「第1ランの罠」を冷静にクリア

スイムの代わりにランが設定されるデュアスロン形式のレースの場合、「第1ラン」の距離が通常のトライアスロンのランよりも短めに設定されるため、オーバーペースで入ってしまいがち。

自然を相手に戦うトライアスロン大会では、よくあるレース形式だが、百戦錬磨の強豪トライアスリートでも「短い第1ラン」の罠にはまってレースペースを崩し、故障に至ってしまう例も少なくない。

この「自分超えプロジェクト」ではおなじみの河原勇人コーチ(佐渡A・B・日本選手権優勝経験をもつ元トッププロ)から、レース前に、

「今回はデュアスロン形式でもあるので、ネガティブスプリット(※)を意識して、前半は余裕をもって、後半にかけてプッシュしていきましょう!」とアドバイスを受けたこともあり、松田さんは、終始ペースを上げ過ぎないことを意識しつつ「第1ラン」をクリア。

(※前半よりも後半にペースを上げていくペース配分)

「スイムがある前提で、自分は第1ウエーブ(申告タイムが最も速いグループ)でのスタートとなったので、第1ランはまわりの皆さんが結構速いスピードで入っていたのですが、ここは抑えどころだと聞いてましたので、あわてず抑えていきました。

大分ゆっくり入ったつもりでしたが、それでも後でガーミンのデータを見たらキロ5分ペースだったので、自分としてはそんなにゆっくりでもなかったくらい」

このあたりのペース配分の確実さは、さすが松田さん。昨年、一昨年の佐渡Bタイプで、不慣れなミドルディスタンス・トライアスロン(しかもスイムがダントツ1位なので、バイク前半はひとり旅)ながら、オーバーペースに陥ることなくレースを運んだ、ペースメイクの上手さを今回も見せてくれた。

佐渡Aでの初ロング挑戦に向け、今年から新たな武器としてTTバイク、サーヴェロP-seriesに乗り始めた松田さん。今回がようやく実戦初投入となった

初のトライアスロンバイク実戦投入で、つかんだ手ごたえ

そして、レースは勝負のバイク&(第2)ランへ。

昨年の佐渡BまではロードモデルにDHバーを付けたバイクでレースに臨んでいた松田さんだが、佐渡Aでの初ロング挑戦にあたっては、新たな武器としてTT(タイムトライアル)バイク、サーヴェロP-series(Pシリーズ)を用意していた。

今回、そのニューバイクを初めて実戦投入することなったわけだが、海沿いに真っすぐ続く「九十九里有料道路」を走るバイクコースは、空気抵抗の少ないTTバイクのメリットを実感するにはうってつけのコース。

「バイクコースの往きは強烈な向かい風でしたね。たまに風でフラッと身体が振られるくらい。横風に振られて、転ぶ人もいるんじゃないかなぁ・・・と思いながら走ってました。その風の中を走っていて、これロードバイクだったら全然違うんだろうなと。

これだけ走りに集中して新しいバイクに乗ったのは今回が初めてですが、TTバイクはいいですね。脚だけでなく、上半身も使って頑張れる感じがしました。変に脚で踏まなくていいというか。それがランでも余裕を生むんじゃないかと実感することができましたね」

来季の自分超えチャレンジの舞台、佐渡Aタイプでは、これまで経験してきたBタイプの倍、今回の99Tの5倍近い190㎞もの長丁場に挑むことになるTTバイクならではのエアロ効果や、

より全身を使ってこげるポジションと、それを活かすペダリングや身体の使い方についても、手ごたえをつかめた様子。

これが今回、トレーニングレースとしての99Tで得られた一番の収穫となったようだ。

松田さんの手元のガーミンForeAthlete945によるバイクパートの計測データ。ランに比べるとバイクでは心拍数も上がり過ぎず、比較的効率は良くなってきている

あらためて「課題」を実感できた「第2ラン」

第1ラン、バイクで、通常のスイムから始まるトライアスロンフォーマットよりも脚を使いきった状態で挑む「第2ラン」では、これまでのトレーニングの成果とともに、引き続きの課題を実感することに。

手元のガーミン計測で気温23~26℃ながら、風もあり、比較的走りやすい気候の中で実感できた「成果」のほうは、走り方の改善。

「昨年の日和佐(ひわさうみがめトライアスロン)も悪天候でレース距離が短くなっちゃったので、この距離(バイク40㎞後のラン10㎞)は久しぶりでしたが、最初に宮崎シーガイア大会でODを走ったときは、バイク後のラン10㎞で相当脚がつりましたけど、今回はなかったので、トレーニングの成果はちょっとずつ出ている感じはしています」

バイクでは選手たちを苦しめた風も、ランでは気温以上に快適に走れる要素に。初ODの宮崎シーガイアではこの10㎞で脚がつったという松田さんだが、今回はつることもなく走り切ることができた

一方で、レース後、ガーミンのデータを見つつレースを振り返ってみて、あらためて実感することになった課題は「練習量の確保」と「ランニングエコノミー」(走りの効率化)。

「ロングに向けての課題は、とにかく練習量(不足)ですね。今後、必要な量をどう確保するか?

今回のレースでも心肺よりも先に脚にきちゃって、そこでペースを抑えたんですけど、それでも心拍計を見たら最大194(拍/分)、平均でも173くらいまで上がっている。まだまだ全然、練習量が足りていないんだなと。

心肺機能は現役のときに鍛えているから、170拍超でもある程度は走り続けられるけれど、本当は平均150拍あたりで今回くらいのペースを刻んでいかなければいけないんでしょうね。少なくとも、ロングはこれじゃダメですよね。

今の心拍数でも走り切れるかもしれないけれど、フルマラソンの距離・時間で、何かトラブルがあったら対応できないかもしれないし、佐渡は『暑さ』という外的要素もある。猛暑に遭ったらアウトですよね」

ランニングの高効率化が課題と自覚する松田さん。ランパートの心拍数は平均でも170拍/分を超えた。ロングとはペースが違うが、バイクとの差をなくしていきたい

そして「自分超えプロジェクト」は2021年へと続く

河原コーチもかねて指摘しているように、メダリストならではの圧倒的なポテンシャルの高さの一方で、

特にランでの走りの効率化と練習量の確保が、松田さんのロング初完走をさらに確実なものとし、タイムを向上させられるかの鍵となる。

バイクも含め、「走り方」の改善について、取り組むべきことは見えてきたという松田さんの場合、あとはジャーナリストやコメンテーターとして忙しい日々を過ごす中で、いかにバイク&ラン・トレーニングの機会を確保できるかが一番の課題――この事実をあらためて実感させられる結果でもあった。

「練習量が積めれば、自然と体重も落ちるでしょうしね。(トライアスロンでは)毎度痛感させられることですが、やっぱりもっと体重を落とさなければいけないなと(苦笑)。今回は、テレビの水泳対決企画が2~3週前にあって、そのときは84~85㎏まで絞っていたんですが、その後、すこし(節制を)緩めて、今日(大会当日)時点でおそらく86㎏くらいある(笑)」

ロング初挑戦にあたっては、トレーニングを積んだ結果として、体重78㎏・体脂肪15%まで絞れることを目標のひとつとしていた松田さん。

コロナ禍の中での貴重な機会となったレース参戦は、あらためての「初ロング挑戦」「自分超えプロジェクト」に向けた「成果と課題」を棚卸しする、最高の実戦チェックとなった。

「勝ち飯®」アンバサダー 松田丈志の自分超えプロジェクトは、コロナ禍の2020年を乗り越えて、2021年へと続く――。

コロナ禍の自粛期間を経て、やっぱりシンプルに身体を動かすことが好きな自分を再認識したという松田「選手」。十分な準備ができなくても、得意のスイムがなくても、レース中はいきいきとしていた

佐渡大会でのグランドスラム(A/B/日本選手権優勝)のほか宮古島大会でも2勝を上げるなどミドル~ロングを主戦場に活躍した元トッププロ河原コーチ。松田さんの自分超えチャレンジのアドバイザーを務める

河原勇人コーチより
レース後アドバイス

河原 今回は(初めて実戦で乗るという)サーヴェロのTTバイクも強風下でしっかりと乗りこなされてましたね👍

今後の課題は、バイクとランの運動時心拍数の差をなくすこと。

どちらも上がっても150bpm(拍/分)ほどを上限として、その心拍数で走れるペースを底上げしていく、運動効率を上げるアプローチが大切だと思います。

ランはこの心拍数で押して行けるのは驚嘆ですが、ロングのランはほぼ「ゾーン3」に抑えなければ、胃腸が補給を受け付けないと思います。

松田さんのランパートでのデータ。ガーミンの心拍数ゾーンでは一番強度の高い「ゾーン5」で走り切っている

こちらは河原コーチの佐渡Aのときの心拍数ゾーン。ODとロングのランではペースも異なるため単純比較はできないが、65%が「ゾーン3」に収まっており、これがロングのラン42.2㎞を走り切る際の理想に近いペース配分

コロナ禍での「自分超え」を支えた
食と栄養のハナシは
AJINOMOTO✕SPORTSサイトで

AJINOMOTO×SPORTSサイトでは、今回の99Tに向けた【大会にベストコンディションで臨むための「勝ち飯®」】など、松田さんの「自分超え」を支える食と栄養のハナシを紹介・解説している。レース前の食事の組み立て方など、トライアスリートなら誰もが参考にできる内容満載なので、こちらも要チェック!

>>「勝ち飯®」アンバサダー松田丈志の自分超えプロジェクト2020@九十九里 ~総集編~

>>大会に向けた「勝ち飯®」プラン

>>大会に向けた「勝ち飯®」コンディショニング編

>>大会に向けた「勝ち飯®」カラダづくり編

トレーニングと食事管理の成果は
「体型」でもチェック!

文中にあるとおり「初ロング挑戦」に向けて、体重86㎏→78㎏(体脂肪率15%)という目標を掲げている松田さん。高精度な身体サイズがスマホと写真2枚で手軽に採寸できるAI身体採寸テクノロジーを提供している「Bodygram」(ボディグラム)社で、アプリと実際に定期的に体型の計測を行っている(写真は今年3月時点のもの)。2021年、あらためて挑む「初ロング」佐渡国際トライアスロンAタイプに向け、どうトライアスリート体型に近づいていくか? 今後の経過にも注目!

■Bodygram公式サイト 
https://bodygram.com/jp/

>>松田さんがBodygramアプリを実際に使用したHow to 動画

-BODY CONDITIONING, COLUMN

2 interest


コメント

メールアドレスが公開されることはありません。


スパム対策のため、 日本語が含まれない欧文のみのコメントは投稿できません。


関連記事

【記事】サイドバー上

記事用jQuery

cloud flash記事バナー

アイアンマンの世界に挑むアスリートたちを支えたVAAM