4×オリンピアン田山寛豪さんに聞いた
トライアスリート向け観戦ガイド
>>ミックスリレー
男女ともにオリンピックらしい緊迫感の中で展開されたトライアスロン競技。男子ではクリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー)、女子ではフローラ・ダフィ(バミューダ)が鬼気迫る走りで、それぞれの国に今大会初めての金メダル(※バミューダは国として史上初の金)をもたらした。
これまでのオリンピックであれば、トライアスロン競技はここまでで終了だったが、今回大会は、もうひとつお楽しみが残されている。
今大会で初採用された新種目「ミックス(男女混合)リレー」だ。
7月31日(土)午前7時30分から、地上波(NHK総合)でライブ中継が放送されるので、ぜひチェックしてほしい。
日本にも上位入賞、メダル獲得の可能が残されている注目の大一番。今回もTV観戦で楽しみたいトライアスリートのために、
4度のオリンピック出場経験をもつ田山寛豪さん(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学 准教授)に訊いた見どころガイドをお届けしよう。
取材=須賀啓太(※Triathlon Lumina7月号掲載記事の一部を改変・転載)
最も観戦が楽しみな新種目
日本悲願のメダル獲得はあるか!?
東京オリンピックで新たにトライアスロンの追加種目として加わったミックスリレー。1国1チーム男女ふたりずつの4人で構成され、各選手がスイム300m、バイク6.8km、ラン2㎞の短いトライアスロンを行いリレーしていく。
選手一人ひとりが行う距離が非常に短いのでスピードがとても速く、息もつかせずレースが展開される。
注目ポイントは、各国どの走者のときに勝負をしかけてくるのか。4人とも3種目すべてにおいてトップレベルの選手を揃えられる国などない。
4人の戦力的バランスや各選手スイム、バイク、ランどれを得意としているか、またその出走順のオーダーによっても変わってくる。
出走順がライバル国に対してうまくハマればひとりの走者の中で一気に順位が変動するので、組み合わせと展開次第では日本チームがメダルを獲得することだって十分あり得る。
これまでフランスやイギリス、オーストラリアが国際大会で結果を残してきており強豪と見られているが、それらの大会ではリレーと男女個人のレースは別々に扱われ、リレーに特化した選手をエントリーしてくる国もあれば個人のレースに集中させるためか、強豪選手がリレーに出場してこない国もあった。
特に田山氏が気になっているのがスペインチーム。
これまで男女ともに個人のレースで表彰台を十分狙える実力がある選手を擁しながらも、あまり名前が知られていない若手をリレーに出場させており、リレーに対してそこまで力を入れてきているように見えなかった。
しかし今回のオリンピックではリレーにエントリーできる選手は個人のレースにも出場した選手でなければならず、強豪選手で固められたスペインチームが、今までと全く違ったパフォーマンスを見せてくるかもしれないと注目している。
日本代表監督・中山俊行さんに訊いた
ミックスリレーの見どころ
(※2019年開催のプレ五輪・観戦ガイドより/取材=須賀啓太)
勝負は第4走者のラストまで分からないのがミックスリレーの厳しさであり面白さだ。
種目として新しいためどこの国もまだ研究している段階で戦略が確立されてはいないが、中山俊行氏いわく唯一言えるのは「第1走はトップ集団で戻ってくることが必須」だという。
フランス、オーストラリアがメダル候補と言われているが、それらの国でさえひとつのミスで下位に沈む可能性もあり、逆に日本にもチャンスはある。
トライアスロン競技はNHKでライブ中継!
放送計画は変更・休止の場合もあるので、NHK東京オリンピック特設サイトで要チェック。
https://sports.nhk.or.jp/tokyo2020/nhkinfo/210628.html
>>放送時間(予定)
▼7月31日(土)
ミックスリレー競技
【NHK総合:生中継】
7:25~8:00/8:15~(9:10)
(サブチャンネルに移動 8:00~8:15)
★解説:田山寛豪
チームJAPANを応援しよう!
早い段階からミックスリレーでの上位入賞・メダル獲得を目標として掲げてきたチームJAPAN。プレ五輪では、1走・高橋侑子、2走・ニナー賢治、3走・井出樹里、アンカー・古谷純平の布陣(写真下)で挑み11位だったが、土曜日のオリンピック・ミックスリレーでは、個人レースに出場した高橋、岸本新菜、ニナー、小田倉真の4選手が出場予定。
個人のレースで落車によるリタイアとなった岸本のケガの影響も心配されるが、どんな布陣で臨み、初代世界一チームを決める戦いで見せ場をつくれるか、今から楽しみだ。
*参考記事・関連サイト
>>チームJAPAN4選手の代表入り記者会見コメント
「日本代表4選手、初めてのオリンピックへの意気込み語る」
>>日本トライアスロン連合公式
「チームJAPAN」応援サイト