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【IM世界選@ニース】史上最年少・初のフランス人王者が誕生

投稿日:2023年9月11日 更新日:


ルミナ編集部

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アイアンマン世界選手権 ニース

初の自国(フランス)開催となった世界選を制して、史上最年少王者に輝いたレイドロウ

2023アイアンマン世界選手権
プロカテゴリー男子 レース速報

取材/東海林美佳
写真/小野口健太

24歳レイドロウが初のフランス人王者に輝く。

史上初、アメリカ国外で開催されたアイアンマン世界選手権ニース。欧州屈指の美しさを誇るリゾート地を起点にしたダイナミックで美しいコースを制したのは、昨年のコナを2位でフィニッシュした24歳のサム・レイドロウ(フランス)だった。

スイム、バイク、ランと3種目で群を抜くパフォーマンスを見せ、バイク中盤で先頭に立つとその後一度も首位を譲らないままフィニッシュ。

アイアンマンでフランス人がチャンピオンに輝くのは史上初。さらに史上最年少の世界王者という称号も同時に手にすることとなった。

アイアンマン世界選手権 ニース

©Sylvain Thomas, AFP for IRONMAN

スイムはビーチから沖へと泳ぎ、M字型に2往復するユニークなレイアウト。バイクは海から一気に山岳地帯へと上り、またシーレベルに降りてくる獲得標高2400mのハードな1周回。そしてランは海沿いのプロムナード・デ・ザングレを4往復というコース設定。

無風、水温24.8℃というコンディションでスタートしたノンウエットスイム。前半から先頭に立ったレイドロウがアグレッシブに飛ばし、10人前後の小さな集団を形成する。

ヤン・フロデノ(ドイツ)、レイドロウ、ブレーデン・カリー(NZ)、ルディ・フォンバーグ(アメリカ)らがペースをプッシュし、後続との差を広げてT1へ。

欧州ロングディスタンスの聖地でもあるニース。沿道観衆の声援も熱く、アイアンマン世界イチ決定戦を大いに盛り上げる(写真はトップを行くレイドロウ)

バイクでは絶景が広がる山岳地帯を駆け上る。序盤に長く急な上りが続き、中盤はフラットな区間と起伏のある区間が混在、そして終盤は山を一気に下るというダイナミックなコースでは、さまざまなライディングスキルとタフさ、そして適切なペース配分が求められる。

山岳地帯を舞台としたバイクコース。予選を勝ち抜いた強豪エイジグルーパーでもロードバイクを選択する選手が少なくないタフな設定 ©Sylvain Thomas, AFP for IRONMAN

序盤の上りでは、今年6月に同コースで開催されたIMフランスで優勝したクレモン・ミニョン(フランス)とレイドロウがふたりで引っ張り合いながら後続をどんどん引き離していく。

IMフランス優勝経験をもつミニョン。同国のレイドロウとともに山岳コースで後続に差をつけていく ©Bartlomiej Zborowski/Activ’Images

一方、スイムで好調に見えたフロデノのペースがバイクではまったく上がらない。先頭に引き離され、後続にも次々と抜かれて、スイムで作った貯金はあっという間に底をついてしまった。途中、路面のバンプで2本のうち1本の補給用ボトルを落とすという不運も重なる。

レイドロウとミニョンの「同盟関係」が終わりを告げたのは山を登り切ってフラットな区間に入ってから。コナでバイクレコードを樹立したレイドロウが先頭に立つと、ミニョンをどんどん引き離していく。

後方から追い上げるバイク強者ワーフ

後ろからは屈指のバイカー、マグナス・ディトレフ(デンマーク)、キャメロン・ワーフ(オーストラリア)に加えてニース在住でこのコースを熟知するフォンバーグが追い上げる。

終盤に入るとレイドロウはテクニカルなダウンヒルでも高いスキルを見せ、スムーズに下っていく。フォンバーグがそれを追うもよせつけない。下りがあまり得意ではないディトレフはフォンバーグに差を広げられながらもくらいつく。

レイドロウは後続に5分以上の差をつけてバイクを終え、プロムナード・デ・ザングレへ。

ここはニースを象徴する海沿いの遊歩道。太陽を反射しキラキラと輝く紺碧の地中海を臨みながらコース往復約10kmを4往復する。コナにも劣らない灼熱の太陽が照りつける中、単調な直線フラットコースをひたすら往復する精神的にもタフなコースである。唯一の救いはコナのアリイドライブ並みかそれ以上の声援がずっと続くことだろう。

レイドロウを追うのはフォンバーグとディトレフ。ディトレフは徐々にフォンバーグを引き離しながらレイドロウを追うも、その差はなかなか縮まらない。

逃げるレイドロウを追うディトレフ

後方ではアイアンマン界稀代のランナー、パトリック・ランゲ(ドイツ)が軽やかな足取りで順位を上げ、中間地点で4位に浮上する。30km付近でフォンバーグを、そして34kmでディトレフを抜き去り2位につける。さらに差をつめるべく激走するも、レイドロウの足取りはゆるまず、スタートからフィニッシュまで独走のままフィニッシュ。フランス人初のアイアンマン世界王者に、このフランスの地で輝いた。

2位のランゲのランのタイム2時間32分41秒は世界選手権最速となる。3位には粘りの走りで後続から逃げ切ったディトレフが輝いた。

IM史上最年少にして、フランス人としても初の世界王者となったレイドロウ(写真中央)と、ランゲ(同左)、ディトレフ(同右)

優勝 サム・レイドロウ
フランス人として、ここフランスで行われた世界選手権で優勝できたのは最高です。おかげでフィニッシュエリアではちょっと感極まってしまいました。沿道の応援がものすごくて、僕が最後まで集中を切らさず走り切れたのもそのおかげ。昨年コナで2位になってから注目されるようになった中、今シーズンはふくらはぎの故障に加え3週間前にはコロナに感染するなど不運続きで、レースでなかなか結果が出せずに苦しみました。でも、これでもう一発屋とは言わせません。

IM世界選、歴代最速のランラップをたたき出して2位に入ったランゲ

2位 パトリック・ランゲ
結局サムには追いつかなかったけど、自分の走りには満足しています。スイムで遅れてバイクの序盤も調子が出なかったけど、徐々に良くなってきて、良い状態でランに入ることができたのが大きい。とにかくポジティブ思考で前を追うことだけ考えて走ったのがよかった。

3位 マグナス・ディトレフ
嬉しさと悔しさ、両方ありますがやはり嬉しさが勝ってます。身体の大きな僕はバイクの上りで人一倍パワーを使うので、その影響がランの後半に出てしまいました。パトリックに抜かれても気持ちを切らさず最後まで出し切る走りができ、デンマーク人として初めて世界選手権の表彰台に立てて嬉しいです。

アイアンマン世界選手権
プロ男子上位リザルト
順位/名前・国/総合タイム(SWIM /BIKE /RUN※)

1  サム・レイドロウ (FRA)
8:06:22(S47:50/B4:31:28/R2:41:46)

2  パトリック・ランゲ (GER)
8:10:17(S49:01/B4:43:24/R2:32:41)

3  マグナス・ディトレフ (DNK)
8:11:43(S49:14/B4:35:54/R2:41:07)

4  ルディ・フォンバーグ (USA)
8:12:57(S47:50/B4:37:23/R2:42:44)

※各パートのラップはトランジションタイムを除く

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