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【KONA女子世界選】テイラー・ニブら注目選手が決意語る

投稿日:2023年10月13日 更新日:


ルミナ編集部

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KONA アイアンマン世界選手権

レース前々日(現地10/12)女子プロ選手の記者会見。歴代女王や上位常連の有力選手に加え、今大会、台風の目となりそうなパリ五輪アメリカ代表のエース格テイラー・ニブ(写真左から3番目)が出席した

2023年アイアンマン世界選手権
レース前記者会見

文=東海林美佳
写真=小野口健太

5×IM世界女王リフから
パリ世代の現役オリンピアンまで
注目選手がそろい踏み

史上初、女性オンリーのレースとしてコナを舞台に開催されるアイアンマン世界選手権(男子の世界選手権は9月にニースで開催)。

レース2日前に行われた記者会見では、昨年表彰台を飾ったチェルシー・ソダーロ、ルーシー・チャールズ・バークレー、アンネ・ハウグをはじめ、アイアンマン世界選手権5回優勝のダニエラ・リフ、そしてパリ五輪にアメリカ代表としての出場を決め、8月にIM70.3世界選手権も制したテイラー・ニブら、注目の女子選手たち10人が壇上に立ち、土曜日のレースに向けた決意を語った。

史上最高レベルの女子選手が集結した今大会、注目選手それぞれのコメントを紹介しよう。

アイアンマン世界選手権

ディフェンディング・チャンピオンとして本大会に臨むソダーロ(写真右。同左は2019年のコナ覇者ハウグ)

「スポーツを通じ女性のパワーを発信。それがコナで勝つ意義」

チェルシー・ソダーロ
〈2022年KONAデビュー戦で優勝〉

「昨年優勝してみて初めて、どれだけ多くの人がこのレースに注目しているか、そしてここでタイトルをとることの意義を知りました。

全力で私を支えてくれている夫に伝えたのは、今年ここで良い結果を残したいと本気で思っているということ。スポーツを通して女性のパワーを発信することができる、それがコナで勝つ意義だと思っています。

ディフェンディングチャンピオンとしてのプレッシャーはもちろんあります。でも、自分がどこまでやれるかを試すのが楽しい。勝つことは楽しいけれど、それだけじゃなく、チームとして準備してきたことがどう実を結ぶか楽しみです」

「レベルの高い選手の参入は、スポーツとしての発展の証」

アンネ・ハウグ
〈2019年KONA優勝、2018・2021・2022年3位〉

「レベルの高いアスリートの参入はアイアンマンというスポーツが発展をとげていることの証。ここで戦うにはパーフェクトなレースが必須。自分のやってきたことをすべて出すことが大事。

誰が勝つかは展開次第の部分も大きい。ハワイの神様が私にほほえんでくれるといいと思っています。

準備はできています。ランのコースレコードが可能かって? それはレースの展開次第です」

アイアンマン世界選手権

史上3人目となる「KONA6勝クラブ」入りの期待も寄せられるリフ(写真右から2番目(同3番目がルーシー・C・バークレー)

「史上3人目のKONA6勝は、あまり意識しないようにしている」

ダニエラ・リフ
〈IM世界選5回優勝、IM70.3世界選5回優勝〉

「初レースでの心境は今でもよく覚えています。これまでの経験から多くを学んできたけれど、同時にアイアンマンという競技の怖さも知ることとなりました。

史上3人目となる6回目のタイトルについてはあまり意識しないようにしています。一番大事なのは自分が誇れるレースをすること。コナでは過去2回、それができていない。

全力を出し切って、その結果ここにいるすべての素晴らしい選手たちに勝つことが私の望み。優勝の数を数えることではありません。

レースとは絵画のようなもので、レースごとに違う絵になる。今回はどんな絵が描けるのか楽しみです」

「今年は過去最高の激戦になるでしょう」

ルーシー・チャールズ・バークレー
〈IM世界選4度にわたり2位〉

「大きな故障を経て望むレースです。回復後は順調にトレーニングが積めています。今年は例年と違ってずっと自宅を拠点にイギリス国内でトレーニングを積んできました。やるべきことはやってきたので、レースではそれが良い結果として現れることを願っています。

今年は過去最高の激戦になるでしょう。コナで勝負を分けるのは気象条件だと言われますが、今年はライバルのレベルの高さこそレースの行方を左右する要因。3種目において自分の最高のパフォーマンスが引き出せるかどうかが鍵になると思っています」

テイラー・ニブ

写真中央がニブ。オリンピック戦線のど真ん中で闘うWorld Triathlon(旧ITU)のトップ選手が、五輪前年のコナに参戦するのは異例中の異例

「子どもの頃から、いつか自分もコナでレースをしたいと願ってきた」

テイラー・ニブ
〈今年パリ五輪プレ大会優勝&IM70.3世界選優勝。今回IM初参戦。今年、母親もエイジグルーパーとして「60-64歳カテゴリー」で参戦〉

「私は子どもの頃からこのレースを観て育ちました。いつか自分もここでレースをしたいと願ってきたんです。

これまでロングディスタンスのレースもフルマラソンも走ったことのない私が、今年コナに出場しようと思った一番の理由は、これを逃すとコナで女子がレースできるのが2025年になってしまうから。

2025年のコナで活躍することが私の目標で、今年はその準備という意味合いもあります。

アイアンマンの醍醐味は困難に打ち勝つことだとみんな言います。私にどんな困難が起こるかはやってみないとわからないけれど、それを乗り越えられたら、それは成功だと思います」

「環境を整えれば、このスポーツの女性人口は増えるはず」

女性プロ選手をとりまく環境についても多くの意見や提言がなされた。

昨年母親として史上2人目のコナ女王に輝いたチェルシー・ソダーロは、女子プロスポーツの未来についてこんな夢を語る。

「子どもを無料で預けられれば、もっと女性はトライアスロンに参加できるでしょう。今このスポーツは男性の人口のほうが多いけれど、それは女性がやりたがらないからではなく、環境の問題。

環境を整えれば、このスポーツの女性人口は増えるはずです。アイアンマンのエイドステーションに授乳ステーションを設置するような時代をつくるのが私の夢です」

出産を経て昨年から競技に戻ったサラ・トゥルーもこう語る。

「女性プロ選手はアスリートとしてピークの時に子どもか競技かを選ばざるを得ない状況がある。そういうことがないように。両方を実現できる世界になってほしい」

アイアンマン世界選手権

母としてKONAを闘うサラ・トゥルー(写真右)。女子プロトライアスリートのあるべき未来を語る

***
新しい時代を迎えたアイアンマン世界選手権、女子の部は、ハワイ現地時間10月14日(土曜日)午前6時25分(日本時間15日深夜1時25分)スタートのときを迎える。

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