BODY CONDITIONING Weekly #024
ロング日本選で自己最高7位。山本昌孝さんのアミノショット®実戦レビュー
ゼリーは「ボトルに入れる派」な僕が、パッケージごと使ったアミノショット®
リポート/山本昌孝
トライアスロンは、練習、休息、食事、経験、機材、情報、お金(と会社の休み?)など、あらゆる能力と準備が必要で、その意味でも本当の総合スポーツだと思う。中でも、ともすれば軽視されがちな補給については、本番のパフォーマンスに直接作用するものなので、相当大事な部分と思う。
今回、自身7回目の佐渡ロングディスタンス日本選手権参加にあたり、8月下旬に発表されたアミノバイタル®アミノショット®を初めて実戦投入した。
実は僕はこれまで、バイクのフレームに補給食を貼るのをほとんどしたことがなく、ゼリーやジェルは全てをボトルに入れていた。その理由は、バイクに何かを貼ると、かさ張って、見栄えが美しくないという持論と、それよりも、レースに集中すべき時にいらぬストレスを感じたくないからだ。
往々にして、ジェルの類は、消耗した握力で走りながら、固い封を開けるのに苦戦して面倒で、さらに千切った小さな切れ端を落としそうになったり、トライスーツに入れると小さい破片の角がチクチクする(笑)といった煩わしさがある。
その点、アミノショット®はその煩わしさを解消した構造になっている。これまでの小さい青のゼリー(アミノバイタル®SUPER SPORTSゼリー100g)よりもはるかにコンパクト(アミノショット®43g)で、かつ、アミノ酸含有量が増えている(3000mg→3600mg)。
バイクでは、登りや加速などで差が出るために、100g軽量化するために機材に何万円もかける人がいるくらい、重量は気を遣う部分。この軽量化は大きい。(そしてこのサイズならバイクに貼ってもかさ張らない)また、開け口が大きな構造で簡単に開けられるようになっている。そして何より、千切った破片が分かれないようになっているので、ゴミの処理が簡単に済むのだ。この点はアスリート目線での嬉しい設計になっていると思う。
甘すぎない、リアルアスリート目線のグレープフルーツ味
味については、正直なところ、周りでも感想が分かれている部分で、運動強度が緩くて普通に甘いものが欲しいくらいだと、苦みが強いと感じるかもしれないが、僕はこのグレープフルーツ味はスルッといけて、酸味があっていい気分転換になり、気合いが入る味だと思う。
ミドル以上の距離になると、レースに必要なエネルギーは、元々身体に蓄えているエネルギーよりも走りながら補給するエネルギーのほうが多くなると思うので、補給食を大量に摂取する必要がある。しかし、よくある甘い味のものだと、初めはおいしくてもたくさん食べると、気持ち悪くなり、受け付けなくなり、最悪戻してしまうことになる。普段の食事でも一食どころか二食も連続で甘いものしか食べなかったら気持ち悪くなるのは当然のことだ。そういうことを踏まえて、味についてもリアルなアスリート目線での設計だと思う。
佐渡では、バイクのトップチューブにアミノショット®を3個つけて、序盤、中盤、後半に補給。ランでは、ランスタート時とスペシャルエイド(選手権のみ預託可)にはふたつ預けておいた。特に勝負どころ、バイクで追い風区間が終わっての後半の要である小木の坂、地味に辛く、かつ差が出るラスト向かい風、ランでは折り返し以降での身体の動き、集中力が持続できたのは、良い補給ができたという要因も大きかったと思う。
その結果、自己最高の7位に入ることができた。佐渡の日本選手権に出始めた頃は、全然勝負に参加できず、ほとんどビリだったが、諦めずに何度も挑戦して、徐々に力を付けてようやくここまできた。今回、選手権での表彰(総合6位まで)をあと一歩のところで逃したので、また、上を目指して挑戦したいと思う。
■著者プロフィール
山本昌孝(やまもと・まさたか)
アイアンマン・ハワイ(世界選手権)の出場経験もあり、国体には佐賀代表として3回出場。ショートからロングまでこなすオールラウンダー。2014~2016年JTUロングディスタンス強化指定選手。写真は今回のロング日本選手権のフィニッシュシーン(撮影/播本明彦)