KONAチャレンジ・ミートアップ
5月3日、KONAチャレンジメンバーたちが、ネットテレビ会議Zoomを通じた情報交換会「KONAチャレンジ・ミートアップ」を行った。
新型コロナウイルスの感染拡大で大会などのイベントが中止・延期され、世界で外出自粛が続く中、アイアンマンを主戦場とし、KONAをめざすアスリートたちは何を考え、どんな日々を送っているのか、情報・意見を交換するイベントだ。
当日は午前中にZwiftを使ったオンラインバイクイベント「Zwift 90㎞レースライド」が行われ、KONAチャレメンバーやTKことリーダーの竹谷賢二さん(以下TK)と一緒に多くのアスリートが汗を流した。
続いて午後2時から9人のKONAチャレメンバーとTKによる情報交換会「KONAチャレンジ・ミートアップ」がスタート。トレーニングパートナーであり、自身もKONA出場権を獲得している孫崎虹奈(愛称「孫ちゃん」)が司会進行を務め、メンバーたちが順番に発表。一般公募による約40人のアスリートが視聴した。
シーズン再開に向けた
取り組みについて情報交換しよう
メンバーたちは、普段通りのトレーニング、生活がままならない中、何を思い、どのような工夫・対策をしているのか、スイム・バイク・ラン・コンディショニング・その他(生活・メンタルなど)の5項目を軸に語り、TKとの質疑応答を行った。
制限の中でできることを
精査してやっていくことが大切
まずTKは、オープニングトークとして、自身の過ごし方やトレーニングを紹介しながら、「外出自粛の中でスピードなど、落ちていく能力があるのは仕方ありません。できることとできないことを精査しながらやり方を変えていく必要があります。持久力のキープやフォームを忘れない努力、身体の左右差やバランスなど基礎的な部分の洗い直しなど、やれることはいろいろとるはずです。やり方次第でトレーニングが自由にできるようになったときの再スタートが大きく違ってきます」と語った。
スイム
泳げない中でできること
スイムについては、スポーツクラブやプールが閉鎖され、メンバー全員が泳げない状態にある。共通しているのは「できないことはしかたないので考えない、あせらない」という姿勢のようだ。
その中でチューブ引きや自重筋トレ、体幹トレーニング、ストレッチをやっていることが分かった。
スイムが得意な高橋明実さん《高橋さん関連記事★》は「元々スイムよりバイク・ランに集中すべきと言われていたので、泳げないことをチャンスと考え、苦手克服に取り組んでいます。スイムを再開したとき、泳力の落ち込みは100mで10秒くらいに抑えたいですね」と語った。
元スイマーの孫ちゃんによると「自分の場合、バイクで体力はカバーできているはずなので、フォームによる落ち込みは5秒くらい。トライアスリートは10秒くらいを目安に、インターバルをやってみながら現状に合わせてやったほうが、早く回復できるはずです」とのこと。
チューブ引きなどスイム向け筋トレについては「正しい筋肉の使い方をしないと、無駄な筋肉がつくだけで効果がないので、動画などを見て、クロールの動きを考えながらやってみたください」とアドバイスした。
バイク
インドアトレーニング派が多数
バイクはローラー台によるインドアトレーニング派の多さが目立った。
パワーなどさまざまな指標を目安にしながら効果的なトレーニングができるだけでなく、時間帯や天候などに左右されずにトレーニングできるメリットがあるため、メンバーには以前からインドア派が少なくなかったが、外出自粛下でもトレーニングできないストレスはそれほど感じていないように見受けられる。
中でもZwiftを活用したトレーニングは、さまざまなコースで仲間とのライドやレースをバーチャルに楽しめること、楽しくハードに追い込めることから人気があるようだ。
インドアトレーニングは基礎練習の充実に活用できるというメリットもある。
1月にハムストリングスを故障した小濱靖典さんは、《小濱さん関連記事★》「ローラー台でペダリングの基礎練習を2〜3時間繰り返し行っています。故障した部分をいたわりながらも、思いギヤで踏むことにより筋力アップをはかる練習もしています」とのこと。
高橋明実さんはスマートローラーを活用してペダリングの効率向上に取り組んでいる。
長野県在住の木下貴光さんは、《木下さん関連記事★》人がほとんどいない田園地帯が近くにあるメリットを生かして、単独によるロングライドや峠で負荷をかけるトレーニングなどを続けている。
横山正尭さんは《横山さん関連記事★》明け方5時から荒川サイクリングロードを単独で走ることで、実走トレーニングを続けている。
須田光さん《須田さん関連記事★》のようにインドアと実走両方組み合わせている人もいる。
TKによると、実走とローラー台ではバイクの微妙な傾きのあるなしなど、動きや筋肉の使い方が変わってくるとの指摘もあった。人と会わずにトレーニングできるなら、実走トレーニングを行うメリットはあると言えるようだ。
ハイレベルなトレーニングが持続できる
インターネットコーチング
木家勝之さんは《木家さん関連記事★》以前から活用しているアメリカのインターネットコーチング「エンデュランス・ネーション」Endurance Nation(EN)を続けていて、科学的根拠に基づくハイレベルなトレーニングを計画的に続けている。プロコーチと常に相談しながらトレーニングできるので、モチベーションが保ちやすく、自分が必要とすることを納得しながら行うことができるという。
巽朱央さんはこの日の参加メンバーで唯一、在宅勤務ができない仕事をしているため、1日おきに出勤しているが、インドアのみになったバイクトレーニングを充実させるため、ENに加入した。
「インターバルなどこれまで自分ではやってこなかったメニューができるなど、メリットを感じています。ただし、提示されるメニューが盛りだくさんなので、コーチがつけてくれる優先順位にそってチョイスしたり、低強度メニューを短くしたり、自分なりにアレンジして取り組んでいます」とのこと。
TKは「自分でメニューを組んでいるとやりやすいことをやりがちになるので、コーチングはメリットがあります。自分でアレンジするのも大切ですが、優先順位の理由を考えながらやると、メニューの意味が分かるようになり、今なぜこれをやるのか、それによって自分がどう変わるのか、自分で正しい判断ができるようになるでしょう」とアドバイスした。
ラン
意外に量は充実できる
今回、ランの走行距離が伸びたという人が目立った。ジムに行けない、泳げない一方で、在宅勤務の人が多く、自由に使える時間が増えたことがラントレ時間の増加につながっているようだ。
早朝など人との接近に気をつけながら、低強度で長く走る人、坂ダッシュなどで強度トレーニングも行う人などさまざま。
牧野星さんは《牧野さん関連記事★》唯一自宅にトレッドミルを設置し、インドアトレーニングを行っている。実際に使ってみての感想は「風がないのでつらいですが、一定ペースを刻めるメリットがあります。ただし、音がかなりあるため、一戸建ての1階ならいいですが、2階はNGかも。マンションも階下のことを考えると難しいかもしれません。Zwiftにもラントレーニングがあり、角度(斜度)は自分で変える必要がありますが、速度を変えながら鍛えられます」とのこと。
◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP
オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。
【サポート施設】
AQUALAB
流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから。
SPORTS SCIENCE LAB
心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。
R-body Project
ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。
Endurelife
AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20分の95%)、フォーム、ペダリングについてのチェック&アドバイス。