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細田雄一が語る、 速攻トランジションの極意。

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ルミナ編集部

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SHIMANO>>TRIATHLON
実戦力にこだわるトライアスリートのアイテム選び。#01

SHIMANO TR9 ✕ Yuichi Hosoda

シマノのトライアスロンモデル「TR9」は開口部が広いので足入れがしやすく、バイクに乗って走り出すときに「シューズを踏んでしばらく走る」という動作がいらなくなったという

細田雄一が語る、速攻トランジションの極意。

レースではトランジションのもたつきやトラブルは避けたいもの。トップ選手、特に一瞬の遅れが展開を大きく左右するスタンダードディスタンスの選手は、なぜ素早くスムーズにトランジションできるのか、ベテラン細田雄一にその極意と工夫を訊いた。

Yuichi Hosoda
ITUサーキットを転戦するトップトライアスリート。姉の影響で小学生のときにトライアスロンを始め、中学2年で渡豪、本場ゴールドコーストのクラブチームでトレーニングを積む。2000年代からエリートレースを転戦し、2010年アジア競技大会(中国・広州)金メダル、2011年日本選手権優勝など活躍。2012年ロンドン・オリンピックにはアジア王者・日本代表として出場を果たしている。1984年、徳島県出身。博慈会所属。

ヘルメットは先にかぶり、ストラップを締めた後、バイクをピックアップする

大切なのは徹底して練習し、無意識でこなせるようになること。

トライアスリート、特にスタンダードディスタンスの選手にとってトランジションは重要な第4の種目ですから、3種目同様、動作を特に意識しなくても無駄のないスムーズな動きができるように日頃から徹底して練習します。

ただ早くトランジションを終えればいいわけではなく、そこで余分な力を使って疲労しないことも重要。ベテランほどリラックスしてトランジションを終えます。

もたつきがレース全体に影響しやすいのはスイム~バイクのT1。水から陸に上がって身体が動きにくいですし、筋肉が痙攣しかけていることもあります。わずかのもたつきで順位が入れ替わったり、入れたはずのパックに入れなかったり、レース展開に大きく影響します。

私の場合、トランジションを素早くこなすためのコツが特にあるわけではなく、回数をこなすことでほぼ無意識にできるようになることが一番だと考えています。どこに何を置くかなども、たくさん練習すれば、自然とわかってきます。

無意識に動けるようになっておけば、自分の順位を見ながら冷静にトランジションできますし、万が一トラブルがあっても的確に判断できます。たとえば隣の選手がバイクに触れて、ヘルメットがずれていたり、(電動シフターの)ボタンが押されてギヤがインナーに入っていたりといったことが起きても、冷静に対応してあまりロスなくバイクスタートできます。

こだわりはシューズの水平を確実に保つ強い輪ゴム

唯一グッズでこだわっているのはペダルに予め付けておくシューズを水平に保つ輪ゴム。普通の輪ゴムを使っていて、トランジションのとき片方が切れていたことがあるからです。片方だけでもシューズが立った状態だと、これを水平にしてまともにペダルを回せるまでにかなりのロスが生じます。これはドラフティング・レースでは致命的。一般のレースでも、バイクに乗るまでのトラブルにつながりますよね。自分はそれ以来、切れにくい強い輪ゴムを使っています。

そのままこぎ出しても自然に切れないくらい強いので、私は集団でローテーションが落ち着いたタイミングで、ゴムをかけてあるクイックシャフトから指ではずします。

もちろんシューズの機能も重要です。愛用しているシマノのトライアスロンシューズTR9は、細部までトライアスロンのことを考えて造られているので、トランジションもバイクの走り出しもロスなくスムーズにこなすことができます。

バイクシューズはカカト部分のストラップを使って輪ゴムで予めバイクにとめておく。右足はフロントディレイラーをフレーバーに固定しているあたりとつなぐ

左足はリアホイールのクイックシャフトとつないで、左右両足で平行になるようにセッティング。輪ゴムが弱いものだと少し動かしただけで切れてしまうので注意

ヘルメットやアイウエアはラックや風など諸条件を踏まえて置き方を決める。例えば写真右から来て・かぶるという一連の動作がわかっていれば置く方向なども自ずと決まってくる

バイクを押してきて乗車ラインで素早く飛び乗るのがITUアスリートのクイックトランジションだが、これは慣れ(くり返し練習)が必要

スピードでは劣るが、確実に素早く乗りたいなら片足を先にペダルに載せた後、飛び乗るほうがオススメ

降車前にシューズを抜いでおくのが常道だが、片足は降りる直前まではいておくのが細田流。「コーナーがあってもこげるので最後までポジションを上げられます」

SHIMANO TR9

トライアスリートの声がつまった最新モデル

「シマノのトライアスロンシューズは8年愛用しています。濡れた素足ではけるように造られていることが、トライアスロンシューズの大きなメリットです。8年間、足型や形状など基本的な長所は変わっていないので、安心感・信頼感があります。しかも基本をおさえつつ我々トライアスリートのフィードバックも踏まえて機能・性能向上の努力は重ねられていて、様々な進化を実感しています」(細田)
 

トランジションとパワー伝達を最適化するよう設計された完全プロ仕様のトライアスロンレーシングシューズ。サイズ36-48(ハーフサイズ 39-43)。重量230 g(男性用サイズ42)

軽さ
前モデルも軽さが大きな魅力でしたが、新モデルはヒールに樹脂製のカップを加えたのに、以前に負けない軽さを実現しています(細田・以下同)

アッパーの撥水性
最新モデルで一番驚いたのがアッパーの撥水性。新モデルは合成皮革の主要部分が水をはじくので、身体から垂れる水を吸って重くなることがなくなり、軽いシューズという長所がさらに実戦で生かせるようになりました。もちろん通気性にも優れています

広い開口部
開口部が大きく開き、素早いトランジションには最適なベルクロ1枚ストラップをその状態で固定できるので、トランジションで素早く足入れできます。一瞬で足が入るのでスタートからしばらくシューズの上から踏む必要がなくなりました

ストラップ
ストラップは外側開きで、チェーンに当たることがなく、開いた状態のままこぎ出せます。私はスタートから集団のローテーションに加わり、一度先頭を引いて後ろに戻ってから落ち着いて止めています

硬過ぎないソール
ソールは軽く薄いのに適度な弾力があり、力を効果的にペダルへ伝えることができます。ランのために脚への負担を抑えることにつながるので、トライアスロンのバイクシューズには重要な機能です

ヒールカップ
ヒール部に樹脂製のカップを加えたことで、カカトのホールド感、フィット感、安定性が向上し、さらにロスの少ないペダリングができるようになりました。トライアスロンレース特有のシューズを踏みながらのスタートも支えてくれます

輪ゴムがずれない後部ベルト
後部のベルトは小さな切れ込みが入っていて、かけた輪ゴムを切れ込みで固定できるようになっています。輪ゴムがずれる心配がなく、ペダルにつけたシューズを水平の状態で安定させることができます

シューズをバイクにつないでおく輪ゴムは、色付きの輪ゴムや細過ぎるものはNG。生ゴムのしっかりしたものを常にストックしています(細田)

問・シマノセールス自転車お客様相談窓口ナビダイアル TEL0570-031961
https://bike.shimano.com/

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