COLUMN KONA Challenge

KONAへつながるトライアスリート的 勝つための食診断 Part2

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ルミナ編集部

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Patr02.自分の体質に合った食事法を見つけ出そう

パート2ではパート1に引き続き、KONAチャレメンバーの実例から食事の改善方法を探ってみよう。女性トライアスリートたちのもつ特有の悩みに答えてくれたコラムも掲載。誌面には載っていないWEBマガジンだけのアドバイス。

▶Part01はこちらから

コメント=佐藤彩香― Ayaka Sato―
管理栄養士・スポーツ管理栄養士・予防医学士。企業・保育園の栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算などの活動を経て独立。大学、実業団、プロチームなどのスポーツ選手や健康志向の人たちに、実践型の栄養サポートを提供。手がける競技は競泳、陸上長距離、ソフトボール、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなど多岐にわたる。

※メンバーそれぞれの詳しいプロフィールはKONAチャレ公式サイトで公開中。

※タイムテーブルと食事内容はピンチアウト、クリックで拡大

筋力アップのカギは“糖質”にあり。


東度久美さん(41歳)
160cm/48kg
職業:会社員(デスクワーク・営業)

【1週間の状況】佐渡Aタイプ出場を控えた1週間
9月2日の佐渡Aタイプに出場する前の月曜日からの記録。前日は宿の食事。
【食事の習慣】

平日朝食、会社へ持参する弁当はほぼ同じメニュー。たんぱく質は体重×1.5~2倍。練習内容や強度によって糖質量をコントロール。PFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)バランスはざっくり40%・20%・40%。
【悩み】

①筋量を増やしつつ(目標プラス2㎏)筋力をつけてパワーアッ
プしたいが、シーズン中は種目練習が優先になるのと、筋トレも維持メニューにとどまるので難しい。このオフシーズンは徹底的に筋力アップメニューに取組み、身体改革をしたいと思うが、それに伴った食事内容の見直しをしたい。
②普段の食事は、糖質や脂質、たんぱく質の摂取量をコントロール。体脂肪は落ちてランには好影響だが、ベストパフォーマンスが出せる理想的な体組成バランスなのかどうか(痩せすぎ?)手探り中。

【1週間のタイムテーブル】

【ある3日間の食事内容】
8月29日(水)

8月30日(木)

8月31日(金)

筋肉量を増やしたいならたんぱく質×糖質のバランスが大事

【Ayaka’s Advice】
栄養バランスをとても気にされていますね。日々の食事を意識されていて素晴らしいと思います。土台は整っていますが、少し糖質が多く含まれるご飯、パン、麺などの量が足りないかなと思いました。

トライアスリートにとってエネルギー源となる糖質はすごく大事な栄養素です。アスリートの必要量は、レース前の低強度の練習でも体重×5gを最低ラインとしてほしいところです。

トライアスロンなどのハードなスポーツは、通常練習でも体重×7gを最低ラインに設定してもいいくらいですから、東度さんの場合、低強度の練習でも240gの糖質が最低限必要と言えます。ご飯をお茶碗1杯(150g)食べても、糖質は55gですから、しっかりお茶碗1杯のごはんを朝から晩まで摂ってもなんの問題もないので、糖質の摂取を意識していきましょう。

筋量アップするためにたんぱく質を全体のカロリー当たり4割にしているとのことですが、それ以上増やさないで大丈夫です。むしろ前述のとおり、糖質を意識して摂ることで、たんぱく質が少し抑えられるかと思いますが、筋量アップにはたんぱく質だけでなく、糖質とのバランスが大事なので、しっかり摂っていくように心がけましょう。

たんぱく質はこまめに摂って吉

また、たんぱく質の摂り方についてアドバイスするならば、一気に摂るよりもこまめに摂ることが重要なので、今まで一食で食べていたものを少し小分けにして、間食にたんぱく質を摂れるような豆乳、ゆで卵やヨーグルトなどを取り入れることをオススメします。

それから、たんぱく質と合わせることでオススメなのがビタミンCです。ビタミンCがないとコラーゲンの生成がうまくいかないので、筋量アップになかなか繋がりにくいのです。ビタミンCが多いイモ類やかんきつ類の果物や野菜などを積極的に摂っていきましょう。なかなか摂れないという日にはビタミンCなどの粉末を水に溶かしてこまめに飲んでいくこともオススメします。ビタミンCは水溶性ビタミンなので、毎食後、毎日摂ることを意識することが大切です。

さらに鉄分も意識してほしいですね。筋肉が増えると、筋肉を動かすためのエネルギーと酸素が必要です。激しい運動、筋肉量の増加に見合った血液や赤血球を必要とするため、必然的に鉄の必要量も増加します。筋肉の発達に重要な鉄分をしっかり摂っていきましょう。レバーや砂肝や鰹や鮪などはもちろん、貝類、ほうれん草、小松菜や切干大根なども積極的に取り入れていけるといいでしょう。

今回はレース前の内容ということで、土曜日はホテルの食事だったようですが、レース直前はあまり刺身のような生ものはおすすめしません(東度さんは摂っていないかもしれませんが)。

緊張感やプレッシャーなどいつもと違う感情をもつと胃腸が弱くなることが多いですし、下したり、あたったりするリスクがあるからです。ほかにも油分が多い揚げ物や消化に時間がかかる食物繊維が多く入っている根菜類や生野菜などを大量に食べることもおすすめできません。ぜひ直前の食事にも気を付けてみてくださいね。

胃腸のお疲れサインを見逃さずパフォーマンスアップにつなげて


須田 光さん(45歳)
178cm/65kg
職業:会社員(デスクワーク中心)

【1週間の状況】
レースはなく通常の1週間
【悩み】
数年前から人間ドックの胃カメラで逆流性食道炎の診断あり。特に自覚症状はないので毎年経過観察。食べ過ぎ注意、寝る前3時間は食事をすべきでないと理解はしているが、なかなか実践が困難。夜トレーニングしたときは、運動後プロテインを摂取すべきという考えと矛盾してしまうので、どうしたらいいものか。

【1週間のタイムテーブル】

【ある3日間の食事内容】
8月29日(水)

8月30日(木)

8月31日(金)

食事内容は素晴らしいけれど内臓は疲れているかも

栄養バランスを意識されているものが多く素晴らしいです。彩も鮮やかで、食欲をそそる食事が多いですね。その中でアドバイスさせてもらうとしたら、逆流性食道炎があるということなので、内臓系をいたわれる食事内容にしていくことをオススメします。内臓疲労がとれるだけでもだいぶ身体は楽になり、パフォーマンスの向上も期待できます。

こだわっているからこそ、玄米やナッツやレーズンなどの干した果物などを多く摂られています。これらの食品はすごく栄養がたくさん入っていて素晴らしいのですが、ひとつのデメリットとして消化に少し時間がかかります。そういったものをずっと食べながら練習されていますので、少し内臓系もお疲れモードかもしれません。

ここで提案したいのが、すごくハードな練習をしたときは、こういった消化に時間がかかるものをあえて減らしてみて、消化の良い食べ物を選択することです。

そこでおすすめしたいのが味噌汁です。生野菜をたくさんよりも、茹でて柔らかくした野菜を食べることで、消化も良くなります。忙しい仕事の合間に食事を摂ることが多いようなので、スープジャーのようなものでお味噌汁を会社にもっていき、デスクで食べるのもいいかなと思います。

味噌は発酵食品なので、胃や腸を労わる要素もあります。また出汁の摂取は副交感神経活動を上昇させる作用があり、リラックスと抗疲労の効果を誘起することも期待されます。副交感神経系は胃腸の動きを活発にしますので、消化がスムーズになります。

運動後の糖質補給にもこだわって

また運動後にプロテインを飲み、リカバリーをされていますね。ただ、須田さんが愛飲しているプロテインの内容がたんぱく質が20g入っているのに対して、糖質が3gほどしか入っていませんでした。有酸素の運動をされたあとはエネルギー源となる糖質もしっかり身体に入れたほうがいいでしょう。糖質がもう少し入っているプロテインにするか、オレンジジュースなど果糖が摂れるものと割って飲むなどして、運動直後の糖質補給にもこだわってみるとさらにいいと思います。

Column02 For Ladies
ーすべての頑張る!女性トライアスリートに送る―

トレーニング仲間と練習や食事について議論できたとしても、女性特有の悩みはなかなか打ち明けられないもの。そんな悩みについて佐藤先生がアドバイスをしてくれました。「大前提として、人それぞれ体質や適性というのが変わってきますので、コレ!という答えはないのですが、女性特有の悩みについては私からアドバイスできるのは次のとおりです。自分の食生活と照らし合わせて、ぜひ参考にしてみてくださいね」(佐藤さん)

Q.トレーニングを頑張るあまり、生理が止まってしまった! という経験がある人も少なくないはず。これは、身体のメカニズムの問題だと思うのですが、食事での改善方法などありますか?

Ayaka’s Advice
食事での改善方法は必要なエネルギーをしっかり摂ることです。ふたつめの質問への回答と被ってしまいますが、運動に必要なエネルギー源の糖質と脂質、ホルモンの基になるたんぱく質と脂質が不足すると、生理は止まりやすくなります。

加えて体重が軽く、BMIが18.5を切ってくるとそのリスクは大きくなります。運動したらその分はしっかり食べていく必要があります。「野菜がメインで、糖質や油分をむやみにカットしていないか」「肉・魚・卵・大豆製品をしっかり摂る習慣があるか」など、一度振り返る必要があるかなと思います。

Q.スポーツをしているから恐れずに良質な脂を摂取する、3大栄養素+αも多めに摂る……ということは分かっているけれどやはりそこは女性、どこかで「太りたくない」という気持ちが働いてしまって節制してしまう。ゆえに逆に痩せすぎだったり、パワーが出ない。そんなやきもきを抱える女性たち(男性もしかり)にアドバイスをお願いします。

Ayaka’s Advice
無駄に太るのは、筋肉量ではなく脂肪で体重が上がってしまうということです。運動の習慣がしっかりある人はよほどバランスが崩れた食事や夜遅くの食事などを繰り返さないと起こりませんから、そこまで心配する必要はないでしょう。

筋量で体重が上がると代謝も上がりやすくなりますし、パワーも出やすかったりします。人それぞれ身体が心地良いと感じる脂肪量と筋肉量には差がありますが、その量の違いから、パフォーマンスに影響が出るのは間違いありません。

ただひとつ、BMIが18.5を切らないというのが目安になります。一般的に肥満のライン、25を上回らないというのもありますが、トライアスロンをやっている女性でこれを上回る人はそういないかな、と思います。上記で書いたように、糖質・脂質・たんぱく質をしっかり摂れているのか、野菜などに偏ってないのか見直しが大切です。

※BMIとは体重と身長の関係から算出される、人の肥満度を表す体格指数で、体重(kg)÷身長(m)の2乗で求めることができる。

▶Part01はこちらから

>>>KONAチャレ過去掲載記事を読む
File01. キックオフミーティング「夢へ挑戦するアスリートたちのリアルタイムストーリー」
File02. 第1回フィードバック「レースでもう一段強くなる秘訣は”変化を恐れないこと”」
File03. モータージャーナリスト河口まなぶ、 KONAへの焦燥と誓い。

File04.ウエットスーツに頼らない本物のスイムを手に入れる(AQUALABでの測定リポート)
File05. 第2回フィードバック「スタートから3カ月で見えてきたコナアスリートへの道筋」
File06. 真夏の木更津トライアスロンでKONA獲得のヒントを探る

◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP

オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。

◎MAKES
https://makes-design.jp/

【サポート施設】
AQUALAB

流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから

SPORTS SCIENCE LAB

心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。

R-body Project

ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。

Endurelife

AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20分の95%)、フォーム、ペダリングを評価。

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