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久々のレース前「調整」は、どーする? 細田雄一が教える「実戦対策ガイド」〈2〉

投稿日:2021年6月3日 更新日:


ルミナ編集部

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Part2 調整・テーパーリング

コロナ禍を経て、久しぶりのレースを迎えるにあたって、ありがちな失敗を避け、続けてきた練習の成果を存分に発揮するための注意点やオススメの対策を、百戦錬磨のベテラン細田雄一選手(博慈会)に訊く、3回連載企画。

第2回はレースを最高のコンディションで迎えるための調整・テーパーリングについて。

>>>前回の記事「久しぶりのレース、大丈夫? 細田雄一が教える「実戦対策ガイド」〈1〉」を読む

文=原 修二
写真=小野口健太
撮影協力=アコーディアゴルフ/房州カントリークラブ

細田雄一 Yuichi Hosoda
ITUサーキットを主戦場に活躍するベテラン・エリートトライアスリート。姉の影響で小学生のときにトライアスロンを始め、中学2年で渡豪、本場ゴールドコーストのクラブチームでトレーニングを積む。2000年代からエリートレースを転戦し、2010年アジア競技大会(中国・広州)金メダル、2011年日本選手権優勝など活躍。2012年ロンドン・オリンピックにはアジア王者・日本代表として出場を果たしている。1984年、徳島県出身。博慈会所属。

トレーニングの調整より
まずコンディション調整

細田 テーパーリングの言葉の意味は「細くしていく」こと。競技スポーツでは、レースに向けて少しずつトレーニングの量を減らし、強度を落として、身体を疲労から回復させながら、パフォーマンスを上げていくことを意味します。

エリート選手の場合は、トレーニング量を落とす以外に、短く強度の高いトレーニングで刺激を入れたりします。トレーニングの落とし方や刺激の入れ方は人によってそれぞれで、一概にこうすればいいというやり方はありません。

選手にとってテーパーリングは、ただ練習を細くしていくというより、鉛筆を削って尖らせていくように、パフォーマンスを研ぎ澄ませていくイメージです。

しかし、エイジグルーパーの場合、そういうことをするべきなのか、特に久しぶりに楽しくトライアスロンやろうという人がそんなふうに尖らせる必要があるのか疑問です。

多くの人にとっては、トレーニングでパフォーマンスを調整するより、身体のコンディションを良くするほうが大事なのではないでしょうか。

たとえばお酒を毎日飲む人は2日に1回にするとか、飲む量を減らす、仕事なら残業をレース前1週間は入れないようにする、それが無理なら3日に1回にするといったことで、レース当日の体調は大きく変わってくると思います。

もちろん睡眠をしっかりとることも大切です。

コロナ禍の影響でエリートレースも多くが中止・延期となった昨シーズン、細田選手もレース出場の機会が確保できず、秋には一般大会の九十九里トライアスロン(99T)にも出場した(※天候の都合でデュアスロン形式での開催に)

健康管理ができた上での
トレーニング調整

エイジグルーパーでも、日本選手権や世界選手権に出るレベルの人たちは、普段から食事・酒などのコントロールをしっかりやっていますから、あえてコンディション調整の必要はないかもしれません。

そうした人たちにはトレーニングの調整が、パフォーマンスを高めていく有効な手段になると思います。真剣に自己ベストを目指す人、目標のタイムやカテゴリー順位がある人たちも同様です。

ただ、最初にお話ししたように、効果的なトレーニングの調整方法は、人によってかなり違います。

量を減らしてパフォーマンス上がる人もいれば、強度を落としてパフォーマンスが上がる人もいますし、量を減らして強度を上げ、筋肉を仕上げるタイプの人もいます。数日前までに完全回復させて、もう一度短い高強度トレーニングで刺激を入れたほうがいい人もいます。

自分に合った調整を確立するには、色々試して経験を積みながら模索していくしかありません。おそらくエイジでもトップレベルの人たち、ベテランの人たちはそうしていると思います。

同じ人でも年齢によって調整の方法は変わってきます。

私は若い頃、レースの4日前にスイムの1000mインターバルを3〜5本やるといった刺激の入れ方をしていましたが、25歳を過ぎてからは1週間ほとんど休んで回復させたほうが、レースのパフォーマンスが上るようになりました。

直前1週間のトレーニングは
疲労の回復を計算しながら

エイジの皆さんに基本的なアドバイスをするとしたら、「普段トレーニングできている人は休んだほうがいい。トレーニングできていない人は、テーパーリングする必要はない」ということです。

トレーニングを日頃しっかりやっている人は、レース直前1週間は、完全に休むか、思い切って軽いトレーニングだけにしたほうがいいでしょう。

トレーニングの軽さは普段やっているトレーニングにもよりますが、ランならジョグだけ、スイムなら普段4000mくらい泳ぐ人は2000m(半分)くらいにする、バイクならペダリングの感覚を残すためにローラー台30分くらいといった感じです。

普段から高強度トレーニングをやっている人は、こうした思い切った落とし方・減らし方をして、レースまでに身体を完全にフレッシュにした上で、現地入りしてから、前日などにランの流し(軽いダッシュ)などで刺激を入れてもいいでしょう。

一般にエイジグルーパーは練習をやり過ぎている人が多いというのが、私の印象です。多くの人は1週間前から練習をなるべくしないほうが、本番で身体が動くと思います。

一般に、筋肉の疲労が完全に回復するには72時間かかると言われます。

つまり日曜にレースなら、木曜からは普段と違うことをしないほうがいいということです。自分では回復しているつもりでも、気づかない疲労が残った状態でレースをすることになります。

今回紹介した直前のダッシュも、普段やっていない人がレース直前にいきなりやると、疲れが残ったり、ケガをしたりするのでお勧めできません。

不自然なカーボローディングはNG

以前、「カーボローディング」が流行ったことがあります。

数日間炭水化物を抜き、一度飢餓状態にしてから、レース前の数日でたくさん炭水化物を摂って、エネルギー源を身体の中にたくさん溜め込むという考え方です。体内にエネルギー源をたくさん溜め込むのは、イメージ的に良さそうに思えるので多くの人が実践していました。

しかし実際は、一度体内の炭水化物を枯渇させてからローディングすることで内臓に負担がかかるなど、メリットよりリスクのほうが大きいのでお勧めできません。

日本人には伝統的に米を食べる習慣があり、元々欧米人に比べて炭水化物の摂取量が多いので、レース前にあえて炭水化物をたくさん取り込む必要はないと思います。

ウォーターローディングは
ミネラルバランスに注意

運動中は水分が大量に失われるので、水分補給が大切なのは基本中の基本です。最近では、水分を十分摂ろうということで、「ウォーターローディング」ということが言われるようになりました。

ただし、水分が体内でスムーズにまわり、必要な代謝を行うには、水だけでなくナトリウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルがとても大切です。

ミネラルがあまり入っていない水だけを摂っていると、汗や尿で水分と一緒にミネラルが排出され、ミネラルバランスが崩れていきます。

レースやロングライドなどの長時間トレーニングで、水だけの給水を続けているとミネラルが不足します。

ミネラルは食事で摂るのが基本ですが、運動中に汗などで失われていくミネラルを補うには、スポーツドリンクを飲むかサプリで補う必要があります。

特にこれからの暑い時期は水分不足だけでなく、ミネラルバランスの崩れに特に気をつけて給水を行いましょう。

感染症拡大防止のためのレース運営方式のひとつとして、ランコースのエイドステーションに500mlのペットボトルや紙コップに入った水を置き、選手各自がこれを取って給水するレースも増えている

レースでは、エイドにスポーツドリンクがあればそれでミネラルを補うことができますが、水しかない大会もありえますし、スポーツドリンクにも相性があります。

バイクでは自分が普段愛用している経口補水液やスポーツドリンクをボトルに入れて補給することができますし、

ランではタブレットタイプのミネラルサプリを携行して、給水と併せて補給したり、最近のコロナ禍仕様のレース運営であれば、500mlペットボトル入りの水がエイドの机の上に並べられていて、それを各自が取って給水するというパターンもあると思いますので、

そこで携行しておいた顆粒タイプの経口補水液やスポーツドリンクを溶かして使う、といった工夫もできそうですね。

エイドステーションに500mlのペットボトルや紙コップに入った水が設置されている大会の場合、普段から使い慣れている顆粒タイプの経口補水液やスポーツドリンクを携行しておき、必要に応じて使うという工夫もできる

>>>次回記事・細田雄一が教える「実戦対策ガイド」〈3〉暑さ対策からブリック練習まで を読む

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アミノバイタル® での調整はレース直前、ミネラル補給はレース中がおすすめのタイミング

久しぶりのレースをベストな状態で迎えたいトライアスリートの強い味方になってくれるのが、アミノバイタル® シリーズ。

直前のトレーニングやレース(運動)前後、運動中など、摂りたいときに・摂りたいアミノ酸やミネラルを確実にチャージできる製品がラインアップされているので、

オススメ摂取タイミングを参考にして、「自分なりのレース前調整パターン」の中に組み込んでみよう。

「アミノバイタル® 電解質チャージ」ウォーター

暑い季節に開催されることが多いトライアスロンのレースでは、普段のトレーニングよりも強度が上がり、発汗量も多くなり、いつも以上に水分と電解質が不足しがち。

その水分・電解質とあわせてコンディショニング系アミノ酸のグルタミンを摂れる「アミノバイタル® 電解質チャージ」ウォーターは、これからの時期のレースやトレーニングにちょうどいい、経口補水液仕様のスポーツドリンク。

水に溶かす粉末希釈で、1本9.0gのスティックタイプなので、大会遠征先やレース会場に携行するにも便利。

細田さんも紹介してくれたように、コロナ禍仕様の大会運営で、ランのエイドステーションに500mlペットボトル入りの水が用意されているレースでは、スティックを携行しておいて、ボトルに加えて飲む、なんていう工夫もできそう。


アミノバイタル® プロ®(写真左)
アミノバイタル® アミノショット®(右)

運動前の摂取がオススメの青い「アミノバイタル®」。顆粒タイプ(左)は運動時に必要なアミノ酸(9種類のアミノ酸を含むロイシン高配合必須アミノ酸+シスチン、グルタミン)と8種類のビタミンを配合。

バイク&ランでも携行しやすく、バイクのストレージボックス(補給食入れ)やウエアのポケットなどに入れておいて、欲しいタイミングで素早く摂れるショットタイプ(右)は、最終調整のトレーニングやレース中にオススメ。


アミノバイタル® パーフェクトエネルギー®(左)
「アミノバイタル® アミノショット®」パーフェクトエネルギー®(右)

トレーニングやレース中などの運動中に摂りたい糖質と併せ、持続性エネルギー源アミノ酸(アラニン+プロリン)が摂れる赤い「アミノバイタル® 」。

ゼリードリンクタイプ(左)は1本(130g)でしっかり180kcal、レース中(運動中)にも摂りやすいショットタイプ(小容量ゼリー)は1本(45g)で109kcalのエネルギーが摂れる。


アミノバイタル® GOLD(左)
「アミノバイタル® GOLD」ゼリードリンク(右)

速やかなリカバーを促す必須アミノ酸「ロイシン高配合BCAA」などを配合した金の「アミノバイタル®」。オススメの摂取タイミングは運動後。

顆粒タイプ(左)と水無しで飲めるゼリードリンクタイプ(右)があるので、最後の調整練習やレース直後などの摂りたいタイミングで、摂りやすいほうを使って、その後の「違い」を実感してみよう。


アミノバイタル® アミノプロテイン

必須アミノ酸とホエイプロテインを配合したプロテイン。1回分がスティック1本(約4g)で携行しやすいので、タイミングを逃さないとあって、働くエイジグルーパーの中にも愛用者が多い。

味はレモン(写真)、カシス、バニラ、チョコレートの4種類。

「久しぶりのレース」に向けた仕上げのトレーニングや、レースの後、お休み前の摂取がオススメ。

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スポーツ栄養科学庁長官・網野倍樽(武井壮さん)がアミノ酸を語る!

TV CMなどでも話題になっているスポーツ栄養科学庁長官・網野倍樽(武井壮さん)が「キミも、アミノバイタる?」のスローガンの下、アミノ酸補給やアミノバイタル® について熱く語る、公式サイトがオープン!

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スポーツをする人にとって役立つ豆知識から、スポーツに挑戦している人の舞台裏にスポットをあてる記事まで、魅力的なコンテンツを展開する、公式twitter&Instagramアカウントがオープン!

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