Part03. パワー向上の手段は筋トレだけじゃない!?
11月4日に行われた、3回目のKONAチャレメンバーのフィードバック・ミーティングの続きから。
▶Part.01「最終目標から逆算すれば、日々やることも明確に」
▶Part.02「大腿骨骨折からの走力回復」山田 航さん
▶Part.04「60代でKONA出場!を阻む壁とは?」 小泉邦明さん
第1回フィードバックの様子はこちら≫≫≫夢へ挑戦するアスリートたちのリアルタイムストーリー
第2回フィードバックの様子はこちら≫≫≫スタートから3カ月で見えたきたKONAアスリートへの道筋
東度久美さん
昨年の初ロングから着実に成長
バイクのパワー向上が最大の課題
東度さんはトライアスロン歴4年。意欲的な取り組みが評価され、8月にフレンドからレギュラーメンバーに昇格。自身の性格を「石橋を叩いて渡るタイプ」と分析している。2017年初ロングの宮古島トライアスロンを12時間58分で完走。2018年は五島長崎トライアスロンを12時間30分、佐渡Aタイプを12時間16分と目標を着実に確実にクリアしている。
【自己評価】
2018年6月 五島長崎トライアスロンAタイプ(IMディスタンス)12:30:48
スイム 1:12:39 平均ペース1分54秒/100m
バイク 6:58:48 平均ペース26.5㎞/h
ラン 4:19:21 平均ペース6分08秒/㎞
2018年9月 佐渡トライアスロンAタイプ 12:16:59
スイム(4㎞) 1:25:37 平均ペース2分08秒/100m
バイク(190㎞) 6:46:00 平均ペース28.2㎞/h 平均パワー127W(FTP 147W)
ラン 4:05:22 平均ペース5分49秒/㎞
五島トライアスロンは初めてのアイアンマンディスタンスであり、バイクコースが山がちでハードなため、13時間を目標にしていたが、結果は30分早くゴール。佐渡はスイムとバイクがアイアンマンより少し長めだが、五島の結果をふまえて12時間30分を目標に設定。これも目標を上回るタイムでゴールできた。KONAチャレフレンドとしてメンバーの取り組みや竹谷さんのフィードバックを聞いて、参考になることが多々あった。おかげで自分のやってきたこと、考えてきたことが点から線へとつながり、有効な改善を行うことができた。それが今年の結果になって表れたと思う。
<東度さん ロードマップ>
【クリック・ピンチアウトで拡大】
Toudo’s Road map to KONA
2018年は12月に34㎞のトレイルラン大会に出場予定。2019年は3月にマラソンで3時間45分、5月にITU世界選手権で7時間50分、秋にアイアンマンで11時間15分をクリアする。2020年は6月のアイアンマン・ケアンズで10時間45分(バイク5時間38分/ラン3時間52分)をクリアしてKONA出場権を獲得。KONAで10時間30分を目指す。
目標クリアのための課題・取り組み
これまでの伸び方を考えると、2019年の目標はいけそうだが、2020年のKONA出場は実感が湧かない。最大の課題はバイクで、FTP 147Wではパワー不足。180〜200Wへと上げていく必要あり。そのためには筋力強化が必要なので、このオフは筋トレで肉体改造に取り組もうと考えているが、身体にかかる負担が増えるので不安。今のところこれまで通りスイム・バイク・ランのトレーニングをやっている。
【TKのアドバイス】
慎重な姿勢はいいが、ロードマップに上方修正の余地あり
TK■「石橋を叩いて渡る」姿勢で、課題を的確に分析し、着実に改善していく取り組みはすばらしいと思います。ただ、慎重さがときに目標設定を低く設定し過ぎることにつながっているのでは?
たとえば来年春のマラソンで3時間45分というのは自己ベストなのかもしれませんが、スイムとバイクがアイアンマンより長い佐渡で4時間05分を出していることを考えると、もっと上方修正の余地があります。2020年KONA出場のためには、2019年のうちに上げられるものは上げていくべきだと思います。
パワー向上の手段は筋トレ以外にもある
TK■バイクにパワー向上が必要というのは分かります。しかし、それを単純に筋トレで解決しようと考えるのはどうでしょうか。パワーは筋力+動きの速さであって、単なる筋力ではありません。もちろん筋トレで筋力アップはできますが、それがペダルを押す筋力にならなければ意味がありません。
東度■R-bodyに相談して、筋力をどう動きにリンクさせるか検討しているところです。
TK■それは正しいと思います。筋トレをやったほうがいいかと言えば、やったほうがいいのですが、アップした筋力をスイム・バイク・ランの動きに置き換える手間が必要になります。フォームを維持する体幹もそれに応じて向上させる必要があります。かかる時間や疲労、やる場所など、いろいろな条件を考慮して決めましょう。
東度■スイム・バイク・ランのトレーニングの中で筋力を鍛えることも検討しています。
TK■それも筋力向上の方法ですね。3種目のトレーニングの中でできるので、筋力を動きに置き換える手間が省けるというメリットがあります。しかし、強度を上げて正確な動きをする必要があるので、簡単とは言えません。むしろ時間がかかると言えます。筋力アップだけなら筋トレのほうが効率的かもしれません。筋トレがいいか、3種目の中での筋力アップがいいか、いろいろなことを考えて決めてください。
東度■3種目で筋力アップするにはどんな方法があるでしょうか? スイムだとパドルで抵抗を増やすとか?
TK■そうですね。抵抗をかけるには手の動きも磨かなければなければなりませんが。
東度■バイクはローラー台で重いギヤを踏めばいい?
TK■ローラー台で負荷をかけるのはいいと思います。ただし、大切なのはただ負荷を増すだけでなく、オールアウトまでいくこと。
東度■ランは階段や坂道でダッシュとか?
TK■いいでしょう。できれば坂の下りもやったほうがいいんですが、身体の軸がブレるとケガをするので要注意です。速歩もランの筋トレとして有効だと思います。
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▶Part.01「最終目標から逆算すれば、日々やることも明確に」
▶Part.02「大腿骨骨折からの走力回復」山田 航さん
>>>KONAチャレ過去掲載記事を読む
◎File01. キックオフミーティング「夢へ挑戦するアスリートたちのリアルタイムストーリー」
◎File02. 第1回フィードバック「レースでもう一段強くなる秘訣は”変化を恐れないこと”」
◎File03. モータージャーナリスト河口まなぶ、 KONAへの焦燥と誓い。
◎File04.ウエットスーツに頼らない本物のスイムを手に入れる(AQUALABでの測定リポート)
◎File05. 第2回フィードバック「スタートから3カ月で見えてきたコナアスリートへの道筋」
◎File06. 真夏の木更津トライアスロンでKONA獲得のヒントを探る
◎File07. KONAへつながるトライアスリート的 勝つための食診断 Part.1
◎File07. KONAへつながるトライアスリート的 勝つための食診断 Part.2
◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP
オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。
◎MAKES
https://makes-design.jp/
【他サポート施設】
AQUALAB
流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから。
SPORTS SCIENCE LAB
心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。
R-body Project
ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。
Endurelife
AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20