COLUMN KONA Challenge

「最終目標から逆算すれば、日々やることも明確に」 KONAチャレフィードバックMTGルポ Part1

投稿日:2018年12月12日 更新日:


ルミナ編集部

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2018年の振り返りとKONA出場までをより具体的に

11月4日、3回目のKONAチャレメンバーのフィードバック・ミーティングが開かれた。各メンバーがシーズン後半のトレーニングや出場したレースの報告を行い、プロジェクトリーダーの竹谷賢二さん(TK)が、それぞれの課題とその解決法についてアドバイスを行った。

今回は2020年中にKONAへの出場権を獲得するために、各メンバーが今何をやるべきかをより明確にするため、これから2019年、2020年までの出場予定レースと目標タイム、ペースなどを記したロードマップを作成。これを検討しながら、「今何をすべきか」を考えた。ここでは何人かのメンバーの報告とロードマップの検討から見えてきた課題、解決への取り組み方を紹介する。

第1回フィードバックの様子はこちら≫≫≫夢へ挑戦するアスリートたちのリアルタイムストーリー
第2回フィードバックの様子はこちら≫≫≫スタートから3カ月で見えたきたKONAアスリートへの道筋

2020年までにKONA出場権獲得から逆算して
2年間のロードマップを作成する

まずは、竹谷さんからロードマップ作成についての心構えなど基本的な話からスタート。

以下TKより

今年4月にKONAチャレがスタートしたとき、まず皆さんに2020年中にKONAへの出場権を獲得をするという自分のイメージを、アイアンマンのトータルタイムと各種目のタイムで表現してもらいました(公式HPメンバー紹介・詳細ページ参照)。

これをプロジェクトのゴール/目標として、それまでの約2年半の間にクリアすべき課題や、そのために行うトレーニングに落とし込んで、実践していけるようにというのがその狙いでした。

しかし、その後の経過を見ていると、2年半というスパンが長過ぎるのか、日々の取り組みに対する目的意識が漠然としている人が多いように思えます。

そこで2018年の残りと2019年、2020年に出場予定のレース、そこでの想定タイム(総合・各種目)などを設定したロードマップを作成してもらいました。そのタイムをクリアするために必要なペースから、3カ月ごとに行う定点観測での測定値も割り出されて記入されています。

これによってこれからの2年間、日々のトレーニングでやることの目標が明確になり、それがどのくらいできたのかも把握することができるようになります。

大切なのは漠然とスイム・バイク・ランを何時間やるかではなく、毎回何を目的としてそれをやるのかを意識してしっかり行うこと。スイムでのワンストローク、バイクでのひとこぎ、ランでの一歩に集中すること、それがKONAへつながっていきます。

3種目の動き、強度、つらさなど意識すべきことはたくさんあります。日常生活の姿勢なども重要です。日々それを積み重ねることができるかどうかで、2年後の結果は大きく違ってきます。これからの2年間、無駄にしていい時間はありません。それを意識して日々の取り組みを積み重ねてください。

菅野高広さん
腰痛で力が発揮できなかったアイアンマン台湾
課題をすべて徹底分析して改善していく

菅野さんはトライアスロン歴6年。仕事で約2カ月置きに2カ月くらいの長期海外出張があり、トレーニングに波があるが、出張中は短い高強度トレーニング中心、帰国中はロングを入れるなど工夫している。

【自己評価】

2018年10月 アイアンマン台湾12:13:12
スイム(400mに短縮)9:10 平均ペース2分18秒/100m
バイク 7:20:36 平均ペース 24.51㎞/h 平均パワー117W(FTP 227W)
ラン  4:28:13 平均ペース6分22秒/㎞

これまで腰痛に悩まされてきたことから、姿勢や動きの研究に取り組んだが、今シーズンのメインレースであるアイアンマン台湾でも腰痛でバイクの途中からスローダウン。これまでで最悪のレースとなった。しかし腰痛は、R-bodyで検討を重ねた結果、腰椎に問題があるわけではなく、骨盤周りの可動域の狭さ、臀部・ハムストリングス・肩まわりの動き、左右差からきていることが分かった。台湾に向けて動きが悪いまま激しいバイクトレーニングをしていたことを反省。バイクはまずフォーム改善を優先し、それから長い実走トレーニングをやるという段階を踏む必要あり。

<菅野さん ロードマップ>

【クリック・ピンチアウトで拡大】

Sugano’s Road map to KONA
今後はハーフマラソン、フルマラソンに数回出場し、2019年春に3時間25分程度を目指す。2019年シーズンのトライアスロンは6月のアイアンマン・ケアンズで10時間00分、10月のアイアンマン台湾で9時間40分を目指す。冬〜春にマラソンで3時間00分まで走力を上げ、2020年の6月のケアンズか7月のカナダで9時間20分をクリアし、KONAに出場。

自己分析】
目標クリアのための課題・取り組み
バイクのフォーム改善以外にも、大転子ランニングの本などで動き改善の研究をしている。スタンフォード式睡眠法でリカバリーの質を高めることにも取り組んでいる。ロードマップ通りに目標をクリアするには体重を落とすことも考えなければならない。今シーズンは72kgを67kgまで落としたが、これを63kgくらいまで落とす必要あり。バイクのFTPを50W上げる必要があるので、週末に峠の上りを入れたコースで実走練習をしていく。

KONAチャレパートナーとして、WINZONE Aboundに加え、「ニッスイ スポーツEPAウルトラピュア」も今回からサポートしてくれることに

【TKのアドバイス】
取り組み内容が過剰で、取捨選択が必要

TK■課題の把握と解決策の研究に熱意をもって取り組む姿勢はすばらしいと思います。取り組みの内容も概ね正しい。大転子ランニングの本は私も参考にしています。ただし、やろうとしていることが多過ぎるのではないでしょうか?

やるといいものはたくさんありますが、自分でコントロールできる範囲、きちんと続けられる範囲にしないと、結果を出すことができません。それぞれはよくても合わせてやるとバッティングして、トータルでマイナスになったり、故障してしまったりすることもあります。

もう一度取り組み全体を見渡して、継続・コントロール可能な範囲で、取り組みを取捨選択してはどうでしょうか? 体重のコントロールは誰でも多かれ少なかれ必要ですが、菅野さんを見る限り、今でも絞り込んでいるので、63kgまで落とすのはかなり無理があると思います。

67㎏に落とした時点で体調が悪くなったのを感じているならなおさらです。練習量も平日だけで10時間やっていますが、週末にも練習をするならこれはやりすぎだと思います。

KONAに行くためには無駄にできる時間はありませんが、一番大きな無駄は故障でトレーニングできなくなることです。KONAチャレで気持ちが高まっているのは分かりますが、やりすぎにはくれぐれも注意してください。

取り組みのひとつひとつの方向性は正しいことばかりなので、現実的に続できる範囲に絞り込んで「菅野流」を見つけ出すことができれば、良い結果が出ると思います。

▶続き≫≫≫第3回フィードバックPart.02「大腿骨骨折からの走力回復」山田 航さん編はこちら

▶Part.03「パワー向上の手段は筋トレだけじゃない」東度久美さん
▶Part.04「60代でKONA出場!を阻む壁とは?」小泉邦明さん

>>>KONAチャレ過去掲載記事を読む
File01. キックオフミーティング「夢へ挑戦するアスリートたちのリアルタイムストーリー」
File02. 第1回フィードバック「レースでもう一段強くなる秘訣は”変化を恐れないこと”」
File03. モータージャーナリスト河口まなぶ、 KONAへの焦燥と誓い。

File04.ウエットスーツに頼らない本物のスイムを手に入れる(AQUALABでの測定リポート)
File05. 第2回フィードバック「スタートから3カ月で見えてきたコナアスリートへの道筋」
File06. 真夏の木更津トライアスロンでKONA獲得のヒントを探る
File07. KONAへつながるトライアスリート的 勝つための食診断 Part.1
File07. KONAへつながるトライアスリート的 勝つための食診断 Part.2

◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP

オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。

◎MAKES
https://makes-design.jp/

【他サポート施設】
AQUALAB

流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから

SPORTS SCIENCE LAB

心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。

R-body Project

ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。

Endurelife

AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20分の95%)、フォーム、ペダリングを評価。

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