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【スタートダッシュを決めるためのオフシーズンの過ごし方】太田麻衣子コラム#13

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ルミナ編集部

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太田麻衣子のウキウキトライアスロンライフ#013

前回>>#012【リセットして再出発! しろさとTT200出場へ】

トライアスリートにとってKONAという場所の意味

皆さんこんにちは! トライアスロンコーチのラプレム太田麻衣子です。12月になり一気に寒くなりましたが、ケガなくトレーニングできていますか? 冬はケガのリスクが上がり、そして治りにくいです。今回はオフシーズンのトレーニングの取り組み方についてお話ししていきます。

太田麻衣子さん 第12回コラム 宮古島合宿

その前に、先日衝撃的なニュースがありました。トライアスリートとして、それに触れないわけにはいきません。

2022年のIRONMAN世界選手権はKONA(ハワイ島)で2日間にわたり開催され(前々回コラム参照)、来年も同じように実施されるとアナウンスがされていましたが、2023年のIRONMAN世界選手権は、男女別の開催地になるとのこと。

2023年の女子はKONA、男子は来年1月に発表。通常1日がかりで行われるアイアンマンレースを今年は2日間で実施。そのことが開催地にとって大きな負担であったということが大きな理由のひとつのようです。

太田麻衣子さん コラム第13回

多くのトライアスリートにとってKONAは憧れの地であり、先人の偉大さも感じられる歴史がある場所。私は今年初めてKONAに出場した新参者ですが、ハワイ島はエネルギー溢れる場所で、暑さとコナウィンドウに翻弄されながら自分の力を試す、これ以上にない舞台だと思っています。

しかし大会は地元の方の理解と協力の上で実施されるので、地元が「No」といえば開催できません。ただ、個人的に残念なのは男女別開催になったこと。男女一緒にレースできることがIRONMANの魅力のひとつだと思うからです。

KONAのイベントも男女一緒だからこそ盛り上がります。またKONAに男女の世界選手権が戻ることを願い、引き続きトライアスロンを楽しみながら皆さんのサポートをしていきます。

太田麻衣子さん 第13回コラム

オフトレのはじまりは宮古島合宿から

KONAが終わり約3週間のオフを経て、少しずつ身体を動かしていきました。11月は約3週間宮古島に滞在して、その期間にメンバーさんを迎えながら合宿を実施しました。

11月の宮古島は晴れることが多く、気温は25-28℃くらいでトライアスリート的にはベストシーズン! 滞在中に50人ほどトライアスリートを見かけたと思います。ラプレム合宿は綺麗な海を見ながら、のんびり3種目とグルメを楽しみました。

太田麻衣子さん 第13回コラム 

トライアスリートが支配人をされている、来間島にあるグランピングリゾート「Rugu」で宿泊&BBQをしてゆったり時間も過ごしました。ランは宮古島トライアスロン大会で新しく予定されているコースの他、コースからは外れましたが、伊良部大橋も走りました。

太田麻衣子さん 第13回コラム

また、ホノルルマラソン対策で30km走も。 釣り部の方はマグロ、沖縄の三大高級魚アカジン釣りに行かれて大漁!

太田麻衣子さん 第13回コラム

そして、伊良部島で開催された「第1回17ENDハーフマラソン」に出場しました。宮古島でランニング大会が開催されたのは実に3年ぶり。「皆さん待ちに待った!」という感じで、宮古島トライアスロン大会でおなじみのFMみやこの黒澤アナウンサーとリアルまもるくんの掛け合いで盛り上がりながらスタートしました。

太田麻衣子さん 第13回コラム
太田麻衣子さん 第13回コラム

宮古島のアスリートと声を掛け合い、約1000人が笑顔でマイペースに身体を動かすことを楽しみました。私は女子優勝のおまけつき。可愛いトロフィーをいただきました。

太田麻衣子さん 第13回コラム

そして、なんと新聞に掲載され、その後宮古島でトレーニングをしていると声をかけていただくことも。滞在中は地元のいろんな所に行き話をするのが楽しみのひとつとなりました。池間島の「海美来」ではいつも「おかえり~。いってらっしゃーい!」と声をかけてくださり、新聞に載ったことを喜んでくださいました。

太田麻衣子さん 第13回コラム

ディープな所では夜の釣具屋に缶ビール片手に地元の集まる場所にも行きました。大会でボランティアしてくださっている方や開催を楽しみにされている方が多くうれしかったです。宮古島のトライアスリートの練習会、食事もさせていただき楽しい時間を過ごしました。

2023年大会は距離が短くなりパーティーは開催されませんが、「まずどんな形でも開催して大会を継続させること。そしてまた元の形に戻していきたい」と大会事務局の方がおっしゃっていました。宮古島でトライアスロンをできることが今からとても楽しみです。大会当選のお知らせはクリスマス前後に届きます。当選された方は冬場にしっかりトレーニングしていきましょう。

太田麻衣子さん 第13回コラム

来シーズンへ向けたオフの過ごし方

オフシーズンはどんなトレーニングをしていけばいいのか。すべての方、すべての時期に共通して言えるのは、「楽なペースで継続できる強度でトレーニングする」「高強度をやりすぎない」ことです。

毎回ゼーハーすれば速く強くなるものではなく、低強度の割合を多く保つことで身体は進化していきます。高強度を増やすとケガのリスクが高まり、回復せずにオーバートレーニングにもなります。

先日JTU主催のロング向けZOOM勉強会に参加した際、KONAで男子優勝したグスタフ・イデン選手の心拍データが取り上げられました。心拍の割合はZONE1-2が多く占められZONE4-5はわずか、彼らのYouTubeでは閾値走をやっているのを見かけます。

太田麻衣子さん 第13回コラム

マラソンの世界記録保持者キプチョゲ選手も練習の8割はJOGと言っています。私たちは彼らとレベルが違いますが、低強度でトレーニングを継続することが大事なのは一緒。

コツコツ継続することが強さの秘訣。低強度トレーニングをすることで毛細血管が全身に行き渡り酸素が身体に巡るようになり、ベースがある上で中強度(ZONE3程度)トレーニングをすると能力が上がっていきます。

シーズン中にZONE5(VO2MAX)の割合を増やしても速くはならなかった、というデータが興味深かったです。私の場合はもう少しZONE3を増やしていきたいと思います。

太田麻衣子第13回コラム

2022年太田データ

私のラントレーニングは話ができる楽なペースが9割。6分30~5分/㎞、心拍は120-140。残り1割は閾値走(心拍165前後)やテンポ走(心拍155前後)で、どちらか週1回できればという感じ。

ZONE5はほぼやりません。頑張ってペースを上げて走っているけどなかなかタイムに反映されない方は、強度を落としてみてください。楽なペースで速くなるならその方が身体にも良いですよね。トレーニング後の栄養補給、ケア、睡眠もたっぷりと。

冬はランニングシーズン! 大会にエントリーされている方も多いと思います。クリスマスは都大路、お正月はニューイヤー駅伝、箱根駅伝と駅伝を見る機会が増えます。

トップ選手の走りを見るとモチベーションが上がり速く走ってしまい肉離れ、とならないように、良いフォームを頭に入れつつまずはゆっくりペースで。
朝練される方は特に要注意! しっかり筋肉を温めてからアップをしっかりしてから動くようにしてください。最初にもお伝えしましたが、冬はケガのリスクが高く治りにくいです。ゆっくりペースでケガなくトレーニングを。

ランフォームのポイント
・正面を見て、身体の軸を真っ直ぐに(高くジャンプできる目線)
・おへそと胸を高くキープ
・その姿勢でやや傾き、自然と脚が動く角度で走る
・腕振りは振り子のように前後動かしてテンポよく
・足の接地時間を短く(長いと足の負担が増えて怪我に繋がる)

冬はゆるゆるペースでじっくり身体作り、怪我なく楽しいトライアスロンライフを!

佐渡国際トライアスロン 播本明彦カメラマン

©AkihikoHarimoto

コラムをはじめから読む
>>#01【KONAの表彰台を目指して】
>>#02【宮古島で新たなレースも夢じゃない!?】
>>#03【ケガの功名? あらためて自転車の安全性を考える】
>>#04【ケガで落ち込むよりもできることを積極的に】
>>#05 【ケガからの復帰戦 WTCS横浜に想うコト】
>>#06【高地トレーニングでパフォーマンスアップを狙おう!】
>>#07【今季注力のトレーニングで2週連続レースも笑顔でフィニッシュ! 】
>>#08【シーズン後半 本命レースに向けてラストスパート!】
>>#09【佐渡で感じたコトをKONAで生かす】
>>#010【いよいよKONAへ】
>>#011【夢の舞台に立ってみて】
>>#012【リセットして再出発! しろさとTT200出場へ】

太田麻衣子 佐渡国際トライアスロン

©KentaOnoguchi

太田麻衣子/おおたまいこ
トライアスロンチーム・ラプレム代表 https://linktr.ee/lapulem_maiko
大学からトライアスロンを始めて日本選手権8位、U23世界選手権代表など。2022年念願のアイアンマン世界選手権(KONA)に出場を果たす。目標はエイジでの表彰台。今はコーチングをしながら一緒にレースを楽しむスタイルでトライアスロンを満喫中!

【2022年~2023年レース予定】
12月18日(日)鋸山トレイルラン
12月24日(土)クリスマストレイルラン
12月28日(水)Beyond2022 / フルマラソン
2023年
3月19日(日)しろさとTT200
4月16日(日)全日本トライアスロン宮古島
6月18日(日)IRONMAN Cairns

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